1997年 9月 5日

ピントが合っている訳

HARIの撮ったポートレートでピントが甘い物が多発している。
使用しているレンズは85mmF1.4、これをF1.8に絞ってマニュアル・フォーカスでピントを合わせている。
(さすがに被写界深度が浅い85mmF1.4で開放はちょっと恐い。)

HARIは考えた。「やはり、多少絞らにゃ駄目だなぁ。」と。
その話を何人かにしたら、曰く「モデルさんへの愛が足りない」「気合不足」「妥協して良いのか」「何の為の円形絞りなのか」・・・。

おっしゃる事はごもっとも。(^^;
それは、確かにそうなんだけど・・・。 で、自己分析してみたら原因がなんとなく見えてきた。

同じ様なポーズをならHARIはピントを合わせ直していないのだが、ちょっとでもポーズを変えると撮影者とモデルさんの距離が(微妙ではあるが)変わってしまうのだろう。

85mmとは言え、開放近くで撮れば被写界深度は浅い。
見た目には気づかない、わずかな前後方向のズレも致命的なのだろう。
撮影テンポは犠牲になるが毎ショットづつ確実にピントを確認して撮る事にしよう・・・、などと考えていたらある事に気が付いてしまった。
ベテランのモデルさん、例えばRISAさんは、ピントが甘い作品が少ないのだ。
何故ピントが合っているだろう?同じ「撮りかた」で撮っているのにも関らず、だ。

その時、ある考えがよぎった。「ポーズを変える時にプロは撮影者との距離を考慮している、つまり前後方向にはズレないでピントが合う”面”で動いてくれているのでは?」

もちろん、HARIが勝手に想像しただけで確証は無い。
だが・・・、プロの凄さを再認識するには十分であった。
ピントの甘い作品が少ない、これは事実なのだから。


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