分析化学(分光分析化学)期末試験
北森分
解答用紙に教官名を明記すること
試験時間:8:30〜10:00
問1.原子発光スペクトルと蛍光X線スペクトルについて以下の問いに答えよ。
1) アルカリ金属元素はNaと同様全て二重発光線を持つことをスペクトル記号を用いて説明せよ。
2) 基底状態のSi原子の電子配置を示し、次にHund則からエネルギー準位の構造をスペクトル項とともに記せ。
3) 球面調和関数を用いて、光を放出する遷移の方位量子数lに関する遷移則を求めよ。導いた過程も簡潔に記すこと。
問2.XPSを用いて状態分析する場合の、多重項分裂、配位子効果について簡潔に説明せよ。
問3.次の試料と事柄に関する分析法を計画し、それぞれ3行以内で記せ。
1) 小鍋に1g残された食物中の微量砒素系毒物の有無。
2) ある固体表面に100nm積層したAlを含む超格子において、表面から50nmまでのAlの深さ方向の分布。
3) ある固体試料の表面に生成した酸化膜の元素組成(元素分析)と、化学状態(状態分析)。
沢田分
機能材料、環境、及び生態試料を原子、分子レベルで分析する時分光法がよく用いられる。いろいろな分光法が知られているが、対象試料を励起したり、分析情報を取得するために、光(電磁波)、加速電子(放電も含む)あるいは熱などが用いられる。これら励起法の違う代表的な分光法を各一つずつ挙げ、原理、特徴、適用可能な条件(何が分析できるか)を簡潔に述べよ。
つぎに、光とは、電子とは、熱とは何か考えつつ励起法の違いによる、得られる情報の差異について物理的根拠を述べよ。