1997年 6月30日

スタジオ予約の恐怖

知人がスタジオでモデルさんの撮影を行った事を聞いたHARIは、自分でもやってみようと考えた。
撮影日程、参加者も決まったのだが・・・。

色々な事情によって当初考えていた第一、第二候補のスタジオを確保できなくなってしまった。
撮影日程は、すでに決まっている。
急遽、雑誌等を調べて手頃なスタジオを見つけ、昼休みに電話してみる。
撮影日、スタジオは空いていた。
即、予約する。
HARIはこれで全てが終わったと思い、安堵したのだが・・・。

「で、カメラマンはどなたでしょう?」
カメラマン?、撮影人数の事だろうか?
「あ、アマチュアの方による撮影会ですか。」
そうか、プロによる撮影と勘違いしたのか。
「スタジオの塗装はどの様にいたしましょうか?」
スタジオの塗装?
「汚れているので、通常は毎回塗装しなおします。6千円です。」
今の状態で使えないのだろうか?
「汚れていますが、それでも良ければ。」
確かここは布バックのレンタルがあったな。
「そちらは、1日2万5千円です。」
この時点でHARIは混乱しかかっていた。
スタジオの塗装なんて、どう指示しれば良いのだ?
とりあえず、後日連絡する事にする。
「で、ライティングのご希望は?」
それは、大丈夫。ブルーランプを貸してくれればこちらでも出来る。
「ブルーランプ・・・、ですか、寿命が短いので通常使いませんが。」
無いのだろうか?
「いや、用意はできますが、あまり使わないですよ。
普通はストロボを使います。一灯1時間千五百円です。」
レンタルでは無く、「用意」とスタジオ側は言っている。
「用意してもらったブルーランプを買い取るHARIの図」を思い浮かべる。
しかし、ストロボが一灯で済むとも思えない。
HARIは完全に混乱していた。
この時点でHARIは、今の自分の決断力は正常とは言えない状態になっていると判断し、改めてスタジオに連絡する事とした。
席に戻り、考えはじめる。
箱代が4時間で2万円、スタジオ塗装に6千円、ライティングはストロボで1万円前後になる計算だ。
ストロボ撮影は、ポラがないと難しい事を知っている。
アシスタントを付ければ、もっとかかるだろう。
しばし考える、いや、考えるまでもない。
1時間後、HARIは予約をキャンセルした・・・。

スタジオ撮影を甘く見て、見事にしっぺ返しを食らったHARIであった。


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