1997年 7月30日
インターネットが普及したと言っても、若い女性で自由にホームページを見る事ができる環境を持っている人は、そんなに多くはないだろう。
ましてや、自分の写真が掲載されたホームページを見る事の出来るモデルさんは希だと思う。
そこで、美写者撮影会後の打ち上げの時、モデルさんにLibretto50を使用して美写者のホームページを観てもらう事がある。
FTPを使用して全ページをハードディスクに落としているのでレスポンスは申し分ないし、通信費もかからない。
これは、我ながら良いアイディアだと思っている。
この時も、あるモデルさんに8名の美写者メンバーが撮影した8枚の写真が掲載されているページを観てもらっていた。
HARIはこのモデルさんと話が合うし、非常に気に入っている。
モデルさんも、HARIが撮影した写真についてはシビアに「好き嫌い」を言ってくれる。
話は、モデルさん自身が好きな作品はどれか選んでもらう方向に進んでいた。
当然、HARIは自信を持っている作品を掲載している。
だが・・・、
「これが一番いいな。」そう言ってモデルさんが指差したのは、前に座っているHIROKI氏の作品だった。
予想外の攻撃に、HARIはダメージを受けた。
「やったぁ!」当然、HIROKI氏は喜ぶ。
「今回は勝ちですね。」
HIROKI氏の追加攻撃によって、HARIは麻痺した。
「次はこれがいいな、その次がこれ。」モデルさんが指差す写真に、自分の写真が選ばれない。
モデルさんの連続攻撃、HARIは石化した。
最後の力を振り絞り、自分の作品を指差す。
(石化してたら動けないだろう、などと突っ込まない事。)
「僕の、これはどうかな?」
ためらい無く、彼女は答えた。
「8枚の中では、一番嫌い。」
薄れゆく意識の中で、同じ言葉が何度も再生される。
「一番嫌い、一番嫌い、一番嫌い
・・・ ・・・ 」
HARIは完全に息の根を止められた。