Kawasaki Ski Association Since1939 本文へジャンプ

●akkoの「ちょっとおせっかい」

 

ーーーーーーーーーーーー第1回 初めておせっかいーーーーーーーーーーーー

バンクーバーオリンピックに関するニュースが増え、スノーシーズンも盛り上がってきた今日この頃ですが、皆さんはどんなシーズンライフを送っていますか?

ここでは、学生として、会社員として、フリーターとして、そして主婦としてさまざまな立場でスキーに携わってきた私の経験を元にお話させていただこうと思います。
大した経験ではありませんが、このような場を与えていただけましたので、20年以上スキーに携わる中で感じてきたたくさんのことや、いろいろな方に教えていただいたこと、最近発見したことなどを書いていきたいと思います!皆さん(特に準指導員、指導員受検の方)のスキーライフに役立てば嬉しいのですが・・・。
ただ、皆さんそれぞれスキーを始めたきっかけも、携わり方も目標も違うと思いますし、スキーに「こうじゃなきゃいけない!」ということはありませんので、ラフに受け留めていただいて、落ち込んだときのヒントや「へ〜、こんなこともあるのか」「そのくらいなら、私だってできるじゃん!」程度で読んでもらえたら、と思います。

さて、いろいろな立場でスキーに携わってきた・・・と書きましたが、振り返ると本当にいろいろです。そして、その立場や環境によって、練習方法も違うし、感じ方も違いました。ということで、少し長くなりますが、今回はこんな感じで・・・・・・。

         動機がなんであれ、好きこそものの上手なれ!

私がスキーを覚えたのは、小学2年のときに父の転勤で札幌に住んだことがきっかけなのですが、5年生くらいまではスキーにあまり興味がなく、ちっとも上達しませんでした。それが、小学6年生のときに、かっこよく滑る年上のお兄さんに憧れ、「私もあんなふうに滑りたい!」という思いから、急にスキーが好きになりました。それからはスキーが楽しくて楽しくて・・・。するとどんどん上達して、長年抜けなかったプルークスタンスがいつの間にかパラレルスタンスでスイスイと滑れるようになっていました。

               がむしゃらで良かった20代

中学1年の終わりに、再び父の転勤で雪なし県の神奈川に戻ることになりました。その後高校3年までは小学校から続けていた水泳に打ちこんだものの、記録は伸び悩み、大学進学と同時に札幌でかじったスキーなら!と(体育会系)スキーサークルに入部しました。当時はまだ「技術選」も「デモンストレーター」という言葉も知りませんでした。それなのに、先輩に連れていかれたところが八方尾根スキースクール。しかも居候場所として連れて行かれたのはデモンストレーターの家。
デモンストレーターって何?スキースクールで教えるって何をどうすればいいの?右も左もわからないまま、ただひたすらがむしゃらな毎日を過ごしていたような気がします。でも、とても楽しい思い出ばかりです。
少しでも滑っていたくて、午前の講習が終わると昼食はリフトの上でおにぎりを、午後の講習が終われば練習している先輩を見つけて後ろを滑ったり、リフト待ちが長いときは待っている時間すら無駄に思えて何度も歩いて登りました。
そして、体と心が「もうダメ・・・」という状態になるまで連日滑っていました。それでもあの頃は、体力もあったし、滑れば滑った分だけ上達していた気がします。

          自分の感覚を大切にすることを覚えた就職時代

大学4年の冬、内定していた東京の会社が倒産するという事態に遭い、急遽恩師の紹介で山梨のスキー場に就職することになりました。スキー漬けの生活は大学4年で終了!と思っていたのが、進路が変わり、やっぱり滑ることに。
しかし、“スキー場=滑れる”と思っていたのが、大きな間違い。辞令は企画部。デスクワークと営業活動がメインで、滑れるのは業務終了後。けれども、就職先のスキー場はナイター営業を行っていなかったため、退社後毎日車を約40分走らせてよそのスキー場で滑らなければいけませんでした。もちろんリフト券を買ってですよ。
「スキー場に勤めながら、なんでよそのスキー場でリフト券を買って滑らなければいけないの?」。おまけにそこはたった1枚バーンだし、滑れるのは平均1〜2時間。
毎日、仕事を終えてスキー場と寮との往復は体力を消耗し、寮に戻るとスキーウェアのまま寝てしまうこともありました。また、滑れる時間が少ないため、夕食は車の中で肉まんとお菓子だけ、なんてこともありました。(幸いまだ若かったせいかこんな生活でも乗り切れましたが、今は無理だろな〜)
第一、教えてくれる人がいないのに、どうやって練習すればいいのだろう?
このとき、初めてこれまでいかに教わることに慣れ過ぎていたかを実感しました。そして、練習時間のやりくりと、人頼りにならず、自分で自分を評価する、練習を組み立てる、自分の感覚を大切にするということを覚えました。

   自信は魔力なり。自信の裏には努力あり(フリーター時代)

就職して3年半。20代後半になり、「もっと練習して、技術選での成績を上げたい」という気持ちから会社を辞めました。そして、退職金や積み立て保険の解約金をすべて使って、デモンストレーターも参加する海外合宿に参加しました。
スキーに専念できる環境になると、「成績を上げたいと言って会社を辞めたのに、下がったらどうしよう?」という情けない不安が募りました。それに合宿や試合のための資金を稼がなければいけないし、練習もしなければいけない・・・。トップ選手は指導してくれる人もいるし、オフもスキーに携わりながら収入を得ることができるんでしょ?では、私はどうしたらいい?トップ選手と自分とは何が違うのか?環境?体?やっぱり技術・・・?
私の性格上緻密さには欠けますが^^;、必死にいろいろ考えました。そして、気づいた大きなこと!トップ選手にあって自分にはない最大のもの。-―それは“自信”だと思いました。
私は技術選の場に行くと、目標は高く掲げつつも、「自分はこの程度・・・」とどこかで自分のポジションを決めていたような気がします。「あの人はうまい」「あの人はデモだから」とトップ選手を常に下から見上げることしかしていなかったような気がします。けれども、トップ選手や成績が上がっているライバルたちは、いつも堂々としていました。
そして、それは彼女たちの日ごろの努力から来る自信であることを知りました。「よし!自信をつけよう!」そう思い、自分の自信のなさが何から来るかをいろいろと考え、人まねではない自分なりの練習方法を考えたり、とにかくいろんなことをしてみました。すると、練習は楽しいし、上達を実感できるようになったし、本番も自分に「できる」と言い聞かせることができるようになり、自分より若い選手がどんどん出てくる中で成績もわずかながら上がっていきました。

                  心もスキーを操作する

大学1年のとき、八方尾根ではじめて「技術選」というものを知り、「私もいつか八方の技術選に出たい」と思い続けて10年以上。大学4年のときから技術選に出られるようにはなったものの、会場は尾瀬岩鞍、野沢温泉、ルスツリゾート、石打丸山、田沢湖、岩岳と転々とし、ようやく憧れの八方で開催されることになったのは、私が30歳のときでした。
「これで、最後にします」。周囲にそう宣言して臨んだこの試合は、気合いは十分なのに、八方の技術選に出られる喜びと、最後だからこそ成績を上げたいという強い思いが錯綜し、これまでにない緊張感、いえ!恐怖感を抱いていました。
予選初日の朝。スキーを履き、リフト乗り場に行くとき。足はふらつき、地に足が着いていないような感覚でした。リフトから降りる瞬間も怖くて怖くて、ウォーミングアップをしたいのに「どうやったらターンできるんだっけ・・・?」と基本的な動きすらわからない状態になりました。まるで初心者に戻ったかのような・・・。
不安なままの予選1種目め。必死に「大丈夫、大丈夫」と自分に言い聞かせてスタートしました。頭の中が真っ白な状態でゴール。そして、2種目めも滑ることへの恐怖感で、自分の体や脚がどうなっているのか、またどうしたらよいのかわからないフワフワとした感覚でした。
こんな初めての感覚に、ひとりボロボロと泣いていたのを覚えています。大袈裟に聞こえるかもしれませんが、本当に自分で自分をコントロールすることのできない強い不安と恐怖に包まれていました。
すると、いつも厳しい大先輩が私に一言。
「何のために出ているの?明子はスキーが好きだから滑ってるんでしょ?人のためじゃないでしょ?だったら、笑って思いっきり滑ればいいじゃない?いい成績出そうとか、かっこよく滑ろうとか余計なことを考え過ぎなんだよ。いつも通り滑ればいいんだよ。そのために練習してきたんでしょ?」と。
そう言われた瞬間、何かがスーッと落ちました。
すると、予選2日目は笑顔で思いっきり滑ることができました。前日の恐怖や不安がなんだったのか、と思うくらい、思いっきり、楽しく滑ることができました。そして、その結果、準決勝に進むことができ、自己最高順位で終えることができたのです。
心もスキーを操作する――選手として最後の試合で、ものすごく大きなことを知りました。
(先輩には心から感謝です!)

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        【口角アップ!】

よく女性誌などで「口角アップで幸運がやってくる」なんて書いてありますが、先日ふと歩きながら口角アップを試みてみると(変な人!?)、背筋がピンとする感じがしました。しかも目がシャキッとする感じもしました。逆もやってみよう・・・と、口角を下げてみたところ(絶対変!?)、目尻が下がり、自然と肩がだらんと落ちるような気がしました。
なんだか、「発見!」のような気がして、口角を上げたり下げたり・・・。おもしろいですよ。いろんなところが連動するんですよ。
というわけで、今週末の五竜行事では口角アップで滑ってみようかな、と思います。幸運もやってくるかな!?

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