筝(琴)の各部名称
筝(琴)の種類
●上角巻(うわづのまき)
四分六板(しぶろくばん)、角、柏葉にフチどりが施されています。
●半上角巻(はんうわづのまき)
四分六板(しぶろくばん)、角にフチどりが施されています。
●角巻き(かくまき)
角にフチどりが施されています。
●ベタ巻き
装飾が何もなく、主に教材用として使われます。
上記の他、高級品になりますと口前に彫刻の入った「金口」と呼ばれる金具を はめ込んだり、角、柏葉、足に象牙を細工して装飾したりします。 一般に、琴の表面に木目がより浮き出たものが好まれます。長い年月を経た桐 原木の中でも、年輪が波打っていたり、細かく均等に入っているものは数ある原 木のなかでも極わずかです。またその原木から採れる甲らは一面分、運良くて二 面です。 このように大変貴重なものですから、さまざまな装飾を施して、より高級感を 出すのです。
1.ソフトケース 2.琴袋 3.柱箱 4.琴台 5.爪入れ 6.調子笛 7.口前 |
8.琴爪(山田流) 9.琴爪(生田流) 10.爪皮 11.爪バサミ 12.琴柱 13.柱入れ 14.見台 |
筝(琴)の歴史
筝(琴)は奈良時代直前に中国(唐)より日本に伝わり、当初は雅楽の管弦 楽奏用楽器の一つとして使用されていました。 日本における筝曲の発祥は筑紫流といわれています。これは、九州久留米の 善導寺の僧侶賢順が雅楽と琴曲(きんきょく)の影響を受け、筝(琴)の音楽 を室町時代末期に大成させたものです。 17世紀に八橋検校が現れ、この検校を始祖として現在のような筝曲が発展 し、三味線同様いろいろな流派が生まれました。現在では生田流、山田流の二 派に分かれております。 琴はそれまで三味線の伴奏としてしか使われていなかったのですが、18世 紀に江戸の山田検校が独奏楽器として琴の曲を作りました。同時に琴師重元房 吉が、琴にさまざまな改良を施しました。 長さを6尺に、厚みより持たせ、縦方向のソリを強くして音量の増大を図り、 なおかつ、琴爪を大きくしたので音質も明瞭になりました。 その製作技術、技法は今日まで伝えられ、山田流、生田流を問わず広く使用さ れています。