1997年10月 19日
どうすれば、上手なポートレート写真が撮れるのだろうか?
これに対する答えは、無い。
カメラマンによって、作品の好みや撮り方、考え方が違うからだ。
だから、正解は無い。
撮影方法を見ても、カメラマンによって個性が出てくる。
あらかじめ考えておいたコンテにそって撮影するカメラマンもいれば、その場の成り行きや状況で構図・ポーズを決めて撮影するカメラマンもいる。
共通する点とすれば、あらかじめ撮る構図やポーズをイメージ出来ているかどうか(あるいは、ポーズや構図を多く「自分のもの」にしているか)位だろう。
あとは、そのイメージ(たとえば絵コンテ)通りに撮影するなり、その場の状況で臨機応変に変化をつけて撮影するなり、カメラマンの自由である。
(もちろん、他のカメラマンや撮影会進行の迷惑にならないようにするのは大前提だが。)
「良い作品」についても、見た人の趣味が出てくるので、「絶対」はありえない。
絶対の自信作が一部でしか評価されなかったり、何気に出した作品がみんなから良い評価をされた経験は無いだろうか。
だから、これはHARIの「今の」考えである事をお断りしておく。
まず、HARIにとって「良いポートレート作品」とは、撮影したカメラマン自身とモデルさんの二人が満足した作品だと思っている。
あとは、その作品の感性と一致した人には作品が自ら語りかけてくれると信じている。
HARIが自分の作品についてのバック・グランドを書かないのは、そんな思いがあるからだ。
そして良いポートレート作品を撮るには、カメラマンとモデルさんとの信頼関係ではないだろうか、とHARIは思っている。
初めてのモデルさんを撮影した時は「表情が固い」と思っていたら、何回か撮っているうちに「良い」表情が撮れる様になった経験は無いだろうか。
(もちろん、モデルさん自身の「馴れ」もあるのだろうけど。)
しかし、同じ状況であるなら「初めて」のカメラマンより「モデルさんに覚えられた」カメラマンの方が断然有利であると思っている。
(もちろん、プロ級のモデルさんは別格であるが。)
あとは、モデルさんにカメラマンの「僕は君を可愛く(又は奇麗に、素敵に等々)撮りたいんだよ」といった想いが伝われば良い。
(声に出す人もいるけど・・・。)
そして、その想いが伝わり、シャッターを切る瞬間にカメラマンとモデルさんの心が同じ目的で重なった時こそ、良い作品が生まれるのではないだろうか。