1997年 2月11日
ニコンの名機、あのFEが復活する。
2月3日発表、そして2月22日に三代目のFE、FE10を発売するのだ。
これを聞いたとき、うれしいと同時にイヤな予感がした。
そして、いやな予感は的中してしまった。
ここで、FE10の仕様を少し書くと、
絞り優先オート又はマニュアルで、ピントは当然マニュアルフォーカス。
シャッタースピードは8〜1/2000迄。(マニュアル撮影時は13段階。)
測光は、中央部重点開放測光のみで、スポット測光はない。
本体のデザインはFM10とほとんど同じ。
グリップの赤いラインはF3みたいで良いのだがブラックボディは無い。
(ちなみに、HARIがFE10で気に入っているのはF3風の赤いラインのみだ。)
ファインダーは、FE2風なのだが、シャッタースピードは針ではなく数字の左側にあるLEDの点灯により表示される。
絞りは、ファインダーで確認できない。
NewFM2のようなレンズに書かれた絞り値を見れる窓もない。
価格は安い。
ボディ本体で\47,000-は、NewFM2より遥かに安く、FM10より\10,000-高いだけ。
これって、ニコン一眼レフの下から2番目の価格なんだよね。
その為か、FM10同様にとても安っぽい。
(カタログ写真で見た限りだが。)
FM10同様、操作感も安っぽいに違いない。
HARIはFE2のユーザーであり、3代目FEの登場を待っていた。
しかし・・・、FE10はHARIが求めていた三代目FEとは違っていた。
HARIはFE2のひとつを除いて全てを気に入っている。
だたひとつ不満なのはスポット測光が出来ない事だけだった。
それなのに、三代目FE、FE10はかくも無惨な姿でデビューしてしまった。
FEシリーズは、プロがサブカメラとしても使えるニコンの中級機だったはずだ。
(少なくとも、F3のサブカメラはFMシリーズかFEシリーズが最適だった。)
そんなFEの伝統をFE10は見事に崩してくれた。
FM10は、NewFM2が現役だからまだ許せる。
だが、FE2は販売が終了してから久しい。
HARIはFE2ベースでスポット測光ができるFE3の発売を願ってやまない。
このFE3が9万円台の価格なら、FE10より絶対に売れると確信している。
しかし、FE10って、どんな人を購入層として考えているカメラなのだろうか?
もしかしたら、日本以外の市場向けなのだろうか。
中古のFE2が売れているから出しただけのカメラなら、間違いなく市場のニーズを勘違いしているし、前途多難だ。
そしてFE2人気はまだまだ続く。
まさか、FE2の修理部品がなくなった場合にニコンがFE2ユーザーに交換販売する為のFE2代替機として出したのだろうか?
(HARIは、たとえ無償であってもFE10と交換するくらいなら、壊れたFE2を持っている方を選ぶ。)
F5の様なカメラを出しつつ、この様なカメラも出す。
相変わらずニコンは「ホームラン」か「凡打・三振」のメーカーだ。
そして、ニコンが本気で作る純粋なマニュアルフォーカス機はF3とNewFM2で終わりなんだと感じずにはいられない。