PC経験が長い人ほど、システムクラッシュやハード障害でデータを失った経験があると思う。
たとえそれが仕事のデータであっても、趣味のデータであっても、データを失った事による精神的なダメージや時間のロス、そして場合によっては金銭的な損害すら発生する。
かくゆうHARIも、Windows3.1時代にPC9801BX改で「システム障害」によって1論理ドライブ(80MB)の「ほとんどすべてのデータ喪失」を味わっている。
(幸か不幸か、その論理ドライブはデータドライブだったのでシステム全損にはいたらないで済んだ。)
この悲劇を二度と繰り返す事が無い様、HARIのシステムは「そこそこのデータバックアップ」体勢を引くことになった。
時系列順にならべてみよう。
・128MB MO (PC98用外付けSCSI、TEAC製MO-128)
PC9801BX改時代に最初に購入したリムーバブルディスク装置。
実は、先の「1論理ドライブのデータ喪失事件」の時には、すでに存在していた。
しかし、当時は「バックアップを取る」意識は薄く、どちらかといえばHDDからあぶれた「とりあえず残しておこう」的なデータの退避に使っていた。
したがって、「1論理ドライブのデータ喪失事件」事件後に残っていたのは、別ドライブの「重要度が高いデータ」とMOにあった「とりあえず残しておいた」データであった。
その後、バックアップに使用し始めた事はいうまでもない。
HARIが購入したのは、低価格帯(でも、今のMOドライブ価格帯と比べると十分に高価だ)だったので、遅いのが難点。
それでも当時は数百MBしかHDDを搭載していなかったので、128MBでも十分に実用的だった。
なにしろ、当時の某カメラ系量販店ではPC売り場の店内放送で「データのバックアップに最適なFD50枚セットはいかがでしょうか。」と流していたなぁ・・・。
当時は100MB以上のHDD実装機も多かったが、まだまだ「FDでバックアップ」出来る時代でもあったのだ。
ちなみに、このMOで使用されているドライブは当時のほとんどの低価格MOに使用されていたSONY製の物である。
しかし、今では知る人も少ないNECの鎖国政策(「PC98ハードウェアチェック仕様」)に対応する為、MOドライブのベンダー情報が「SONY」では無く「NECY」となっている。
このMO装置、メインPCがPC9801BX改からGATEWAY2000 P5-120J改に変わってからも接続しているがメディアの読み書き時にエラーが多発するので、事実上使用不可の状態となっている。
・TRAVAN TR-1 テープ装置(Colorado TC-1000)
HARIのPCも、PC9801BX改からGATEWAY2000 P5-120Jに変わり、HDD容量もWindows3.1/Windows95系で2GB以上の容量となった。
当初はPC9801BX改から引き継いだ128MB MOドライブでバックアップしていた物の、無理が生じてきた。
この為、今はHPの一部門となったColorado製のFDのI/Fを使用するテープドライブを日本版パッケージで購入。
当時、発売されたばかりのTRAVAN TR-1規格は、テープ1本で非圧縮時400MB圧縮時最大800MBの記録ができた。
また、付属バックアップソフトにより、「フルバックアップ」「差分バックアップ」の取得も可能となる。
(これはPCサーバのテープ装置によるバックアップと同じ機能である。)
テープ1本の単価が高価(確か、数千円した)であったが、まだまだ「10MB以上のデータ」なんぞ無く、圧縮モードで差分バックアップを行えば十分に実用的であった。
しかしながら、FDのI/Fを使用する為、遅いのが欠点でもあった。
この頃から、2〜3ヶ月に1回程度のバックアップを行い始める。
この装置、次項のDDS-2装置を購入しても「過去のバックアップ資産」の為にPCに接続していたが、フロントベイに「SCSI接続、ATAフラッシュカードリーダー」購入時に取り外され、現役引退となる。
・DDS-2 DAT テープ装置(SONY SDT-5000)
HARIのPCも、データ用HDDだけで4.3GBとなり(1996年末)TRAVANテープでのバックアップでは時間的にも容量的にもコスト的にも悪いので、SONY製SDT-5000をバルクで購入。
SDT-5000はSCSI接続のDDS-2のデープドライブで、非圧縮時4GB圧縮時8GBのバックアップが可能である。
これにSCSIカードで有名なADAPTECのEZ-SCSI付属バックアップソフトで年1回(年始)のフル・バックアップと月1回(月末)の差分バックアップを実行。
しかしながら、データ容量の増大は留まることを知らず、2000年10月には10GBものHDD割り当て(実際のデータ量はこれより少ないが)となってしまった。
SCSI接続とはいえ、DDS-2でのバックアップには時間的に無理が生じつつあった。
また、販売されているDATテープもDDS-3へシフトしていき、店頭での在庫も少なくなっていった。
この為、2000年10月に、予備役(引退ではない。)に編入。
なお、当時DATテープ装置を購入しに秋葉原に行った時の、現在も存在する大手PCパーツショップでは、「DATのテープドライブ」だけで分かってくれた店員はほとんど存在しなかった。
大手電気系量販店のPC専門店(それも、ソリューション系)では、散々店員に説明したあげく「こちらの店舗では扱っておりませんが・・・」と扱っている系列店を教えてもらったが、そこは「音楽関連の店」。
DATは、確かにオーディオ機器で使用しているけど・・・。
ちなみに、その店は九十九電気である。
PCパーツ系メジャー大型店では、店員に散々説明しても理解してもらえず、別の店員(リーダークラス)を呼ばれる始末。
さすがに彼は、DATの一言で理解してくれたが、一般向け需要が無いので扱っていないとの事。
しかし・・・、HARIがきっかけではなく法人ニーズを考えての事であろうが数ヶ月後にはその店でもDATが取り扱われ始めた。
ちなみに、その店はT-ZONEミナミである。
PC雑誌に、DATドライブの広告を掲載していた著名PCパーツショップ(2000年には、別の意味でも話題になったが)でも、店員に散々説明したが、雑誌広告に製品が掲載されているにも関わらず「うちでは取り扱っていません。」との回答。
内心頭に来て、「広告に掲載されているのに、取り扱っていないの?広告見てきたんだよ。」と突っ込んだら「売り切れです。」
「じゃ、注文するから」と言うと「注文だと特別扱いの為に雑誌掲載の価格より高価になりますし、入荷時期も分かりません。」と即答するしまつ。(調べる気が全く感じられなかった。)
あきらかに「販売意欲(十万円前後の商品であるにも関わらず、だ)」が無いので、その店から去った事は言うまでもない。
ちなみに、SDT-5000を購入したのは、そこの店舗違いの店。
そこでも広告の製品(実はHP製SCSI外付けのパッケージ版を狙っていた)は無かったが、HPやSONYのバルク品がおいてあった。
購入する時、「別店舗での事」を話すと、すまなそうに「DATみたいにサーバ向け製品だと知らない者が多いんです。」と話てくれた。
当時のPCショップ店員は、ホビー系PCしか知らない者が少なくなかった。(もしかしたら、今もそうかもしれない。)
今も昔も同じで、「店員の知識チェック」とか「自分の知識自慢」の為の質問をするお客も少なくはなかった様であり、店員の負担軽減の為か「5つのNO」(製品説明をしない、など)を経営方針としたショップが出てきた時代でもあった。
でも・・・、自分の店が数ヶ月に渡って広告に出している商品くらいは把握してもバチは当たりまい。
・そして、これから
実は、HARIは時期主力PCを製造中である。
このPCが第一線配備された暁には、かねてからの懸念だった「バックアップしていない期間の障害によるデータ喪失」が大幅に改善される予定である。
なかでも、HDD障害によるデータ喪失は、「いつHDDに障害が発生しても」かなり高い確率でデータを失わないで済む。
(もちろん、HDD書込み中のデータは失われるが。)
知人にこの計画を話した時「なんでそこまで」と言われたが、HARIにとってデータ(例えば、昔からのメールなど)は貴重な財産であり、それを失った場合は、その対策にかかる費用の数倍の損失になると考えているからである。
「数ヶ月前のメールなんていらないもん」「昔のデータなんて、無くなっても諦めが付くし」という考えの方のは、理解していただけないだろうけど。
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