彼女×彼女×彼女~三姉妹とのドキドキ共同生活~(ωstar)

 離島で暮らす志木春臣(変更不可)の平凡な日々はある日、突然に終わりを告げる。火山が噴火したのだ。もちろん、全島避難となり明日をも知れない生活に突入、となるはずだったが両親はこれをいい機会とばかりに新婚旅行へ出発。取り残された春臣は遥かな過去にただ一度だけあったことのある親戚の家へ預けられることに。そこには美しく成長した三姉妹が待ち受けていた。

 ωstarの新作は同居型エロ萌えADV。
 購入動機は珍しく八方備仁氏のデザインが自分に合っていると感じたので。要するに原画買いです。
 初回特典は特にありません。

 ゲームを進める上では特に問題ありませんが修正ファイルが出ています。必要と感じる方は落としておきましょう。

 ジャンルはマップ移動型のアドベンチャー。
 足回りはあまり使い勝手がよろしくありません。メッセージスキップは既読未読を判別して高速ですが、毎日の日付表示演出を飛ばしてくれません。必ずクリックが必要になります。2周目以降はスキップを多用するゲームなので、この仕様はかなり不親切であると言わざるを得ません。
 バックログは別画面で行います。ホイールマウスに対応、ボイスのリピート再生も可能ですが、それほど戻ることはできません。

 シナリオは理解に苦しむシロモノです。シリアスな作風でもなく、ギャグ重視でもなく、萌えゲーテイストでもなく、もちろんエロス偏重でもない。完全に正体不明です。ライターのカラーがほとんど感じられません。無理にほめ言葉を探すなら無難というところでしょうか。八方備仁氏の絵を活かそうとか、相乗効果を生みだそうとかいうような気概は感じられません。
 ヒロインはメインの三姉妹にサブヒロインが2人。そして、ルートは2本しかありません。長女、次女、三女、ハーレムの各シナリオは各所のHシーンがそれぞれに分岐するだけでシナリオは同じです。使い回しと呼んで差し支えないと思います。詰まるところ2周目以降はHシーン以外をほぼスキップとなるので、すっかり作業プレイです。
 サブヒロインも2人一緒の扱いになってます。
 日常の掛け合いは印象が薄く、具体性がほとんどありません。各ヒロインに専用シナリオがない以上、当然かもしれませんが、けして誉められたことではありません。結果的にキャラ立ちも弱く、属性以上の個性は乏しく感じます。
 このような有り様なので惹かれあう過程を望むのは酷です。主人公が覚えていないほど昔に会った時からずっと好きか、よくわからないけど好き、という按配です。主人公の方はHできるから好きになる、という具合です。
 Hシーンは主人公の態度が普段とは違う感じ。急に発情して襲いかかるので人格が異なるようにさえ見えます。CGの差分のみが変わって連戦することもしばしばでくどく感じられることも。また、数は少ないですがCGとテキストで内容が合致していないことも見受けられました。エロ度はほどほどというところ。回数は独断と偏見で8~11回。ヒロインによって差があります。次女がやや多く、他はあまり変わりません(サブヒロインは1組としてカウント)。全く同じシチュエーションが姉妹それぞれに用意されているあたり、賛否が分かれそうです。

 CGはさすがのエロさで見所の全てと言っても過言ではありません。エロくないCGを探す方が難しいくらい。原画家のファンでなくとも惜しみない拍手を贈りたくなる、それほどの仕事をしていると思います。ただ、CG枚数で考えると5人はやや多いかもしれません。シナリオの件を踏まえても三姉妹だけでも十分だったのではないでしょうか。
 立ちCGもイベントCGに負けない魅力を放っています。見劣りすることなくHシーンへの期待を高めてくれる仕上がりになっているかと。
 HシーンはCGの全てと言ってもいいくらいの量を占めています。よって上述した内容と被りますが、大変エロいです。原画(CG)のみでここまでのエロさを醸しだせる作家は貴重だと思います。

 音楽は可もなく不可もなくといったところ。ゲームの進行を邪魔することもありませんが、印象に残ることもないといった感じです。
 ボイスは主人公を除いてフルボイス。演技の方は問題なく、声もキャラクターに十分、合っています。

 まとめ。原画買いにのみ光明を見出せる作品。それ以外になにひとつ期待しないことが少しでも楽しむための秘訣だと思います。
 お気に入り:特になし
 評点:60

 キャラ別感想はありません。