PCが普及し、PC関連雑誌が増加してくると、内容はどうしても似たり寄ったりになってしまう。
そこで雑誌側も様々な企画で読者の気を引こうと画策してくる。
その中で、常に一定の人気があるのが「クロックアップ」系の記事だそうだ。
なるほど、確かに「ちょっと設定を変えるだけで自分のPCがスピードアップする」のなら、誰でも試したくなるだろう。
ましてや、Pintiume4でも2.2Ghzと2.0AGhzでは、一割の速度差しかないにもかかわらず、価格差は数万円もある。
だが、記事を良く読んで欲しい。
必ず「編集部はこの記事の記載内容を実行する事によって発生した損害については、一切の責任を負わない」とか「自己責任において行ってください。」と記載されているはずだ。
「詳しい人」向け雑誌なら、「お約束」的な意味で記載しているのだろうが・・・、
初心者や一般ユーザー向け雑誌が「責任を負えない」ような記事を堂々と発表して良いのだろうか?
ましてや、失敗したらマシン(ハード)を壊す可能性がある事を。
かつて、セレロン300AMhzを1.5倍駆動で450Mhzで動かす事が流行った。
だがこれは、当時のインテルの制限である「セレロンの外部バスは66Mhz」(66Mhz X 4.5)を、Pentiume2向けの「外部バス100Mhz」(100 X 4.5)にして駆動させているので、外部バス100Mhzに対応したメモリ等のハードを使用している限り、クロックアップの影響はCPUだけだった。
これは、リスクも少なく魅力的である。
しかし、今は違う。
クロックアップは、マザーボードの各種デバイス(メモリ、AGPスロット、PCIスロット等々)までもクロックアップしてしまう。
つまり、システム全体に影響を及ぼす事が多いのだ。
その結果は、製品寿命が短くなったり、システムの安定性が損なわれる。
(発熱が原因であったり、仕様以上のスピードで稼動させる事に製品が付いていかなかったりする。)
では、そこまでして行ったクロックアップは、利用者にとって「どれほどスピードアップした」と感じられるのだろうか?
ハッキリ言って、一部のマシンパワーを使う処理以外は体感速度は変わらないはずだ。
(長時間処理する物ならともかく、1秒の処理が0.8秒になっても、あまり違いを感じないだろう。)
その差が分るのは、ベンチマークソフトの実行結果だけ、だったりする場合も少なからずある。
そして、その代償は「マシン寿命を縮める」事であったり、「マシンの不安定」なのだ。
HARIは、「安定しており、一ヶ月以上の連続使用も平気」なPCと「スピードは1割以上速いが、不安定でいつハングアップするかも解らない(ハングアップしないかもしれない)PC」をどちらを選ぶか、といわれたら、迷わす「安定したPC」を選ぶ。
たとえ多少ストレス無く操作できるかもしれないが作成中のデータが突然失われる事を考えると、HARIは一部の例外を除いて「クロックアップは百害あって一利なし」と考えている。
ちなみに、一部の例外とは「クロックアップが目的」(つまり、いかに限界までPCをスピードアップするかが目的であり、OSはバンチマークテストが完走し記録が取れるまで動いていればOK、との考え)の場合だけである。
HARIは、今までも、そしてこれからも自分が所有するPCは決してクロックアップを行わない事をここに宣言しよう。
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