2001年2月24日

FMの名のもとで復活したFE


 

 以前、ニコンからFE10が発売された時、その外観とスペックから「真のFEシリーズの系統は絶たれてしまった」と嘆き悲しんだものである。
 最後のFEシリーズであるFE2が製造中止になり、中古市場で異状とも言える高値で取引され始めて、どれくらい月日が流れただろう。
 
 だが、ニコンはFEシリーズを忘れていなかった。
 名機、NewFM2の後継として登場したFM3Aは、FMシリーズとFEシリーズの良い所を取り入れて、さらに付加価値まで付け加えた製品だった。
 しかし、何故FMシリーズにFEシリーズの「絞り優先AE」を付けたFM3Aが発売されたのだろうか?
 ここからは、HARIの推測だ。
 ニコンにはMFの一眼レフとして、完全マニュアルのNewFM2と絞り優先AEを持ったF3があった。
 MFカメラとしては最後のFヒトケタ、F3は20年近く続いた歴史に、最近終止符をうった。
 つまり、ニコンのラインから「AE機能を持ったMF一眼レフ」がぽっかり空いてしまったのだ。
 ニコンとしては、その穴を埋めるのに、悩んだ事だろう。
 現行AF機をベースにMF一眼レフを作るのは、偉大な失敗例がある。
 F80Mなんて、ニコンにとっては悪夢の再来だろう。
 (個人的には、良いカメラだと思うのだけどなぁ。>F-601M)
 となれば、解決案は限られてくる。
 一番良いのは、市場のニーズもあるFE3の投入だろう。
 
 だが、AF一眼レフ全盛の今、NewFM2とFE3の2ラインは、コスト的にかなりつらい物がある。
 かといって、NewFM2は製造中止にはし難い。
 電池不要の機械制御式カメラであるNewFM2は、需要こそ少ないものの、根強いニーズがあるからだ。
 (そこがMF一眼レフを切り捨てたメーカーとニコン様の違いだね。(^^; )
 そこで、FM+FEという構図が出来上がったのではないだろうか。
 (FEシリーズ(FE10を除く)大好きのHARIとしては、名前はFM3AよりFE3Mにして欲しかったけど。)
 
 まだ実物を見たわけでもなく、雑誌の記事と英文・和文のカタログだけでの判断だが、第一印象は「良いカメラだ」。
 ちなみに、前回同じ想いを抱いたのはF5だったから、第一印象としては最高点である。
 問題は、価格。
 撮影に必要なスペックだけを見ると、「高い」。
 だが、「AF全盛のこの時期」に、「電子シャッター/機械シャッター」を持ったMF一眼レフカメラである事を考えると適正な、いやもしかしたら安いような気さえしてくる。
 (もしかしたら、FM3Aは、儲けがほとんど無いかもしれない。)
 
 本当に、FM/FEシリーズ(FM10/FE10を除く)は、良いカメラだ。
 F5を清掃している時は、決して「レンズを付けて空シャッター」を切る事はない。
 だが、不思議なことにFEやFE2だと、必ずシャッターを押したくなるのだ。
 (これは、HARIだけでは無い事が判明している。)
 
 たとえフィルムが装填されていなくても、部屋の中でも、ついシャッターを切りたくなるカメラ、それがFM/FEシリーズ(くどいようだが、FM10/FE10を除く)なのだ。
 
 欲しいなぁコレ、と思いつつ、手元のFEとFE2を眺めるHARIであった。



HARIの独り言 目次に戻る