2003年10月 5日

映画「ロボコン」主役は誰だ!?



以下、少しネタバレがありますので、それでも良い方はどうぞ!


 映画「ロボコン」観てきました。
 全編釘付け、って訳じゃなかったけど1時間57分が経つのを忘れさせた映画でした。
 観る前に持っていた先入観も、「良い意味で」見事に裏切ってくれたし。
 
 HARIは「ロボコン」を操縦担当・里美役の長澤まさみ嬢主演のアイドル系と思っていたのですが大間違い!
 この映画、ホントの主役は小栗旬くん演じる第2ロボット部の設計担当・相田航一だったんです。
 (誤解の無い様に書いておきますが、公式には長澤まさみ嬢の最初の主演映画です。>「ロボコン」)
 パンフレットには監督が控えめに「影の主役」と書いているけど、間違いなく主役は相田。
 「ロボコン」は天才設計士・相田航一の成長の物語だったんです。
 
 HARIがその事を確信したのは映画中盤・合宿で彼が「ベルトコンベア」に代わる軽量な箱の移動機能をついに思いつかなくて悩み、ついにギブアップするシーン。
 観る前迄は正直言って「長澤まさみ嬢、良いじゃん!」とか「まさみちゃん萌え(^^)」ってなるかと思っていたけど、話が進んでも全然そんな感情が湧かない。
 オープニングの保健室のシーンのイメージが強かったからかなぁ、と思っていたんだけどどうもねぇ。
 逆に、HARIの中では、感情移入こそ無いものの、「相田、良いキャラじゃん!」って思いが募るばかり。(^^;
 誤解を招かないように書いておきますが、HARIは長澤まさみの演技が下手だとか言う気は全く無いです。
 (「演技」ってレベルなら、下手なアイドル映画の主役アイドルよりもよっぽど上手い!)
 あれだけ「里美の裏設定」がありながらも、それを使って「里美をもっと深みのあるキャラに確立できなかった」脚本が問題なのかも。
 たとえば、パンフレットには「めんどくさがり屋」って設定になっている旨、記載されているけど、オープニングでの「授業の課題のロボットを、市販のモノに顔を書いただけ」とか「居残り授業が嫌で、しかたなく第2ロボット部に入部する」ってだけで終わらせている気がする。
 主役なんだから、もっと突っ込んで「里美」というキャラを表現して欲しかったですね。
 (結構、良い台詞言っているのよ、里美は。)
 逆にいえば、相田を「あまりにも印象に残る」キャラに仕上げた小栗くんの勝ちなのかもしれない。
 この映画、天才型技術者にありがちな無口・自己中心・自分の能力に絶対の自信を持った相田が、里美と回りの仲間によって変わっていく過程を実に上手く演じているんです。
 とくに、相田が里美達に自然に「ありがとう」って言えるようになるシーンは、ともすれば見落としちゃう部分ですが、そこに「こだわり」を感じます。
 どう見てもこの映画の中で一番成長したキャラが相田である事は間違い無いです。
 だからこそ、主人公・里美よりも目立ってしまうのです。
 (監督や脚本家からすれば大誤算かもしれませんが。)
 
 逆に、期待はずれっていうか、キャラの印象が薄いのが伊藤”ちびノリダー”淳史くん演じる第二ロボット部・部長の四谷。
 ロボコンの情報(ノウハウ?)がギッシリ書き込まれたノートを手放さず、様々なチームから情報を仕入れている「ロボコンに全てを懸けている」キャラの筈なんだけど・・・、そんな感じを全然も感じさせない。
 四谷自身が気が付かないうちに、自分の判断よりも「ノートの内容」が重要な存在になっている設定は生かされているけど、それ以外のエピソードがあまりに無さ過ぎるのです。
 特に、ラストに四谷がとった行動が「あまりに唐突」すぎて違和感を感じてしまう。
 (ロボコン出場が夢だったんじゃないの?>四谷。)
 それがゆえに、残念だけど「成功したキャラ」とは言いがたいです。
 ただし、四谷が全国大会で指揮を任され、ノートから開いてチームのロボットの特徴と自分のチームの作戦を説明するシーンには目頭が熱くなりました。
 (このシーン、HARIは「ロボコン全国大会に出場するのが念願だった」設定の四谷に完全に感情移入してしまったみたい。)
 もしこのシーンを盛り上げる為だけに、それまでの演技を押さえていたのだったらHARIの評価は的を得てない事になりますけどね。
 
 そんな四谷に対して、「敵役」第一ロボット部・部長の豪原の方は「キャラ」としては成功しています。
 (決勝戦前に語る豪原の相田に対する敗北感と凱旋帰郷する第二ロボット部に見せた「マスゲーム」は名シーンかも。)
 しっかし・・・、もしかして豪原って監督達が思ってる「ヲタク」を具体化した存在じゃないかなあ・・・。(^^;;;
 
 最後は塚本高史くん演じる第2ロボット部・組み立て担当竹内和義。
 なんで彼が第2ロボット部にいるのか、謎。(^^;
 「蝶番に自分の折畳式携帯電話を使うシーン」を伏線にしたラストの自慢話が非常に印象的なんですけど、HARIは正直に言って嫌いなタイプのキャラなもんで・・・。(^^;。
 ちなみに、携帯電話にドリルで穴をあけるシーンで「バッテリーは外せよな」と心の中で突っ込んだHARIはヲタクでしょうか?(^^;
 
 なんだかんだ書いてはいますけど、「見る価値が十分にあった」映画でした。
 残念ながら、2003年10月10日で上映終了ですが、DVDの発売予定もある様なので、機会があったら是非観てください。
 
 注目すべきは里美じゃなくて相田ですからね!
 
 ところで・・・、ラストの里美が早朝、図師先生の自宅を訪問するシーン。
 あの二人を見て里美が無反応なのがチョットなぁ。
 「不潔!」って叫ばないまでも、全てを察して下を向いて顔を赤らめて欲しかったなぁ。(^^;
 
 
 



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