1997年 7月13日

問題外だったDPE店

HARIは勤務地が変更になった。
今までの勤務地は新宿だったので、パソコンやカメラの量販店へ帰りによる事も簡単だったし、その気になれば昼休みに行ってくる事も不可能ではなかった。
(ただし、店内にいられる時間は非常に短いが)
だが、新しい勤務地は住宅街の真ん中にあった。
近所には、カメラ店どころか書店すら無い。
書店は、乗り換え駅の近くにあるから良いとして、写真はどこに現像を出せばよいのだろうか?
幸い、非常に近くでDPEを取り扱っている店を発見した。
早速お試しで、ポジを現像に出してみる事にした。

店頭にて、受け付けの女性にフィルムを渡す。
「スリーブでお願いします。」その後、HARIが予期しない問いかけをされた。
「パノラマで写していますか?」思わず、「いいえ」と答えてから、質問の意味に気が付く。
冗談だろ、これはネガじゃないんだぞ。
「これはリバーサルフィルムですよ、ポジなんです。」
とりあえず、説明してみる。
「で、マウントせずにスリーブでお願いします。」
「はぁ?」
「これは、ネガじゃなくてスライドとかで使われているフィルムなんです。今回は1枚毎にマウントしないで良いですから。」
「?」
この時点でHARIは説明を諦めた。
フィルムをいれた袋の備考欄を指差し、「ここにスリーブと大きな文字で目立つように書いておいてください。で、袋を回収にきた人には”ポジ”です、と言って渡してください。」
「はぃ」
どうも、まだ理解していないみたいだ。

現像に出してから、悪い予感が頭をよぎる。
いくらなんでも、ネガのプロセスで現像される事はないだろう。
でも、そうなったらどうなるのだろうか?
いや、少なくても現像機の技術者はプロビアを見たらポジだと気が付くはずだ。
だが、もし全てプリントされてきたらどうしようか?
取りに行くまで、楽しみでもあり恐くもあった。

結論から言えば、問題無くスリーブであがってきた。
おまけなのだろう、24枚収納のポケット・アルバムが同封されていたのには苦笑してしまったが。

その後、HARIはその店には現像に出していない。


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