黄昏に煌く銀の繰眼(CLOCKUP team.ANISE)
神宮寺雅希(変更不可)は人ならぬ存在であるニアから条件付きで人を操る繰眼の力を手に入れた。期限は13日。果たしてその先に雅希を待つものとは。
CLOCKUP team.ANISEの第3作は明らかに特定のアニメからインスパイアを受けたアドベンチャー。
購入動機は本作発表時にテックジャイアン誌に掲載された漫画とCGに興味を持って。
初回特典は特になし。
修正ファイルが出ています。重要な修正内容はなく、あてずともクリアは可能なようです。気になる方はダウンロードしましょう。ちなみに私の環境ではcleared all routes.と表示されてもCGが1枚埋まりません。
ジャンルはいつも通りのアドベンチャー。
足回りは平均程度。メッセージスキップは既読未読を判別して高速。システム上、スキップを使う機会はとても少ないです。
バックログは別画面にて行います。ホイールマウスに対応、ボイスのリピート再生も可能ですが、それほど戻ることはできません。ロード直後にも使用できます。
変わった機能として断面図やアヘ顔のオン/オフが可能です。
シナリオはキャラ立て不足を痛感します。序盤のわずかなヒロイン紹介を終えると選択画面となり、後はひたすらHシーンを繰り返すのみ。ヒロイン選択の間のテキストも短い上に1周目から使い回しとなるため存在しないも同然です。良い意味でも悪い意味でもキャラが立っておらず、思い入れを持つ間もなくシナリオが明後日の方向へ進行していきます。
主人公は工夫なく二言目には異能の力を使うため、せっかくの力も重みがまるで感じられずすっかり興ざめです。良く言ってまだるっこしい、悪く言って細かくしつこすぎる使い方は賛否が大きく分かれそうです。
ヒロインを4回選ぶと個別ルートに入ります。すでに触れたように構成はHシーンの連続。それは個別に入っても変わりません。おかげで単調さを感じやすいです。しかも、ヒロインは10人(+1人)もいるためプレイスタイルがパターン化してより飽きやすくなります。
13日間の意味もまるでなし。1シナリオたりとも13日間を書いたものはなく、設定的にも意義はありません。いつの間にか最終日を迎えているだけです。もうちょっと考えて欲しいところ。
Hシーンは各ヒロイン7回ずつ。特殊キャラのみ4回となります。内容は変わったものが多く、この方向性に慣れていない人はエロく感じられない可能性もありそうです。特に「うおおおっほぅ」なんて感じのヒロインの喘ぎ声テキストは明らかに玄人好みで、かなり微妙な線を狙っていると思われます。
CGは肌の質感の表現が素晴らしく、原画買いに応える出来です。ただし、体のラインは荒いところもあり、カットによっては気になるものも。また、枚数も差分抜きで90枚程度とCGが売りの作品としては物足りなさを感じます。
立ちCGはややアンバランス。服装が少なめでポーズ変化がない代わりに(?)、下着姿と裸で体のラインにしっかりと変化が出ていたりします。どうやらこだわる場所が他メーカーとは異なるようです。出来そのものはイベントCGにも引けをとりません。
音楽はこの手の作品らしく少なめです。それでも、基本暗めの作風でありながら明るい曲も用意されています。場面によってはそぐわない曲となってしまうこともありますが。
ボイスは女性陣のみフルボイス。すでに述べたHシーンの独創的なセリフを除けば特に問題はありません。
まとめ。ヒロイン10人を活かしきれていない作品。シナリオの構成にも疑問を感じます。プレイ時間もけして長いとは言えません。
お気に入り:なし
評点:55
お気に入りもいないくらいなのでキャラ別感想はありません。