家庭教師のおねえさん~Hの偏差値あげちゃいます~(アトリエかぐや)
成績の優れない息子のために豪快な親父の繰り出した秘策は教科毎に家庭教師を雇うこと。それも全員女性で美人の。加えて全員が全員とも家に同居するというソラオソロシイ事態。翌日から親父は海外出張のオマケつき。
夏休みという短いようで長い期間、果たして佐倉透也(変更可能)を待つのは災厄かそれとも。そして、親父の深慮遠謀とは。
もうどれだけ絶好調の時期を続けているのやら恐ろしいアトリエかぐやの最新作は家庭教師同居もの。ユーザーの希望を反映してかここしばらくは新チームに任せてメイン2チームは凌辱色が鳴りを潜めています。
チームBerkshireYorkshireの作品は個人的に初めて。これまでも気になることはあってチェックだけはしていて、ようやく欲しくなるデザイン、方向性の作品が出てきたという感じなので買いました。
初回特典の類は特になし。
インストールに関する修整ファイルが出ています。該当する方は言われずともダウンロードしていることでしょう。私の環境では少しばかり奇妙な現象がありました。開始した後でもう一度ウインドウ枠をクリックしないとインストールが始まらないという不具合が。
ジャンルはオーソドックスなアドベンチャースタイル。
売りであるポイントとして栄養ドリンクがあります。これは特定のイベントで手に入るもので、持っていれば各Hシーン前に選択肢が現れて飲めば精液の量が増えるというもの。テキストにも多少の変化が出ます。こういったシステムが採用されるということは液スキーからそういう要望があるということなんでしょうか。個人的にはドーピングせずとも十二分に量が多いのであまりありがたみがない気がしました。
足回りは知名度に相応しい隙のなさ。およそ必要と思われる機能が一通り揃っています。メッセージスキップは既読未読を判別して高速。
バックログは別画面で行います。ホイールマウスに対応、ボイスのリピート再生も可能です。戻れる量もこの手のゲームにしてはなかなか。
シナリオはある意味、理想的。あらすじを読めばわかるようにザ・エロゲーとでも言うべき都合の良い設定が素敵です。おまけに季節は夏。クーラーもあまり使いたがらない先生たちは必然的に薄着に全力投球。チラリズムにも一家言ありそうなこだわりの仕草とアングルを披露してくれます。
日常会話は期待していないせいもあってか意外とヒロインズの個性が出ていて好印象。いつエロ展開になるのか、とか考えながらプレイしていると楽しめます。ただ、会話の絶対数が少なく、ルートが確定するまでは中盤以降に延々と同じ会話と選択肢を繰り返すのはもったいないというよりあからさまな手抜きの印象が感じられて残念。日付を確認するまではバグかと思っていたくらいです。
Hシーンはヒロインによって方向性が変化しています。年上のおねえさんということでイメージとしては受け身のHシーンが主体になりがちですが、性格によってシチュエーションがかなり異なっています。よってヒロインによる賛否が大きく分かれそうです。
エロ度はさすがの濃度。和姦としては最高峰のレベルにあるのではないでしょうか。ただ、前述したように「家庭教師」という属性で括ったゲームであるにも係わらずヒロインごとの方向性に差があるのは微妙なところ。それとハーレムはオマケ程度。過度の期待は禁物。
CGは全体的に明るい色調でまとめてあります。イベントCGはとにかくエロくあれ、という原画と彩色に徹している印象あり。エンディングまでHシーンであるあたり気合が感じられます。構図によって表情にばらつきがあるのが玉に瑕です。
立ちCGもエロ要素の盛り上げに大きく寄与。エロ可愛いと表現するに相応しいヒロインの姿が描かれています。それだけに立ちCGの鑑賞モードも欲しかったところです。
音楽は基本的にのんびりまったりと。プレイ中に切羽詰まったような曲を聞いた覚えがありません。減点ポイントはエンディング。スタッフロールの途中、それもかなり手前で曲が終わってしまうのはどうかと思います。感動するゲームではないとはいえ、演出と曲の同期を取るくらいはしっかりとお願いしたいもの。
ボイスはヒロインのみフルボイス。演技の方は全くもって問題なし。業界をリードする作品の実力をここからも感じ取れます。ただ、雨宮天音役の大波こなみさんはどうもキャラのイメージにそぐわない気も。ちなみに主人公の名前がデフォルトネームのままだとボイスのフォローがあります。
まとめ。長所を伸ばしきった秀作。得意分野はこれ以上の大幅加点は難しいのでそれ以外の要素がこれからの進歩のポイントかも。
特にシナリオ。感動したり唸るようなシナリオではなく、もう少しプレイヤーがヒロインに入れ込むイベント(日常会話)などが欲しいところ。現状ではまだまだ原画(CG)とボイスだけに大きく頼っている感じがします。
お気に入り:小野寺理央
評点:69
以下はキャラ別感想。ネタバレ要注意。
1、小野寺理央
決壊することも多いけど、それでも唯一の防波堤にして常識の持ち主。ただ、自分自身に関してはどうにもそれが当てはまらない印象も。スク水授業とか明らかに熱暴走起こしてますよ。むしろ、あそこまで文字通り体張っている先生に襲いかからないのは礼儀に反するのではないかと思うことしきり。
休み時間の職員専用トイレに深夜の小学校の屋内プールとメンツの中ではお固い性格と相まって思わぬエロさを引き出していたように感じました。まぁ、理央だけは受け身のHシーンではなかったということもあるかもですが。
2、汐乃渚
誰が見てもトラブルメーカー。一緒にお酒を飲むと楽しそうですが、例外なく後が色々と大変そうです。あの格好でどこでもずんずんと行く様にはちょっと退いてしまいます。あとちょっとでいいので慎みを。
3、秋月沙良
受け身とか既にそんな問題ではレベルに到達しています。ピザ屋を呼んで局所を見せつけさせるイベントとかゲームだからいいんですけど、もし現実なら彼女を殴らずにいる自信がありません。バルコニーやコンビニ前のイベントなど明らかに複数の容疑で警察が来ます。住所も顔もモロに割れているところが最悪。羞恥と露出の両方を兼備というのはやっぱいかんでしょ。つーか、彼女はマナマナと紙一重のような。主人公も逆らえないし。
4、雨宮天音
一番の理性派に見えて実は無関心にして無責任。都合の良さは沙良以上という曰く付き。分類すればツンデレキャラなんでしょうが全然嬉しくなかったのはどこに原因があるんでしょうか。やっぱり、反転のきっかけに納得いかないことでしょうか。