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充実したHPで楽しませてくれる中原さんがスポーツな頁を作ってくれました! さすがです・・・ということで、以下は中原さんご自身作成のHTMLで掲載しています。

「ジムカーナのドライビングテクニックとセッティングの基本」 中原


九州地区でジムカーナに参戦している中原です.
1995年から初めて、2000年11月に、やっと3位入賞を果たしました.



<ジムカーナ:プロショップスプラインチャレンジジムカーナ2000>
<CBAEP:中原>

■クルマ
クーペType R(MT)
1993年式 (約75000Km/2000年11月)

■メインコース
■メイン使用ギア
1〜2速

■リザルト
ジムカーナ:プロショップスプライン チャレンジジムカーナ2000 クローズド1クラス 3位
◆参加レポート  (スラロームアイランド九州HP内)

■装備
タイヤFr(幅cm/扁平率/内径inches)(銘柄)(エア圧)205/50R16(YH NEOVA)(2.3)
タイヤRr(幅cm/扁平率/内径inches)(銘柄)(エア圧)205/50R16(YH NEOVA)(2.5)
ホイールFr(幅inches/外径inches/ofs mm)(銘柄)8J/16/(ADVAN 3本スポーク)
ホイールRr(幅inches/外径inches/ofs mm)(銘柄)8J/16/(ADVAN 3本スポーク)
ABSなし
ブレーキパッドFrBRIG ダートラ  BGファミリア流用
ブレーキパッドRrBRIG ジムカーナ ロードスター流用(フルメタル)
ブレーキキャリパー/ディスクノーマル
ブレーキラインノーマル
ブレーキフルードノーマル
スタビライザ/リンクスタビリンクのみMazdaspeed
ブッシュ類Mazdaspeed(エンジンマウント除く)
LSDなし
ショックFrMazdaspeed/4
ショックRrMazdaspeed/4
スプリングFrMazdaspeed
スプリングRrMazdaspeed
ストラットタワーバーFrノーマル
ストラットタワーバーRrノーマル
アンダーコネクションバーFrなし
アンダーコネクションバーRrなし
車高調整ノーマル
キャンバー角ノーマル
トー調整ノーマル
エンジンマウントノーマル
GAS銘柄指定なし ハイオク
GAS添加材なし
エンジンオイルワコーズ 5W-30
エンジンオイル添加材なし
ミッションオイルマツダ純正ATF使用
オイルクーラーなし
ラジエータノーマル
LLC特に指定無し
LLC加圧キャップノーマル
エアクリーナモンスター PowerFilter
インテークマニホールドノーマル
ポート研磨なし
ボアアップなし
圧縮比ノーマル
点火タイミングノーマル
コンピュータチューンノーマル
スパークプラグノーマル
プラグケーブルノーマル
エキゾーストマニホールドノーマル
マフラーノーマル
サイレンサーノーマル
フロントスポイラーノーマル
サイドステップノーマル
オーバーフェンダーなし
リアスポイラーなし
リアウィングクスコ GTウイングタイプ(改)
バック(ドアサイド)ミラーノーマル
ヘッドライトバルブ/リレーキットノーマル
ウィンカー/フラッシャーノーマル
ロールケージなし
シートノーマル
シートベルトサベルト4点式
ステアリングホイールナルディ クラシック 36φ
ロングボスなし
シフトノブアルファ アルミ削り出しタイプ
ABCペダルプレートノーマル
その他パーツ/ケミカル類JUN軽量フライホイール
改造など特になし

■ランティスをより速く仕上げるためのテクニック
クルマがいくら凄くなっても、ドライバーの腕が未熟なら、そのドライバーは「クルマに乗せられている」だけ.
かなりカッコ悪いと思う.
予算をあまりかけずに乗りやすいクルマに仕上げられれば、後は練習次第でいくらでも速くなれるはず.

最低限必要な物は、四点式シートベルトと競技用ブレーキパッド.
お金は、タイヤと練習代にどんどん使って、練習会にどんどん参加して腕を磨くのみ.
時には、上級ドライバーに同乗してもらったり、代わりに運転してもらったりして、自分の腕とクルマが本来持っている力を 見極めるのも勉強になる.

本気で表彰台を狙うなら、勝てるクルマに買い替えるべき.
買い替える可能性があるなら、どうでもいいチューニングに無駄なお金を使うのは無駄だと思う.



<ジムカーナ:CBAEP:中原>


■ジムカーナ競技とランティスの相性について
同クラスのインテR,MR2等とタイムで勝負する事は無理.

私の現状のセッティングで、ジムカーナのコースを走ると、コントロール性がとても良い.
このクルマでジムカーナに参加する意義はあると思う.

強いて言えば、機械式LSDがあればきれいなサイドターンができるが、ない物をねだっても仕方ない.



■タイヤ
ノーマルのショックアブソーバ&スプリングにネオバ級のハイグリップタイヤを履かせるとアンバランスになる.
限界が高くなり、腕が伴わないとアンダーステアの嵐に遭遇する(笑)

マツダスピードのショックアブソーバ&スプリングに交換してからは、ネオバがベストマッチング.
腕さえあればアンダー/オーバーステアは意のままだが、腕が伴わなければ、やはりアンダー一辺倒.

本当は、もっとハイグリップな「Sタイヤ」が欲しいが、バネレートが10kgF/mm以上でないとバランスが崩れる.
(MSのスプリングは3.6kgF/mm程度なので、ネオバ程度のグリップ力に抑えておくのが無難)

ホイールは8Jと言う無謀なサイズだが、これは中古の特価品を現物合わせで取り付けた結果、たまたまハマった.
リアのショックアブソーバとタイヤの間隔は2〜3mm程度しかないので、他の人には絶対にお勧めできない.

8Jに205−50サイズのタイヤを組み合わせると「引っ張り」気味になる.
ネオバはトレッド幅が広い様で、あまり「引っ張り感」は感じない.

ジムカーナでは、FF車のリアには細いタイヤを履かせるのがセオリーだが、 ランティスの場合は、ブレーキの前後バランスが決まれば、前後共に純正と同じタイヤサイズで支障ない.
前後同じタイヤなら前後でローテーションできるので、均一に減らす事ができる経済的メリットは大きい.

空気圧は、標準値より少々高めにしないと、強い横Gがかかったときにタイヤ全体がよれて側面を傷つける.
(Sタイヤは全体の剛性が極端に高いので、標準値よりも低く設定するのがセオリー)

■ブレーキパッドの選択と、サイドターンのテクニック
ランティスのノーマルブレーキパッドでのサイドターンは不可能に近い.

リアにフルメタルパッドを入れると、サイドの効きが見違える程良くなる.
(ロードスター用のジムカーナ専用品が流用できる)

リアにメタルを入れると、前後制動力の相対的バランスを取るためにフロントにも競技用の強力なパッドを入れる必要がある.
(ジムカーナ専用品でランティス(CBAEP)に適合するものはないが、ダートラ用パッドと温度域と摩擦計数が同じだからBG系ファミリアGTRの物を流用可能)

これで、前後のブレーキバランスが適度にリアよりになり、サイドターンとブレーキングドリフトが容易になる.
ブレーキホースやキャリパーに手を加える必要は全く感じない.

私は、現状の「フリーなデフ」で、いかにロスなく回れるか、色々考えながら回っている.
リアのパッドがどれほど良く効いても、ターン進入時に荷重をフロントにしっかり移動してリアの荷重を抜かないとテールを振り出せない.

また、ボディが重い事に加えて食い付きの悪いタイヤを履いているので、一般的A車両よりも手前からパイロンを狙ってターンを開始すると良い.
舵角は少なめにし、サイドを引いている時間は短かめ、カウンターステアも最小に抑える必要がある.

180゜ターンは無理なく回れるが、360゜になると、A車両の様な美しいターンは不可能.
進入時のブレーキングに続き、早めにサイドでテールを流して回り込み、クルマの向きが180゜変わったら ステアリングを微妙に戻し気味で再加速して、またブレーキングで前荷重にして、もう一度サイドでテールを流す.
A車両のターンが「真円」としたら、LSDなし車両のターンは「長円」形に近い.


■スタート/加速 (天候/路面によりかなり変わる)
回転数3000rpm程度で半クラッチ状態、動き出さないようにサイドブレーキで固定.
動き出しの瞬間はホイールスピンを極力抑えるために、半クラッチでトルクを逃がす必要がある.

動き出したら、回転数をパワーバンド5000rpm以上に上げるが、派手にホイールスピンしないように半クラッチで抑える.
車速が乗って来たら、クラッチを完全に繋いでフル加速.
レブリミットに当たる直前でシフトアップ.(クラッチは「ドン!」と繋ぐ)

停止寸前までスピードが落ちるセクションの立ち上がりでも、アクセルをラフに開けずに、ホイールスピンを抑える走りを心掛ける.
アクセルを床まで踏み込むのを、クルマ全体が進行方向に向くまで我慢すれば、ロスが少なくタイヤの偏磨耗も抑えられる.

■ブレーキング〜コーナリング
ブレーキングを伴うシフトダウンには、必ずヒール&トーを使う.
これができないと、クルマの動きがぎくしゃくして姿勢を乱す.

コーナー進入時には、「タイヤのグリップ力の何割を制動に使い、残りの何割を旋回に使うのか?」 を良く見極めてから、制動開始点と制動力、制動時間を割り出す.

私も未だにこの見極めが甘く、必要以上にハードなブレーキングで旋回に使えるグリップ力を減らしている.
2速から低速セクションに入る時には、セクション進入時に1速に落とすのではなく、 再加速開始直前まで1速に落とすのを待つと、姿勢が安定して、結果的にタイムアップになる.


■他車との比較
アスティナ1500DOHC
(BG5P,1990年購入〜2000年現在現役稼働中)

1995年にポテンザカップジムカーナシリーズに数回出場した.
当時は腕が未熟すぎ、ミスコースせずに完走するだけでやっとだった(笑)

ランティスと比較すると圧倒的にパワー不足だし、足回りの押さえも足りないが、フロント回りが軽量なので走っていて楽しい.
直4のB5エンジンはレブリミットが6700rpmと低めだが、4000rpmを超えてからの吹け上がりが良いので、 乗っていてとても気持ちが良い.
また、ノーマルマフラーの排気音がとても元気が良いのも◎!!

タイヤが185−60−14で、ランティスに比べて旋回速度は劣るが、 フロント回りが軽いので、旋回時の「頭の入り」が素早いのも心地よい.

ジムカーナのコースでは、戦闘能力は低いが、腕さえあればテールスライド誘発もできて楽しく走れる.

乗っていてとても楽しいクルマである.


ミラージュ・アスティRS
(CJ4A,1997年購入〜事故で廃車)

ジムカーナ参戦の為に購入し、97年当時のA車両規定に沿った改造を施した.
当時も腕が未熟すぎ、コース内にとどまるだけでやっとだった(笑)

可変バルブタイミングMIVEC搭載の1600cc直4エンジンは、8200rpmまで一気に吹け上がり、5000rpmを超えてからのパワーは強烈.
エンジンマウントを強化品に変えた効果で、アクセルON/OFF時のパワートレインの揺れは皆無.
マフラーはノーマルだが、アクセルを吹かすとボディ全体で咆哮するかのような騒音と振動が心地よい(笑)

ラリーアートのメカニカルLSDに換装、リアブレーキにフルメタルパッドを使用.
これにより、FFにも関わらず、サイドターンで540゜位の連続スピンターンが楽々こなせた.

ショックアブソーバ/スプリングは、GAB/ALPHAでジムカーナ専用に開発された物に換装.
ブッシュ類もラリーアート製の競技用に換装した結果、元々の高いボディ剛性と相まって、限界が非常に高く、限界を超えた時の挙動もピーキー.
かなりの腕がないと、手足の様に乗りこなすのは不可能なジャジャ馬だった.

一度、全日本年間チャンプの運転で同乗走行してもらった時には、地区戦トップクラスの選手をブッちぎるタイムを出していた.
ランティスと比較にならない程の戦闘能力があるが.
(通常、ランティスとミラージュ/シビックは別クラス)



■ランティスでジムカーナをやっている理由
私は兼ねてより運転が超ヘタクソでした(笑)

数年前、フと思い立ってドリフト入門書を読んで峠や未舗装路で無謀な運転をしていましたが、 行きつけのショップの常連のジムカーナ選手達の話を聞くうちに競技会場に来ていました(笑)

ストリートや峠は、あくまでも公道だから、クルマの能力限界まで攻め込むのはよろしくないです.
サーキット走行会は混走が前提だから、自分の失敗で他人を巻き込む恐れがあります.
公道もサーキット走行会も厳密な改造規則がないので、例えライバルに買ったとしても、それが自分の腕で勝てたのか? それともクルマの能力の差で勝てたのか?が明確にならない所にもどかしさを感じます.

その点、JAFが統括するB級ライセンス競技(ダートトライアル/ジムカーナ/ラリー)には、厳しい規則があり、 皆が同じクルマで規則目一杯の改造を行えば、高いイコールコンディションが実現できるから、後は鍛練あるのみ.

タイムトライアル形式だと、思いきった走りをして少々スピンしても後続車とクラッシュする危険もないのは魅力です.
ただし、自爆の可能性は十分にあるわけで、「命をかけて走っている」事だけはきちんと認識すべきだと思います.

ランティスの様なクルマだと、初心者向けの競技会なら表彰台ゲット可能ですが、地区選手権ともなると全く希望はありません(笑)
厳しい様ですが、これが現実.

それなのに、何のためにジムカーナを続けているかと言えば、「上手いドライバーになりたい」からです.
比較対象がなく、自分が上達したのかどうかを判断する材料に乏しいけれども、例えば練習走行会で、 上級ドライバーに運転してもらって自分のタイムと比較する等、方法はあるはず.

逆に、タイムの事は忘れて、自分の頭で攻略法を考え自分の腕でランティスをその通りに操る事に専念する方が、 結果的にタイムアップにつながる事もあります.
今年(2000年)、2年ぶりにジムカーナに復帰したのですが、成績は全く気にせずに走り続けた結果、初めて表彰台に登れた事は とても嬉しく思います.

また、珍しいクルマに、派手なGTウイングまで付けているので、会場での注目度はピカイチです(爆)
(実際、選手の間でもランティスの評価は高く、私の手荒でヘタクソなドライビングを楽しんで見てくれています)

これまで厳しい競技の世界に身を置き、大勢の諸先輩方と接する事で、クルマやドライビングに対する考え方が180゜変わりました.
これからも彼等から多くの事を学び、己を磨こうと思っています.



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