2001年11月11日

プロスト、ついに一般発売開始!


 ニコン(正しくは、ニコンのカメラ関連グッズを販売している系列会社「ニコン・セールスプロモーション」)から、「ついに」と言うべきか「やっと」と言うべきか、「信じられない」と言うべきか迷うところだがプロスト(と同等品)が発売された。
 
 このサイトにいらっしゃるお客様はカメラ関連に詳しい方が多い(HARIの推測)ので、プロストについてはご存知だとは思うが、簡単に説明しよう。
 プロストとは、カメラメーカーがプロ向けに配布する、カメラに付けるストラップの事である。
 一般向けに販売していない為、コレクター間では数万円の価格で取引されているのが普通である。
 じゃ、一般に発売されているストラップと何が違うかと言えば、基本的にはデザインが違うだけなのだが、プロしか配布されないという「希少性」が価値を生んだアイテムなのだ。
 元々は、カメラメーカーが自社の宣伝とサービスの為に配布している物であるが、メーカー側も市場での高値で流通している事を知っており、配布時のチェックを厳しくしプロでも入手が難しくなっていると聞いている。
 (そりゃ、プロだってただで貰ったものが数万円で売れるなら、多めに入手して市場に流そうと考える輩が出てきて当然だろう。)
 
 今回発売されたのは、ニコンの現行プロストの全て、ニコンのFシリーズ向けの「黄色」バージョンとDシリーズ向けの「青色」バージョンで、各々4,000円。(「黄色」「青」2本セットだと7,500円)
 特に、Dシリーズ向けの「青」バージョンは希少で、新品が4万円以上の価格で取引された事すらあるのだから、「高値で取得したコレクター」には涙ものの一般発売開始だろう。
 (ちなみに初回入荷分は発売開始から数時間で完売したが、数量限定では無いので市場に豊富に出回る事であろう。)
 
 HARIは、入手方法が限定されているとはいえ「プロストの一般発売」を歓迎する。
 (それが、プロストと呼べるかどうか疑問ではあるが・・・。)
 
 HARIだってプロスト一般発売前に欲しいと思ったことが少なからずある。
 
 しかし、プロ向けの「特別な作り」(例えば、特殊素材を使用して肩にかかる体感重量を軽減している、とか)をしている訳でもないのに、ストラップに数万円を払うほど財政は豊かじゃない。
 (その反動で、一時期自分の愛用ストラップに「アマチュア」と刺繍して「アマストだぜぇ」と自慢しようとした事もある。)
 だが、マニアやコレクターの心理としては、「稀少」「レア」「入手困難」「限定」といった文字に滅法弱い。
 ましてや、「プロの証」などと煽られて、市場では高値で取引されていればいるほど、欲しくなってしまうのが心理である。
 そんなプロストほしさに、アマチュアの間には、プロストをめぐってカメラメーカーのサービス・ステーションと激しいやりとりをした者が少なくないらしい。
 某カメラ雑誌の読者投稿欄には、「サービスステーションの対応の悪さ」というタイトルの投書があり、興味をひかれて読んだら「礼をつくしてお願いしたにも関わらずプロストを貰えなかった」というだけ内容で、HARIが呆然とした事もあった。
 貰えなくて当たり前である、どう「礼をつくした」知らないが(知りたくも無い)、それで貰える位なら異常ともいえる高値で市場に流通している訳がない。
 (投書をする方もする方だが、そんな投書を採用・掲載するカメラ雑誌の編集部の良識を疑う。)
 また、プロストでは無いが、プロ向けアイテムを入手しようとして失敗した現場をHARIは目撃している。
 プロストを付けたF4、F5にレンズを数本、スピードライトをニコンの新宿SSで(無償の)点検依頼した男性は、係員に何気に「スピードライトSB−28シリーズ用報道ブラケット、あるかなぁ、欲しいのだけど」と言って「あれは浅草(HARI注:ニコンのプロ向けサービスセンターがある)じゃないと置いていないですよ。」と軽くあしらわれていた。
 (SSだって、プロストを付けているからプロだとは限らないことを十二分に承知しているし、通常プロは点検だって浅草橋に行くし、そもそも購入する際はNPSメンバーズカードの提示を求められるはずである。)
 
 なら、プロストを付けると何がいいかといえば・・・、自己満足だけであろう。
 (ここら辺は、HARIにも十二分に理解できるのだが・・・。)
 少なくても、一般の人はカメラに付いているストラップで「プロ」か「アマチュア」の判断をしない。
 (実際、HARIは何度もプロと間違われているし、近所ではHARIをプロだと勘違いしている人もいる。)
 カメラメーカーのサービス窓口に行っても、カメラに付いているストラップでプロ待遇はしてくれない。
 
 HARIとしては、ストラップに数万出すなら、前出のプロスト同様に一般発売していない(プロ向けの)ニコンのスピードライトSB−28シリーズ用報道ブラケットの方が良い。
 (こちらは、独自の機能としてスピードライト部とカメラ部が分離できるし、市販品に比べてコードも短い上にブラケットにSB−28を固定できる仕組みがある。)
 
 今回の一般発売で、ニコン現行プロストの価値が大幅に下がった事は間違い無い。
 (適性な価値になった、というのが正解であろう。)
 実際、ネット・オークションでは「かつてなら買い手がついたであろう価格」でも入札が無いケースが出ている。
 HARIは、ニコンの英断を歓迎する。
 
 アマチュアをカモにすべく投機目的でプロストを扱ってきたやつら、ざまぁみろ!である。
 (しかし、旧モデルのプロストは値が上がるかもしれないのが心配である。)
 



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