いきつけのラボで撮影したポジを受け取り、内容確認をすべく店内のライトボックスに広げて第一声が「やってもうたぁ・・・。」
明らかに露出オーバーのコマが多く散見される。
HARIは基本的にマニュアルで絞り・シャッタースピードを設定している。
(さすがに、雲の流れが速い場合など露出がころころ変わる場合は「絞り優先」で撮影するが・・・。)
従って、最初の露出設定に失敗すると、同じ露出で撮ったコマ(=そのポーズ)は全滅してしまう。
そして、HARIはF5の測光値より1/3段ほどホーバー目が好みの露出であるので、適正露出より「やや」オーバー目に設定している。
その為か、露出失敗は圧倒的に2段強オーバー側の場合が多い。
そうなると、「淡い色の服」や「白系のバック」の場合だと、「背景と人物が溶け込んでしまう」し、そうでなくても「顔の輪郭が潰れてしまう」事になる。
こんな時は、思わず「撮影しなおしたぃ・・・」と思ってしまう。
(あるいは、デジカメで撮影してすぐに確認する、とか。)
だが後悔したところでリテイクなんて出来る訳じゃない。
ただ、自分の未熟さを呪うばかりである。
もし、リテイクできるのなら・・・。
HARIはポートレートを始めた頃に撮らせていただいたモデルさんを、もう一度撮れたらと思う事がある。
(もちろん、「当時のモデルさんを」である。)
ポートレートを始めた頃のプリントを時々観るのだが、「露出がいまいち」「ピントが甘い」「構図がダメ」等々、悲しくなってしまう事が多い。
ましてや、もう撮る事は出来ないのだ。
もし、過去に戻れて撮る事が出来るのであれば、「あの当時の機材」であっても、「あの当時よりは良く撮れる」事だろう。
だが、物撮りなど「再現できる環境」での撮影は少なく、ポートレートや風景写真は一期一会。
繰り返しになるが、リテイクなど出来はしない。
とすれば、いかにミスを無くすか。
HARIが周りから「露出設定に自信が無い軟弱者のする事」と言われようと、ブラケットをかけて撮るのは、まさにその為である。
(不思議な事に、露出が不安でブラケットした場合、大体は「設定値」でOKで、「ブラケットして助かった」事はほとんど無いのだが。)
だが、それよりも大事な事がある。
それが「こういったミスを後悔するだけではなく、何故ミスしたかを考え、次回に同じミスを繰り返さない」事である。
露出に関していえば、測光ポイントの選択ミスであったり、背景との輝度差を考慮していなかった場合が多い。
もちろん、逆に「考えすぎて自滅」したりする事もある。
何も露出に限った事ではない、構図もピントも同じである。
そうする事で、ミスが価値を得る事になる。
とはいえ・・・、失敗したなぁ。
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