ChuShingura46+1-忠臣蔵46+1-わっちとお兄ちゃんのラブラブ長屋生活(プレカノ)

 聞き覚えのあるタイトルですがブランドはinreではなくプレカノです。ここは基本的にヒロインひとりに焦点を当てた低価格タイトルを発売しています。同時にグッズ付きのプレミアムエディションも。今回は新しい試みなのか、すでに発売済みの作品からサブヒロインを引っ張ってきました。今後もこの流れは続くのでしょうか。苦しいエロゲ業界の苦肉の策になるといいのですが。
 購入動機は対象ヒロインである山吉新八郎が本編においてお気に入りであるから。
 初回特典は特にないですが、主題歌CDが付属しています。

 ジャンルは変わった名称もないアドベンチャー。
 足回りはinre作品のものを継承しています。どうやらバージョンアップはしていなさそう。メッセージスキップは既読未読を判別して高速です。ただし、選択肢もない作品なので使う機会はほとんどないでしょう。
 バックログは別画面にて行います。ホイールマウスに対応、ボイスのリピート再生も可能ですが、それほど戻ることはできません。ロード直後にも使用できます。また、この画面から任意の場面に飛ぶクイックジャンプができますが、戻れる範囲は同じなのでそれほど役には立たないでしょう。
 前回の続きからはじめる、いわゆるCONTINUE機能は用意されていません。

 シナリオは「ChuShingura46+1-忠臣蔵46+1-武士の鼓動(A samurai's beat)」のアナザーストーリー鏡花水月編の続きとなっています。どこにもハッキリそうとは書いていないのがミソだったりします。あくまでも状況からそう考えられる、というだけです。完全に続編となると登場してしかるべきキャラが2人ほどいるはずなので、作品の形式からあえて記述していないのだと思われます。
 内容は新八との江戸暮らしなのですが、あまりタイトル通りとは言い難くなっています。純粋なラブラブ描写は控え目で、主人公が新八によって窮地に送られることも珍しくありませんし、なにより日常は新八による江戸のうんちく話が基本となっています。それを主人公が聞いて現代とのつながりや語源について考える、というのが当たり前というくらいのワンパターンになっています。
 そんな感じなので未経験者にはちょっと不親切でついていくのはなかなか難しいと思います。フォローは最低限しかないというより、プレイ済みの細かいところは忘れた方用という感じですし。まぁ、気になった方は本編をどうぞ、というライターからのメッセージなのかもしれません。
 Hシーンは4回。やはり価格から考えられる通り、それほど多いとは言えないでしょう。良くも悪くもノリは同じですから、エロ度はそれほど高くありません。ある意味で安心かと思います。

 イベントCGは差分を除いて16枚とプレカノブランドであれば標準的な枚数。値段を考えてもこんなところではないでしょうか。CDの分があるので他社の同価格帯とは同列に考えられないところがあります。
 立ちCGは特に追加されたカットはありません。

 音楽は一部を除いてこれまでの2作から安定した曲をピックアップして使用しています。雰囲気にも係わるところなのでこの判断は正解でしょう。懐かしい気分に浸りながらプレイすることができます。
 ボイスは主人公を除いてフルボイス。演技の方は特に問題ありません。唯一にして最も重要な新八の声はそのままです。

 まとめ。ファンディスクの新しい形態を感じさせる作品。難しい点はありそうですが、この流れが広がるのは良い効果があるように感じます。元のブランド、プレカノの双方に得るところがあるのではないでしょうか。個人的にグッズに興味はありませんが、どうせ作るならすでに人気を獲得しているキャラの方が作り甲斐があるように思います。
 お気に入り:山吉新八郎
 評点:70

 さすがにとっても短いのでキャラ別感想はありません。せめて(?)雪と氷がいればねぇ。