1997年 7月13日
今でこそ、カメラとセットになって販売されているレンズは広角から望遠までのズームレンズが主流であるが、HARIがカメラを始めた頃は最初に買うカメラのレンズは50mmと相場が決まっていた。
もちろん、HARIが最初に使ったレンズも50mmだった。
そして、やっぱり望遠レンズにあこがれていた。
時は流れて、いつしか自分でカメラ・レンズを買えるようになった頃、HARIは「レンズはズームで十分派」となっていた。
つい1年前までの主力はα7700iにタムロン28−200mmズーム、ミノルタ100−300mm、そして例外的に持っていた単焦点・ミノルタ100mmマクロの3本。
この3本で全ての撮影(そう、マクロからスナップ、風景、ポートレートまで)事たりると信じていた。
もちろん、単焦点レンズの描写が良い事は知っていたし、明るい大口径レンズの素晴らしさも知らないわけではない。
だが、ズームだって開放で撮ればポートレート撮影も十分に耐えられると思い込んでいた。
暗ければ、プログラム・モードでストロボを使えばよいと思ってもいた。
その自信が砕かれたのが、1996年11月に初参加した撮影会。
メインで使用するつもりの100−300mmズームは予想外に使いづらく、予備で持っていった100mmマクロがメインとなってしまった。
それでも、100mmではモデルさんとの距離が離れるので使いづらく感じたものだ。
その後、落合氏のご厚意によってミノルタ85mmF1.4Gを数ヶ月お借りしていたのだが、このレンズの良さには目から鱗が落ちる思いだった。ぼけの奇麗さ、適度なモデルさんとの距離。85mmがポートレート・レンズと呼ばれる訳を、HARIは体で理解した。
これしかない、HARIは清水の舞台から飛び降りて85mmF1.4DをニコンF5と共に買ってしまったのだった。
だが、ポートレート撮影では万能とおもえた85mmではあったが、弱点はあった。
全身を入れた構図は85mmでも苦手だったのだ。
特に、せまいスタジオでは85mmで全身を入れた構図を撮るのは難しい。
かつてHARIは85mmで全身を撮ろうとして、スタジオの窓から外に出そうになってしまった事もあった。
スタジオ撮影に限らず、全身を写す時には50mmクラスが必要である事を痛感したHARIは、撮影会当日に50mmF1.4Dを購入したのであった。
そして、期待通り撮影会では50mmが大活躍したのだった。
50mm、明るくて安いこのレンズの魅力を改めて知った。
気が付けば、「マクロ・風景撮影派」から「ポートレート撮影派」に、「ズームレンズ派」から「単焦点レンズ派」に移ってしまったHARIであった。
こうなってくると、135mmDCも欲しくなってくるし、広角の単焦点レンズも欲しい。
「カメラにはまると破産する」との噂は、真実みたいだ。