1997年 3月20日

HARIがEVAを気に入った理由

今更ながらだが、EVAのTV放映全話を見終わった。
先にも書いたが、東京深夜枠で行われた再放送を見ていたのだ。

なるほど、これが非難轟々の最終話か。
かつての初代マクロスの様に、スタッフが時間との戦いに負けたのがミエミエだ。
(マクロスは当初予定された最終話「愛は流れる」で汚名を挽回するまで、「紙芝居アニメ」だの「動かないアニメ」だの「今週は動いていた」だの言われたものだ。)

しかし最終話を含めて、久々に楽しませてくれた(と、言うより久々にはまった)アニメだった。

HARIは何故EVAにはまったのだろうか?

今やアニメに興味を示さない幼年層、小学生(もしかしたら、中学生迄も)を無視して作られた作品だからか?
それがゆえにか、難解な設定を作品中で説明する事なく話を進めていった。
日本の作品では、難解な(又は特殊な)事柄については登場人物が「うんちく」を述べる事が多い。
例えば、「ロンギヌスの槍」。
普通の作品なら、作中でミサトか伊吹に「ロンギヌスの槍って、キリストが云々」といった説明的台詞を入れる。
しかし、EVA作中では誰も何も説明しない。
南極を航行中の空母の飛行甲板にカバーをかけられた物が、南極で発見・回収された「ロンギヌスの槍」だなんて、普通にみていたらまず気が付かないだろう。
元々が謎だらけの作品である、設定解説本が売れるわけだ。
(TV版では、最後まで謎が解かれなかったのだから、当然か。)

しかし、HARIが「はまった」最も大きな理由は、本当に久々の「破滅型エンディングに突き進んでいった」アニメである事だろう。
IDEON(「発動編」のエンディングであの「救い」の部分は嫌いだ。)に代表される破滅型エンディングのアニメ。

かつて富野氏の作品の最終回は、「ほとんど全員無事(初代ガンダム)か、ほとんど全員破滅(ダンバイン、もっとも最後の最後で救いがあったが)」の両極端だった。
(もっとも破滅型エンディングでも、なにかしらの「救い」は描いているけど。)
また、「ほとんど全員無事」でも悲劇的な人物がいるケース(エルガイム、Zガンダム)もある。
ま、それ以降は、この世界から足を洗っていたので知らないのだけれど。(^^;

EVAは正にIDEONの正当な後継者たる「破滅型エンディング」に向かって突き進んでいた。\(^^)/ (^^:
エンディングに向けて、次々と破滅していく登場人物たち。
そして、明らかに出来なかった数々の謎。
久々じゃないか、こんな破滅型の作品は。
(一歩間違えば、作品そのものが破滅しそうだったのだから。(^^; )

HARIは近く劇場版を見に行く予定であるが、願わくば年内公開予定(ガイナックスの事だから、夏に本当に公開出来るとが思っていない)の「真の完結編」で無理矢理のハッピーエンドだけにはして欲しくはない。
どう考えても救われるのはシンジとレイぐらいで、ミサトも無事ではすまないだろう。
(TV版にも、それらしいシーンがあったし。)

もしかしたら、最後に「最後の審判」ことサード・インパクトをやるのかもしれない。
(ここで断っておくが、執筆時点でHARIはまだ劇場版を見ていない。)

しかし、3月14日の劇場版公開を目標に計画され、計画通りに盛り上がってきたEVA、今の人気が夏以降公開予定の「真の完結編」まで持続するとは思えないのだが・・・。(^^;


蛇足の補足
「惣流・アスカ・ラングレー」の惣流がIJN中型空母「蒼龍」にひっかけているらしい事は良く知られているが、「ラングレー」もHARIの記憶が確かなら初期の米国空母、彼女の母の名の「ツェッペリン」は第三帝国時代のドイツの未完成空母の名前だったの、知っていました?(^^;
余談だが、最近のJSDFイージス艦もIJNを彷彿させる艦名を付けているし・・・。(^^;


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