2001年3月19日

「知らないこと」の罪


 

 インターネットが爆発的に普及し、日本でも「常時接続」が一般ユーザーでも簡単にできる環境が整ってきた。
 しかしそれは、「自分のPCを危険にさらす事」でもある。
 たとえば、TA+DSUでインターネットに常時接続(かつ、PCも立ち上げっぱなし)の人のうち、何人が「インターネットからの攻撃に対する防御」をとっているだろうか?
 HARIのインターネット接続環境は、「常時接続」の契約をしているが、手動で「インターネットからの切断/再接続」を毎日行っている。
 これは、ISPから割り当てられるIPアドレスが「日々変わる(偶然、同じアドレスが連続して割り当てられる場合もあるだろうが)」事を狙っての処置である。
 これにより、「意図的にHARIのPCがインターネット上から狙われる(=攻撃を受ける)」確率は大きく減る。
 (まぁ、HARIのPCを狙っても、何も得る物がないだろうが。)
 また、使用しないとき(平日の日中など)は、インターネットから切断すると同時に、PCの電源を切っている。
 これにより「インターネット側からの無差別攻撃」を防いでいる。
 
 なぜ、こんな事をいまさら書くのかといえば、PC(そしてインターネット)を使用する為の「垣根」が、あまりにも低くなり「誰でも簡単に」インターネットに接続できるようになってきたからだ。
 無防備に「稼動しているPCをインターネットに常時接続」する事は、玄関に鍵をかけないで外出するのと同じだと考えている。
 
 電子メールについても、同様である。
 知らない人からのメールについて来た添付ファイルを「何も考えずに開く」事はもちろん、知っている人からの添付ファイルでも、安易に「開く」事は、無謀以外の何者でもない。
 さらに、最近はWindowsの仕様を利用して、拡張子をごまかしたファイル名を付けているケースも多い。
 安易に「画像ファイル」だと思って実行したらウイルスだった、では話にならない。
 また、自分のPCは「ウイスルチェックソフト」を入れているから安心だとは、思わないほうがよい。
 ウイルスは日々進化しているのだ。
 (「未知ウイルス検出機能」だって完璧ではない。その証拠に、ウイルス検出用のデータが頻繁に更新されている。)
 自己増殖ウイルスは、アドレス帳に登録してあるあなたの友人、知人、同僚、お客様、MLに、あなたの名前で「ウイルス付メール」を出すものが多いからだ。
 (これによって、あなたの信用が損なわれる事は、大いにあり得る。)
 
 ここでは、インターネットでの例をあげたが、一般生活においても同じである。
 たとえば、金融機関店舗など「しっかりと管理された」場所以外に設置されたATMやCD。
 日本では、ここから「個人情報」(たとえば、カードの暗証番号)が盗まれ悪用された例は聞いていないが、外国ではすでに街頭のCDコーナーで使用した際に個人情報が盗まれ、悪用される時間が発生しているのだ。
 海外のショッピングでも、クレジットカードで買い物をした時に店員が「カード情報」を盗み、悪用した話を耳にする。
 日本の「国際化」は、こういった犯罪が日本でも起こりうる事を、認識しなければいけない。
 地方の町では、「ちょっと外出する時に鍵なんかかけないよ」「ここいらに悪い人間なんていないから」なんていっている所もあるようだが、時代の変化は早い。
 ちょっと前まで「日本の玄関に、鍵は一つで十分」だったのが、ピッキング犯罪の増加により「複数付ける」事が増加している。
 そのうち、玄関は「複数の鍵で施錠」が当たり前になるかも知れない。
 (このご時世に、「鍵」の製造メーカーでは、需要に生産が追いつかないらしい。)
 「人口が急激に増加する」事は、発展につながるとかんがえがちだら、良い事ばかりではないのだ。
 被害にあってから後悔しても遅いと思う。
 そして、こんな事まで「欧米に追いついても」、意味がない。
 
 悲しいことに、日本も「人間性善説」をすて「人間性悪説」に切り替える必要がある。
 
 そして「無知」は「涙」ではなく「罪」の時代になろうとしている。
 (インターネット・セキュリティの世界では、その傾向がすでにある。)



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