マナ、来日−『アスカ、来日』より−「セカンドチルドレン。霧島マナよ。」 そうミサトが紹介した、その瞬間。 「キャッ!」 マナのスカートがめくれあがる。 「もう、エッチな風なんだから。」 あわててマナはスカートを押さえる。 それを見ていた三馬鹿。それぞれに勝手なことを考えていた。 『か、かわええ』 赤くなるトウジ。ヒカリがこの場にいたらさぞかし怒り狂っていただろう。 『生きててよかった。』 なんか情けないぞケンスケ。 『いい。アスカなんかより絶対いい。』 シ、シンジ君。いくらなんでもその感想はまずいぞ。 「どうだ、碇シンジ君は?」 加持がマナに問い掛ける。 「かっこよくて、かわいくて、優しそうで、も〜最高!写真で見たのの10倍はいい男ね!!」 「そ、そうか、良かったな。」 さすがの加持もマナの迫力に気圧されていた。 瞬間、心重ねて「で、ユニゾンはうまくいってるんですか?」 「見ての通りよ。」 ミサトが二人を指差す。 「か、完璧や。」 おもわず驚嘆するトウジ。 「良かったわね。」 出番を奪われたレイはちょっと、いやかなり不機嫌だった。 「シンジ、昨日の夜寝てる私にキスしたでしょ。」 「ず、ずるいよ起きてたなんて!」 「ひどいわ!」 「あ、え、えっと」 「なんでキスだけでやめたの!?」 「は?」 「シンジだったらその先もOKの三連呼だったのに〜!」 「ご、ごめん。」 なにに対して謝っているのか、もはやシンジにも判らなかった。 嘘と沈黙「シンジ、・・・しよ。」 「え?」 「だから、・・・しよ。」 「キス・・・だよね?」 「いまさらキス、もないでしょう。そ、の、さ、き(はあと)。せっかく二人きりなんだからぁ。」 ・ ・ ・ で、結局どうなったかというと。 「よかったよ、シンジ。でも、責任は取ってね(はあと)。」 自分から誘っておいて責任もへったくれもないと思うのだが、 「うん。」 素直に従うシンジであった。 死にいたる病、そして「僕が、先行します」 「駄目よ!」 「戦いは男の仕事、ってね。」 「そんな、私を守るためにシンジが傷つくなんて耐えられない!」 「マナ、優しいんだね。」(←そうか?) すっかり自分たちの世界に浸っている二人。 「・・・私が先行します。」 そんな二人をほっておき、先行するレイ。実はちょっと怒っている。 だが、 レイの零号機の真下に影が広がり、徐々に零号機は影の中に飲み込まれていく。 「綾波!」 「レイ!何やってるの!」 シンジやミサトたちの呼びかけもむなしく、零号機は影の中へと沈んでいった。 ・ ・ ・ 「こうなったらしかたないわね。初号機と弐号機、2機のエヴァで目標のATフィールドを中和、そこにありったけのNN爆雷を投下する。これしか作戦はないわね。」 「レイを見殺しにする気なの!」 「レイがこうなったのはあなたのせいなのよ!」 ミサトとリツコが言い争いをしている頃、 「シンジ、あーん。」 「何やってんだよマナ。」 「だって作戦前にはちゃんと食事を取らなきゃ。」 「そうか、そうだね。」 少しは緊張感とか、責任感を感じろよ、おまえら・・・ 投下されるNN爆雷。 使徒は殲滅された。零号機もサルベージされたが、どうにか原形をとどめている、といった状態で、パイロットの生死は絶望的に思えた。 だが、 「綾波!」 「・・・・・・」 「よかった、綾波が無事で。」 「何か、あったの?」 「覚えてないの?」 「いえ、知らないの。たぶん、私は3人目だと思うから。」 「知らない?」 「ええ、だから碇君がセカンドチルドレンとばっかり仲良くして、私を見てくれないとか、私が使徒に取り込まれている間、あなたたちがいちゃついてた、なんてことも全然知らないわ。」 せめて、人間んらしく「マナのシンクロ率、下がる一方ね。」 「マナ今日、調子悪いのよ、2日目だし。」 ・ ・ ・ 女子トイレ、下腹の痛みにうずくまるマナ。 「女だからって、なんでこんな目に合わなきゃいけないのよ。」 しばし考えて顔を上げる。 「でも、シンジの子供を産むためにはしょうがないか。」 エレベーターの中のレイとマナ。 長い沈黙の後。 「心を開かなければ、エヴァは動かないわ。」 「心を閉ざしてるって言うの?この私が。」 「だってあなた、碇君のことしか考えてないもの。あれじゃエヴァは動かないわ。」 その通りだけに反論できないマナであった。 最後の、シ者「シンジ君。好意にあたいす・・・」 パカーン! カヲルの顔面に洗面器が直撃する。 「私のシンジになに手ぇ出してんのよ!」 投げたのはバスタオル一枚のマナ。 「き、霧島さん。君には慎みというものが必要だね。こ、ここは男湯だよ。」 「私とシンジの仲だからいいの。」 「そうなのかい?シンジ君。」 否定できないシンジ。 「そうか、そうなのかリリン・・・。僕の気持ちを裏切ったんだねー!!」(泣) それは僕の台詞なんだけど、とシンジが突っ込むまもなくカヲルは消え去った。 まごころを、君に「力になりたいんだ。マナのために何かしたいんだ。側に、いたいんだよ・・・」 「なら・・・」 緊張が走る。 「結婚して。」 「は?] 「でー浮気は当然駄目でぇ。私以外の女の子は見るのも駄目。それからぁ・・・」 「・・・」 尻にひかれるのは目に見えているシンジであった。 ふと気が付くと、シンジは海岸に横たわっていた。横にはマナがいる。 死んでいるのか、とも思ったが、規則正しく上下する彼女の胸が彼女が生きていることを表していた。 シンジは起き上がり、マナの上に覆い被さる。 ・ ・ ・ 妙な気配を感じ、マナは目を開ける。そのマナの上に、シンジがいた。 ゆっくりとマナは口を開く。 「あ、んっ、気持ち、いい・・・」 って、おいこらシンジ、いったい何してた(笑)。 |