2002年 4月 1日

HARIの言葉


 人から言われた言葉が記憶に残るように、自分が言った言葉が(相手は忘れていていても)自分の記憶に残っている事がある。
 そこでHARIが言った、そしてHARI自身が忘れられない迷(名?)言のうちから、コンピューター関連の物を取り上げてみよう。
 
・「それで、何ができるの?」−初めてGUIの説明を口頭で受けて−
 
 これは、知る人ぞ知る「ESDラボラトリ」のショールームで、当時「7色のリンゴ」をトレードマークにした会社が伝説的創業者の愛娘の名前を付けたコンピュータを発表した際に、その搭載OSの説明を聞いて言った言葉。
 (そのコンピューター本体は、その時点では日本に輸入されていなかったので、実際に触れなかった。)
 はっきり言って、GUIなんて「子供だましの機能」で、すぐに廃れると考えていたHARIであったが、今日のPCに搭載されているOSは、みんなGUI。
 いかにHARIが先を見る目が無かったかを証明する言葉ですね。
 
 当時の日本では、PCの記録メディアといえば「カセットテープ」で、HDDどころかフロッピードライブを付けている一般ユーザーすら一握りでした。
 ましてや、テキストベースのユーザー・インターフェースを搭載したDOS(CP/M)すら市場に浸透していない時代にGUI、先を行きすぎていたんですね。>七色リンゴの会社。
 ちなみに、当時の一般向けPCは起動するとROMに搭載されたBASICが立ち上がるという物がメインでした。
 例外は、外部記録装置(っていっても、カセットテープですが)からシステムのOS(っていうか、言語)を読込む、シャープの「クリーンコンピューター」MZシリーズ位。
 
・「(既存の流通ルートがあるのだから)そんな会社はすぐに潰れるよ。」−ソフトバンクの設立記事を読んで−
 
 HARIがいかに先を見る目が無いかを証明する第二弾。
 「アイディア」は面白いと思ったけど、実現するには「資金」と「人脈」が必要なので、この言葉が出たのです。
 しかし今や、ソフトバンクといえばPC関連では知らない人がいない会社になってしまいました。
 つまり、設立者・孫氏には「資金」と「人脈」があったんですね。
 
・「インターネットって何ですか?」−アメリカでメールアドレス付名刺をもらって−
 
 1994年頃、アメリカ研修の際に、名刺交換した「アメリカ在住の日本人研究者」方の名刺に記載されていたメールアドレス。
 HARIは、「どこの(パソコン通信会社の)アドレスですか?」と尋ねたら、「インターネットです。」との回答。
 そこで、この言葉となったのです。
 当時の日本で「電子メール」といえば、パソコン通信のそれが主流で、パソコン通信会社(例えば、「ニフティサーブ」(現・Nifty))の提供する「閉じた世界」でのメール交換しか出来ませんでした。
 社会人で名刺にメールアドレスを印刷している人も、「ニフティサーブ」等とパソコン通信会社名を記載して、その隣に「パソコン通信会社のID」(=メールアドレス)を記載しているのが普通でした。)
 そんな時に聞いた、全世界でユニークなメールアドレス、どこの国の人へでもメールを送信できるインターネットのメールシステムは、まさにHARIの「想像外」でした。
 
・「だれかモザイクを知っている人はいないのか〜!」−世界初のブラウザ「モザイク」について調べていて−
 
 同じく1994年頃、アメリカで聞いたWWWの世界を体験したく、世界初のブラウザ「モザイク」を調べていたのですが・・・。
 まったく誰も知らない。
 (インターネットを知っている人がほとんどいない時代ですので、当然といえば当然ですが・・・。)
 あのマイクロソフトでさえ、MSN(マイクロソフトネットワーク)を最初は「パソコン通信」として立ち上げた位ですから。
 (HARIの回りにUNIXのヘビーユーザーがいなかった事が原因なのですが・・・。)
 
 しかし・・・、考えてみたら「モザイク」ってブラウザを知っている人も、もう少ないですねぇ・・・。
 IEのヘルプからバージョン情報を見てください。
 こんな文章を見つける事が出来ます。
 「Based on NCSA Mosaic.」
 
・「で、通信ログはどうやって残るの?」
 
 1994年頃、やっとインターネットが解ってきて、その接続の難しさと料金の高さに唖然としていた頃。
 Linuxでブラウザを使っている人とオフ会で知り合って、聞いた台詞がこれ。
 パソコン通信では通信ログが作られるのが普通なんですが、ブラウザはパソコン通信とは別物なんですよね。
 (キャシュはあくまでも一時的な記録ですから。)
 パソコン通信の思想でブラウザを理解しようとしていたHARIの勘違いです。
 
・「これ、なんて読むのが正しいの?」−Linuxという単語を指して−
 
 同じく1994年頃。
 いまでこそ「リナックス」と一般的に呼ばれているますが、当時は「リナックス」「ライナックス」「リヌゥクッス」等々、様々に呼ばれていました。
 ちなみに、ファイル圧縮の「LHA」、「エルハ」なのか「エル・エッチ・エィ」なのか、どちらが正しいのかご存知の方はいますか?
 
・「あそこの会社はそんなスキルもノウハウも無いのに・・・。」−マイクロソフトが企業向け製品群を開発する、との記事を読んで−
 
 今で言う「BackOffice」製品群を「本気で」開発しはじめたマイクロソフト。
 当時は言語とPC向けOSが主流だったので、急に「企業向け製品群」を作っても「ろくな物は出来ない」と思っていました。
 これは、「先を見る目が無かった」とは思えないのですが・・・。
 
 
・「非互換も互換のうちかい」−マイクロソフトの製品をアップグレードして−
 
 別に、マイクロソフトの製品に限った事じゃないのですけど・・・。
 今まで問題なく動いていたファイルが、ソフトをアップグレードしたら動かなくなった事はありませんか?
 HARIは「互換」とは「非互換よりはましな状態」と考えるようになりました。
 
・「また、「いままでの事は無かった事」にする気なのかな?」−マイクロソフトの新技術発表を聞いて−
 
 これは・・・、解る人に解ってもらえれば良いです・・・。
 (解ってくれた人は、きっと理解してくれるでしょう。)
 
 おそまつでした・・・。
 



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