すぷらっしゅ!-Splash!-(アトリエかぐや)
水泳部のコーチと大学生の二足のわらじをはく和泉快人(変更不可)。元選手である彼はコーチとして部内で信頼されつつあった。ある日、3人の教え子から同時に告白されてしまう。誰を選ぶのか、迫られた快人は一週間後に返事することを約束してしまうのだった。
アトリエかぐやの新作は3人の原画家による初のミドルプライス作品。テーマは水着です。
購入動機はやはり、かぐや初のミドルプライスという部分でしょうか。
初回特典は特になし。
修正ファイルは出ていませんが水瀬鈴シナリオでスクリプト指定ミスがありました。Hシーンの後で鈴が制服を着ているのですが近づいてくると裸になってました。
ジャンルはいつも通りのアドベンチャー。ヒロインを直接選ぶ方式を採用しています。
足回りはそれなりに優秀。メッセージスキップは既読未読を判別して高速ですが、使う機会はとても少ないです。
バックログは別画面にて行います。ホイールマウスに対応、ボイスのリピート再生も可能です。いつでも最初まで戻ることができます。もちろん、ロード直後にも使用可能です。
シナリオはあらすじからもわかるように割り切り型です。ミドルプライスであることからも想像しやすいですが、物語性は低めでエロ重視と言っていいでしょう。ただ、それでも短い分量の中で頑張ってヒロインの魅力を打ち出す努力は感じられます。
ヒロイン選択式ということもあって掛け合いはほとんどが1対1であり総合的にはとても弱いです。笑いなどは期待しない方がいいでしょう。
惹かれあう過程は前述したように分量的には頑張っています。いきなり告白されるという開き直りに近い状況ながら主人公が改めて教え子を女性として見る様子が描かれています。さすがに職務との葛藤を書くのは無理なようですが。ヒロインの方も後付けながらどうにか想いを伝えようとする様子が伝わってきます。繰り返すようですが少ない分量の中で、ですが。複数ライター制の影響か星野みなもシナリオだけは弱めです。
Hシーンはクリア後のエクストラを含めて各ヒロイン10回ずつ。個別ルートに入ることで本当の意味でHシーンとなります。テーマ通り内容は全て水着でHです。ただし、制服の下に水着を着るという本格派の人にとってはダメだしされそうなグレーなものも含んでいます。また、水瀬鈴と星野みなもの2人は水泳部と関係のない主人公の自宅が意外と多いです。当然、シチュエーションはグレーとなります。本作では水着が勝負下着な上、Hシーン用水着なるものまで設定されているので。詰まるところ、水着である、という以上のフェチズムは良くも悪くも感じられません。
エロさはかぐやレベルでちょっとエロいから普通くらい。通常の感覚ならば十分すぎるほどエロいです。アブノーマルなものはありませんし、かぐやの純愛系にはありがちなようにハーレムルートも存在しないので。
CGは語るまでもなく水着重視。デザインも1人3種類と見た目にも華やかです。ただし、ミドルプライスであるためか立ちCGの大きなポーズ変化はありません。同じデザインでも3人の原画家によって描き方が違っていて面白いです。
イベントCGは差分を除いて総数58枚と100枚程度あるかぐやのフルプライス作品に比べるとやや寂しい数字であるのは否めません。このミドルプライスのシリーズが今後も続くならば単独の原画家でもこのくらいの数字なのかは気になるところです。
SDカットはパッケージにクレジットがある割にはほとんど枚数がなくCG鑑賞にも登録されません。ちょっと色々と想像してしまいます。
舞台が学園、テーマが水着ということを考えるとヒロインデザインに疑問を感じます。M&M氏デザインの星野みなもは控えめに見ても他の2人と同年代には見えず体型的にもそれは同じです。氏のデザインの基準で考えても人妻キャラにしか見えないのは(そういう意図があるのでない限り)どうかと思います。
音楽はどちらかというとギャグっぽい作品を想起させる軽いノリの曲が多いです。反対に主題歌はまさに青春ものを思わせるストレートで勢いのある曲でギャップを感じます。曲数が少ないこともあってプレイ中は同じ曲を聞いている印象があります。
ボイスは主人公を除いて名前のあるキャラ限定です。ただし、モブキャラはほとんど出番がないので実質的にフルボイスといって問題はないと思います。演技の方は問題ありませんが、上で触れた星野みなもとサブキャラの如月佳代は外見とボイスがまるで合っていません。設定年齢からすれば特に問題はないと思いますが。
まとめ。船出としては悪くない作品。ただし、原画+シナリオ+ボイスがそれぞれ異なる組み合わせのためルート毎の安定度に差があるのが気になるところです。原画との相性は重要かと。choco-chip氏の退社による影響も今後の懸念材料です。
お気に入り:月城七海
評点:65
以下はキャラ別感想。ネタバレ要注意。
1、月城七海
立ちCGでただ1人だけ乳首が浮いている人。これはどういう扱いなのか最後までよくわかりませんでした。各原画家ごとに指示とか出ていないんですかねぇ。気付かなくても上がってきたものに対してリテイクとか出るだろうし。鈴はまだしもみなもなんて七海よりすごそうなのにねぇ。最後まで違和感ありましたよ。そのくせHシーンでは浮いてない方が基本だし。
こんな短いシナリオで主人公に惹かれる理由を2つも用意していたのには驚きました。コーチを受けただけでも十分なくらいだと思ったのに。
原画の濱田麻里氏は手首などの関節が苦手そうですがエロさと可愛さでそれを補って余りあると思います。今後も期待したいです。
2、水瀬鈴
基本は悪くないのですが、致命的なまでにサービス精神に欠けるお方。胸を見せてくれたのは10シーン中でわずか2シーンのみ、CGはエロ関係15枚中でやはり2枚のみ。他の2人とは比較になりません。たまーにこういった貧乳or普乳キャラに対して執拗なまでに乳を見せようとしない原画家とかがいますよねぇ。アリスソフトのTADA氏も前半のウルザ@「ランスⅥ~ゼス崩壊~」の胸はけして見せないとかよくわからないこだわりを語ってましたからねぇ。
3、星野みなも
3人の中で唯一、動機の不明な人。他の2人はまがりになりにも好きになった理由を語ってくれましたがみなもは何も語ることはなく。ただでさえ、3人の中で好かれているのが最も驚きのキャラなのにこれはちょっとどうかと。
最年長なだけでなく人妻にしか見えないみなものシナリオが中学生みたいな初々しさてんこ盛りの恋愛描写というのは正直、違和感ありまくりでした。もしかしたらライターはみなものデザインを見ていないのではないかという疑惑を持つほどに。