ぜったい遵守☆子作り許可証ぱらだいす!!~嗚呼、素晴らしき孕ま世界~(softhouse-seal GRANDEE)

 世界は相変わらず男に困っていた。いや、更に困っていた。数々の対策にもかかわらず成果は一向に上がらず、それどころか却って男は減るばかり。遂に10万人に1人しかいなくなってしまった。そんな状況の中、天童亮祐(変更不可)は自由性行為許可証を支給される。果して彼は人類の救世主となれるのか。

 softhouse-seal GRANDEEの新作はやっぱり「ぜったい」シリーズで、ブランドデビュー作「ぜったい遵守☆強制子作り許可証!!」の続編。アニメ化もされましたし、かなり人気があったようですね。
 購入動機はGRANDEEタイトルだから。とは言っても2作は間隔を空けてしまいましたし、プレイしたのも「ぜったい絶頂☆性器の大発明!!~処女を狙う学園道具多発エロ~」だけなので乏しい根拠でありました。
 初回特典はぜったい潤滑☆NEO子作り許可ションと自由自慰行為許可ホールNEO、それにキャラクターラフ原画集。どうやら前作にも同じ特典が付いていたようです。予約キャンペーン特典は子作りモンスターパッチ。これもネタは違えど恒例ですね。ただ、このレベルまで来ると(裸やスケスケとは意味が違うので)イベントCGに影響を与えることがないのがもったいないです。せっかくデザインしたんですから。

 修正ファイルが出ています。ささいな内容ですが気になるところでもあるのであてておきましょう。

 ジャンルはマップ移動スタイルのアドベンチャー。
 足回りは進歩していません。メッセージスキップは既読未読を判別して高速ですが、すんなりゲームをクリアできないと使用頻度が非常に高くなるため、相対的に遅く感じます。マップ移動後に継続してくれるのがせめてもの救いでしょうか。
 バックログは別画面にて行います。ホイールマウスに対応、ボイスのリピート再生も可能ですがそれほど戻ることはできません。画面の使い勝手が悪いのもそのままです。ロード直後にも使用できません。
 デザイン含めて低価格タイトルから脱却できていないのは残念なところ。
 予約キャンペーン特典の子作りモンスターパッチの機能は自在にオンオフ可能です。

 シナリオは読むに値するとは言い難い出来。物語らしい物語はなく、クオリティもそれに準じています。単発イベントの数珠つなぎなのは低価格タイトルそのままであり、GRANDEEタイトルも5作目ですがどうやら進歩はないようです。むしろ、アイデア的には退化しているようにさえ見えます。繋がりの薄いイベント構成である以上、それぞれのイベントの個性が大事なってくるわけですがワンパターンで面白みがありません。様々な許可証の存在も却って足手まといになっているように見えます。
 世界観の表現が徹底されておらず女尊男卑の世界に見えません。それどころか普通の現代的な世界観と代わり映えしません。本作の設定で通常の1対1のカップルになろうとするのは違和感があるように思うのですが、周囲も祝福していて納得しにくい感じです。恋シナリオのエピローグにもそうした矛盾点がハッキリと出ています。
 日常の掛け合いはパターン通りすぎて面白みに欠けます。キャラクター性を出すという意味においても弱さを感じます。
 惹かれ合う過程はもちろんありません。Hシーン的な意味で最初から好感度がマックスな感じです。普段の態度と噛み合わないくらいに。
 Hシーンは複数ライター制の弊害が出ているようです。エロさの感じられるものとそうでないものと差が出ています。内容的にも少しばかり違いがあるように思います。

 CGは複数の原画家が統一感のなさに繋がっています。それぞれで見れば問題ないですが、同じ世界観の住人としては違いがありすぎるように感じます。事情があるのかもしれませんが、ハーレムに9人のキャラを用意するくらいなら人数を減らすことを考えた方がいいのではないでしょうか。ひとりひとりのキャラの魅力を高めることにも繋がるはずですし。Hシーンの多様性も有効に出しやすいのでは。
 イベントCGをアニメーションさせるGRANDEEアニメーションは健在です。相変わらず滑らかに動いてズーム、カメラ機能付きとエロ度の向上に大きく貢献しています。イベントCGの半数に用意されていてボリュームも十分です。アニメーションだけを鑑賞できるのもポイント高いです。
 立ちCGは相変わらずポーズ変化がありません。原画(CG)そのものは魅力あるだけに残念なところ。まぁ、活かすだけのテキストがあるかと言うと難しいですが。

 音楽はやはり曲数は少なめです。作品の内容に相応しく軽くて躍動感のある曲が多いです。ただ、ボーカル付きのオープニング曲が全てを持っていってしまっているので、正直なところ他の曲はあまり印象に残りません。それぐらい主題歌の名にぴったりの良い曲に仕上がっていると思います。
 ボイスはパートボイス。主人公のほか名前のないモブキャラにはありません。ただし、一発勝負のイベントキャラには(Hシーンがあるので)当然、用意されています。演技の方は特に問題ありません。

 まとめ。マンネリが感じられる作品。以前、2作目を発展途上と書きましたが、成長をほとんど諦めてしまったような作りです。安定していると言えば聞こえはいいですが、よほどアイデアが優れていないと飽きられそうに思います。コストパフォーマンスもとても優秀とは言えません。個人的には期待値を下回ってしまってたいそう残念でした。
 本作は例外としても低価格タイトルのフルプライス化という路線は止めてしまったんですかね。
 お気に入り:特になし
 評点:58

 お気に入りがご覧のありさまなのでキャラ別感想はありません。