1998年 8月30日
このタイトルだけで、何が書かれているか分かった貴方は
「あの日あの時あの場所」
に居たのですか?
1998年7月24日(金)午後11時30分
今日が「その」前日である事を知っていたHARIは帰宅してすぐ居間でTVニュースのチェックを始めた。
三年前、各種メディアで(大手新聞でさえも)取り上げられ発売された「あれ」の最新版の発売前日だ。
今回も一部のショップが「午前0時発売」を行うのだが、三年前とちがって一般メディアにも取り上げられず、TVニューズにもなっていないようだった。
HARIは、「あれ」の評価版を使っていたのだが、前回と違って「使ってみて大きな感動」は湧かなかった。
実際、知人から評価を聞かれても「しょせん、Ver4.10だからねぇ。」と答えていた。
Ver3.1からVer4.0に変わった時、HARIは「一刻も早く製品版を使わなければ・・・」と思った。
その為には、午前0時の発売と同時に購入し、すぐに使用する為の準備に入ったものだった。
しかし、今回はまったく「その気」がしない。
Ver4.0との非互換が指摘されていたし、すぐに使用しなければならない理由も思いつかなかった。
そして、明日も出勤だと思うと「あの場所」へいく気も無かった。
まぁ、明日が休みでもどうだったか分からないが・・・。
1998年7月25日(土)午前0時00分 頃
どこのチャンネルを見ても、ニュースとして「あの場所」は取り上げられていなかった。
やはり、今回は静かに「あの場所」も午前0時を迎えたのだろうか?
多少気になったものの、「あの場所」の様子は、全く分からなかった。
1998年7月27日(月)午前8時40分
「行った?」
出勤早々、出し抜けに聞かれた。
何を聞いているか分かったので、一言「行ってないし、買ってないよ」
同僚は驚いた様子だった。
HARIは間違いなく、「あの場所」で「あれ」を買っていると思っていたのだ。
別の同僚も声をかけてきた。
「僕は新宿で買ったんだけど、結構な人出だったし盛り上がっていたよ」
HARIは後悔しはじめてきた。
買わないまでも、行けば良かった、と。
その後悔は、様々な情報で「あの場所」の盛り上がりを聞くにつれて大きくなっていく。
前回以上の盛り上がり、との話もあった。
(もっとも、前回以上に「あれ」が普及しているせいもあるだろうけど。)
あの日の事を思い出す度、「行けば良かった」と思う。
でも、また数年したら「あれ」の最新版が出て、そして同じ事がおこるだろうから。
「あの日あの時あの場所に、HARIはいなかったのですよ(T_T)。」