炎の孕ませ乳(パイ)ドルマイ☆スター学園Z~クラス丸ごと”アイドルユニット!” クラス全員”孕ませプロデュース!”~(SQUEEZ)
親に反発したはいいものの、目指す道を見失いかけていた星咲北斗(下の名前のみ変更可能)であったが親の陰謀もあって妹が入学したアイドル名門校銀綺羅学園に入学させられてしまう。しかも、プロデューサー科に。それは拒絶したい父親と同じ道であったが、けしからんおっぱいのアイドル候補生(現役含む)に囲まれているうちにその気になってしまう。果たしてクラス全員を孕ませプロデュースできるのか。
SQUEEZの新作は炎の孕ませシリーズ最新作。時流に乗ってかアイドルものです。しかし、おっぱい重視であることはこのシリーズのお約束として変わりありません。そして、これで3本連続でシリーズタイトルが続いています。今後どうなっていくのでしょうか。今回はオープニング曲に色々と力が入っていることもあってディスク2枚組です。主題歌のほか、これもSQUEEZでは珍しく原画集・秘蔵ラフが収録されています。
購入動機はブランド買いであり、タイトル買いであり、原画買いです。
初回特典が珍しくついていて、先程のディスク2枚目がそれに当たります。
ジャンルはいつものように孕ませアドベンチャー。当然、孕ませるまで、が基本です。それ以降はエンディングとなります。
恒例の新システムは本作でももちろん、あります。
「どっきりマル秘奇襲エロレッスン・ボタン」。これは二作前の「炎の孕ませおっぱい乳同級生」にあった「おっぱいセクハラバーストボタン」の進化(?)版です。あれと同じくボタンが点灯していればいつでも受け持ちのアイドルたちにレッスンを行うことができます。名称にはありませんが完全にセクハラです。しかも、今回はレベルがあって4段階目のMAXになるとHにまでエスカレートしてしまいます。その代わりなのか、以前とは違って決まった衣装の時にしか点灯しなくなりました。事情はわかりますが、相手の衣装によって可能だったり不可能だったりするのは純粋に不自然で、衣装的な意味でももったいなく残念です。
点灯時ならいつでも可能ということで今回も当然、本筋のシナリオに対する細かなフォローはありません。その割に奇妙な配慮のようなものはあって、画面に2人以上が表示されているとレッスンは可能ですがなぜか、Hにまではなだれ込めません。ちなみにこれはあくまで画面上の話で、明らかに他のヒロインがすぐそばにいても、画面上に映ってさえいなければHまでいけます。とても不思議な現象です。
鑑賞モードへの登録方式も変わりました。以前はCG鑑賞のように登録されましたが、今回はシーン鑑賞のように登録されます。感覚的にはフリープレイみたいな感じです。
「炎の中出し射イニングツアー」はアイドルものらしくライブ公演を行っていることを視覚的に示したもの。もちろん、エロゲーなのでこれはそのままHシーンにも繋がっています。条件を満たせばライブチケットを各ヒロイン、ユニットごとに入手可能。またHシーンがない会場もありますが、これはヒロインのパラメータを上げるために用意されています。ツアー画面は定期的に現れます。
「炎の中出しアイドルランキング」はヒロインたちのグループユニット「孕ませギンギラZ」(変更可能)の人気を示したもの。エンディング条件にも関わっているらしいですが、普通にプレイしていれば多少は上下はすれども順調に上がっていくので雰囲気の一環くらいでしかありません。
「孕ませおっぱいアイドルブログ」は以前の手帳の役割を持っています。ヒロインたちの様々なデータやエンディング確認ができます。基本1周でほぼ終わらせることが可能な作品なのでこういったものが目に見えるのはありがたいです。
足回りは相変わらず進歩していません。メッセージスキップは既読未読を判別して高速ですが、日付表示が飛ばしたりそうでなかったりするので体感的にはそれほど早くありません。ただし、プレイが順調であればスキップはあまり使用する機会はないでしょう。
バックログは別画面にて行います。ホイールマウスに対応、ボイスのリピート再生も可能でかなり戻ることができます。ただし、選択肢が表示されている時はホイールからの起動は出来ません。また、起動時に発声中のボイスがカットされてしまうのが残念。ロード直後にも使用できます。「どっきりマル秘奇襲エロレッスン」時にはバックログの機能は使えません。
メッセージ速度の変更にも複数の手順が必要で、ノーウェイトにしようとしても最速に合わせただけでは地の文しか反映されず、初期状態でチェックの入っている「音声と文章を同期」を外す必要があります。
クイックセーブしたデータはゲームを終了すると消滅してしまいます。当然、タイトル画面からのクイックロードもできません。
シナリオはアイドル養成ということで3年間あります。シリーズ基準で考えるとかなり迂遠な気がします。1イベントでおおよそ2週間くらいが経過しますが、「炎の中出し射イニングツアー」など例外もありなかなかに長丁場です。
これまでとは違ってお気に入りのヒロインを好きな順で攻略する、というスタイルではなくなりました。ひたすらに表示される小イベントの選択肢を選んでいく形です。これに伴ってか個別シナリオが事実上なくなりました。けしてキャラが立っていない訳ではないだけに、キャラの掘り下げが弱くなるこの処置はひたすらに残念です。また、プレイ中の起伏が少なく平坦に感じやすいためモチベーションが保ちにくくなっています。
テキストはこの手のゲームにもかかわらず複数ライター制の弊害が出ています。担当はわかりませんが、主人公の態度がフラフラして安定しません。やたらと丁寧になったり、逆に横柄になったりと言葉遣いも違って明らかに不自然です。加えてアイドルものなのに、やたらと現実的な描写が散見されます。馬鹿ゲーに相応しくないノリを要所要所で持ち込まれるため違和感を感じやすいです。言うまでもないでしょうが、それ以外でもツッコミどころは満載です。
妹以外は全員、初対面ですがいっそ見事なほど主人公は初手から好かれています。信頼もバッチリと。このシリーズ特有と言えばそれまでですけど、すでに書いたようにところどころに入る現実的な描写のために気になることが多くなってます。当然、惹かれ合う過程もありません。
さらに設定上の食い違いも見受けられます。例えば見た目は清純派なヒロインたちを主人公だけが独占しているという構図ですが、それでいてデフォルトのユニット名は孕ませギンギラZですし、オープニングの歌詞には「握って」や「しゃぶって」といったどう考えてもアイドルが歌うとは思えない単語が乱舞しています。こういったところも馬鹿なだけで押し通せずに醒めさせてしまう要因です。
Hシーンはすでに書いたようにシーンごとに主人公の姿勢や態度が異なるので戸惑うことがあります。このシリーズの基本、強引であることを踏まえていればそれほどおかしく思うこともありません。それなりにエロいです。
難易度はかなり低くなりました。ほぼ考えなしにやっても問題は少ないでしょう。その証拠にヒントはなくなっています。
CGは変わらず高水準、いえさらに美しくなっています。SQUEEZらしい明るい塗りも健在です。ジャンルだけではなく、CGでも独特の雰囲気を生み出しているのではないでしょうか。通常CGがほとんど見当たらないエロに特化した内容にはスタッフのこだわりを感じます。構図も考えられていて極力、似たものが少ないよう工夫されています。また、全ヒロインにアイドル衣装Hを用意するなど素材を無駄にしないあたりも見事です。ただ、個別シナリオがなくなったことで個別エンドの意味が薄れてしまったのは残念です。
立ちCGも表情豊富で非常に可愛らしく「どっきりマル秘奇襲エロレッスン」がしたくなるように仕上がっています。
恒例のテック@フルアニメーションS1024はもちろん健在で、いやらしく動いてヒロインのエロ度を高めています。各ヒロインひとつずつ用意されていて、鑑賞モードではアニメのみを見ることも可能です。
音楽はやはり主題歌が頭ひとつ抜き出ています。デモの効果もありますが、これまでとは違った方向の存在感を見せています。ただひとつ、残念なのはこのアイドルものの設定で主題歌をヒロインである声優たちの合唱になっていないこと。これは本当にもったいないと思います。単純に10人というパワーだけでもすごいであろうだけに惜しまれます。
通常の曲は曲数は少ないながらも一定のレベルは保っています。相変わらずジャンルに相応しくないような普通っぽい曲も用意されています。
ボイスは女性キャラのみフルボイス。主人公を含めて数少ない男性キャラには邪魔だとばかりに収録されていません。デフォルトネームに対するフォローはなし。演技の方は特に問題なく、キャラ同士で声質の被りもありません。久我山奈々子役の佐倉もも花さんがキャラの個性もあって印象に残りました。
まとめ。企画は良いのにもったいない作品。前作よりは良いですが、それでも順調に進化しているCG方面に対してテキストが足を引っ張ってしまっています。システムと絡んでダラダラとプレイしてしまうゲーム構成には難があると思います。意味がない選択肢も困りものです。流れの中で完全攻略、と表示されるのでは達成感も薄いです。今回はアイドルものだけに余計にそうしたイメージが強かったのではないでしょうか。
お気に入り:久我山奈々子、如月空
評点:70
以下はキャラ別感想。ネタバレ要注意。
1、星咲姫(A:79)
犬、だよなぁ。そこは考えないようにしないとどうにもアウトです。実際に犬を飼っているのも無関係ではないかもしれません。実妹がいると妹キャラは無理、という現象と似ているのかも。
2、如月空(F:81)
引きこもりが下から2番目。人間としてはドベ。意外にも常識的でびっくり。まぁ、スタイルはいいのであくまで他と比べれば、ですけど。ニートと言っても仕事はしているし(エアさん関係)、コンビニにも行っているので廃人度はかなり低め。ちゃんと客観的な目線も持っているので属性的にはとてもぬるいです。
奇襲エロレッスンが最も馬鹿っぽくて良い感じでした。
3、雛形こばと(I:84)
サイズを見てわかるとおり背がかなり低いです。なんと144センチ。姫よりも小さいです。数値はそれほどでもないですがカップはご覧の通り。並べる順もちょっと迷ってしまいましたが、まぁ数字の方を重視して。
最も好かれている理由がわからないヒト。好意は嬉しいがなぜにそこまで? という疑問でプレイ中は一杯でした。ぬいぐるみはほとんど意味なかったですね。
4、星咲天音(H:89)
主人公とは義理の兄妹。にもかかわらずロックがかかっていて主人公がなかなか手を出さない。こういうところが本作の雑音となって邪魔している感じでしたね。馬鹿路線で進ませてくれない。度々、現実に戻すような描写が書かれるのは困りものでした。一緒にお風呂に入るのに手は出さないとかどうなっているんでしょうね。そのくせ、たいした意味もなく中盤で手を出すし(恐らく単にフラグが立ったから)。
えこひいきぶりによって他のヒロインからも顰蹙を買っているあたり、とても微妙でした。やっぱりというか、SQUEEZが推すヒロインはいまひとつになることが多いですね。
5、黒木シオン(G:90)
つまらない訳ではないんですけど、どうも中途半端ですね。結局、何をしに来たのか、その目的がわからない。少なくとも、主人公に孕まされるのは当初の目的ではないと思うんですけどねぇ。組織というのは本物なのか、なんちゃってなのか判然としない。そのせいで面白さも宙ぶらりんになってしまっています。もうちょっとはっきり背景がわかると良かったんじゃないですかねぇ。ま、掘り下げがほとんどないのは全キャラ同じですけども。
6、南波愛沙(M:99)
悲しいほどに知能指数が低そうなのが魅力。典型的な栄養が脳に行かずに胸に、と悪口を言われてしまう気の毒なタイプ。奈々子に絡む時は面白いこともありましたが、全体的にはすべり気味。セクハラでどんどんとエロに対する抵抗が奪われていってしまうあたりが見所なんでしょうか。チア部なんですけど、衣装以外に意味はほぼありません。まぁ、エロに活用されていればいいですか、そうですか。
7、久我山奈々子(K:100)
最もキャラが立っている会長サマ。わかりやすいツンデレが効果的に機能しています。誰とでも絡ませやすい使い勝手の良さが魅力です。実際リアクションの良さは本作随一ではないでしょうか。しかしながら、声優としてのらしさはあまり出ていなかったように思います。
8、五十鈴川秋乃(P:115)
こうして見ていくとわかるのですが、胸が常識はずれに大きいのはここからの3人だけなんですよね。全員100センチオーバーの「炎の孕ませおっぱい乳同級生」に比べるとかなりおとなしい感じです。
親にアイドルへの道を許されるかどうかが全く問題にならないあたり、本作の個別シナリオのなさを表していると思います。
9、松田勇歌理(S:120)
元プロデューサー科の人間なんですけど、彼女が担当していたアイドル候補はどうなったのでしょう。結構、無責任ですよね、ゆかりんは。こういうところが気になってしまうのが本作の残念なところ。
10、逢沢桃夏(V:129)
他がそうでもないだけに異常な数値が際立ちます。もう次回作あたりではZカップが出てきてしまうかもしれませんね。で、グラビアアイドルというのはかなり安直ですね。エンディングでも大成するのは他のヒロインばかりでちょっと悲しい気もします。