「玩具を見ればその国の文化が見える」 |
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ここ最近、イベントやメールなどで質問される内容に「香港製のマジンガーZのコピー超合金が欲しいんだけど」「ゲッターロボのコピー超合金が・・・」「ゴールドライタンの・・・」と言う物がある。
勘違いしないでいただきたい、あれは決して「いんちき玩具」ではない。
「いんちきおもちゃ」と「コピー商品」を混同される向きがあるが、これは大きな間違いである。
例えばアジアの玩具屋などで売っているDX超合金のコピー物も、そのままコピーしただけではただの「ニセモノ」でしかない。
ただ、いままで市場に出回っていたコピー商品の多くは、それでもパッケージの名前が、正規品とまったく違っていたり、メーカー名やライセンス表記などが抹消されていたりと「それとわかる工夫」がされていた。
しかし、件の質問で出てくる「マジンガーZ(4期)」や「ゴールドライタン」「ゲッターロボ」などは、パッケージや証紙、ミニカタログなど細部までコピーし、「岡山の問屋で大量に発見された」だの「台湾に輸出されたもののデッドストックが見つかった」「香港で再販された」だのと言う嘘を付属して流通している。
これはどう考えても「いんちき」の範疇を超えている。
例えば、かつてロシアで出回った「2ドル札」「500ドル札」は「いんちき」アイテムといえるが、精密に複製された「1ドル札」は「いんちき」でもなんでもないただの「偽札」だ。遊び心がないのだ。
「いんちき」は「うさんくさい」シチュエーションや外見を持った「C級」以下の品物と捉えていただきたい。そこに我々の心を捕まえる「何か」があったときにそれを「いんちき」と称することにしているのだ。
例えば、オリジナルとかけ離れた狂気的な配色であったり、別物に見えるような改造であったり、あるいは巨大な商品をブリスタに入れてしまうという様な、パッケージに心引かれる場合もある。
そして、「ニセモノ」と「いんちき」の違いはその将来性にある。
オリジナルをそのまま模倣して良しとする「ニセモノ」とは違い、色や外観に手を入れ、時にはサイズを変える等の工夫を凝らす「いんちき」は、発展して独自の商品を展開するに至る。
かつて、私は初めて訪れた香港の露店で、多くの「いんちき」商品を見つけた。
巨大化されたゴールドクロス、ブルドーザーに変形するブリッツウイングなど・・・
そして、今「乗り物がロボットに変形する」というコンセプトや変形パターンが既存の物であっても、独自の金型で、(似た物があるにせよ)オリジナルのデザインで作られた香港の玩具が、日本のメーカーに輸出されるまでに至っている。
対して、「悪質なニセモノ」は「いんちき文化」の締め出しの危険性を秘めている。
現在、いくつかの玩具イベントの主催者が件の超合金の販売問題で神経を尖らせているという。
そういった「悪質なニセモノ」をイベントから締め出す手段として「アジアの無版権玩具は一切販売禁止」となる可能性もある。そうなったとき、たとえサイズが巨大だろうが、色がサイケだろうが「いんちき」商品もその対象になるだろう。
かつて、いんちきアイテムはアジアの露店でしか見ることのできなかった品物だが、ここ最近ウチの「いんちき万歳!」やそれ以外のいくつかのディーラーが、面白い品物を持ち寄っている状況にある。
21世紀中も気軽に「いんちき」商品で笑え、入手できるイベントが続けば幸いである。
「どこかで見たような、でも見たことがない」これが「いんちき」なのである。
香港の老舗メーカー、チャンピオンクラウン社の「SWORDBOT」
変型パターンやコンセプトのアイディアは、あきらかに「ダグオン」に登場するライアンから得ているが、
商品のサイズ(当然金型は新規)やデザインはまったくの別物。