古本街の古風な酒場
上海の古本街の路地裏で、山のように積み上げられた酒の空き瓶(カメ)を見つけたら、そこが「孔乙己酒家」だ。
骨董品屋か漢方薬屋を思わせる古風な作りの外観と、期待どおりの古風な作りの店内はまるで古い中国にタイムスリップしてきたのではないかと思わせる(嘘)
古風ながらも清潔な店内は、ジャッキーチェンの古い映画で登場するような、いかにもな「中国の酒場」だ。
ジャッキーチェンが大喜びでクルクル回しそうな椅子や、高めのテーブルも完備されている。
この店の料理は基本的に紹興料理、酒も当然本場の「紹興酒」がお待ちかねだ。
ここで出される紹興酒は甘みもコクも良い「雕王(デャオワン)」、豫園の「沈永和紹興酒店」と同じ物だろう。
酒器は竹で作られたコップ、雰囲気のある徳利から注ぐのがまた良い。
竹の器は、古い竹で作られている(作ってから古くなったのかも?)ため、香りが無く純粋に酒の風味を楽しめる。
そして紹興酒には、やはり紹興酒料理のツマミを注文したい。
温菜はメニューで注文し、冷菜は店の奥のカウンターに並んでいる物を注文するシステム。
わりとどこにでもある定番的な冷菜の「蒸し鶏」。
骨ごとぶつ切りにしてあるので、豪快に食べる。
塩味が効いていてウマイ。
独特の香り付けがされたソラマメの冷菜。
香りが苦手な人もいるかもしれないが、紹興酒との相性は最高。
「松仁玉米」はトウモロコシと松の実のバター炒め。
濃厚な風味がウマイ。
中国や香港、台湾などを旅した事があれば、町で見かけ強烈な印象を受けながらも、食べるのをためらいがちな「臭豆腐」も、紹興酒との相性は抜群。
紹興酒のツマミにいただくと、不思議と臭さが気にならなくなる。
メインは「梅干菜焼肉」、梅干し(日本のとは違い甘い物)で煮込んだ豚肉。
一口サイズのバラ肉が、トロリとアマカラく煮込まれていて日本人好み。
当然紹興酒との相性も最高だ。
いつもいるのかはわからないが、オッドアイの白ネコが店内に。
ムシドリの骨などをあげるとウマそうに食べていた。
この店が上海の飲食店としては異色な所は
「飲食物の持ち込み禁止」の注意書きがある事。
上海ではとても珍しい事なのだ。