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あまりにレベルの低い本を読むと頭に来るものだ。読んでいる本を捨てたくなったのは、赤川次郎氏の小説を読んで以来久しぶりのこと。
著者の矢追純一氏とは何者なのだろう?ここ数年民放のテレビ番組はまったく見ないといってもいいくらいなのでよく解らないが、元日本テレビでプロデューサということなのでそれなりに一般に名の知れた人なのだろうか?
本を読む限り「この人ひょっとして知恵遅れなのでは?」と思えるほどひどい。これでよく地球環境財団の常務理事などが勤まるものだと感心するし、この人を常務理事にしてしまう地球環境財団なる団体の知性と品性を疑ってしまう。
- この本が一体何を言おうとしているのかが不明。論旨がバラバラ。このようなつたない編集力でなぜ番組ディレクターが勤まるのか謎。
彼が手がけているような粗悪なテレビ番組(実は見たことはないのだがそうにきまっている)には結論なんて必ずしも必要ないだろうから、そのままのことを本でもやっているというだけのことか?
- 科学の基礎がまったく理解できていない。最近大学生の学力不足が問題になっているが、そういう「知恵遅れ」の学生が低学力のまま大人になると、たぶんこういうふうになってしまうのだろう。
- 書いてあることがいちいち馬鹿げている。
「カラスは死ぬと死体は煙のように消えてしまう」「科学はHow?を探究するもので、Why?は科学の範疇ではない」挙げ句のはてに「地球はあきらめて人類は宇宙に移住せよ」とは...開いた口がふさがらないとはまさにこのことだ。
- タイトルの「カラスの死骸はなぜみあたらないか?」という疑問に結局答えていない。答えきらないならこういうタイトルをつけてはいけない。これは反則だし、読者に対して失礼だ。
読むに値するような本ではなかったのに、動物行動学っぽいタイトルにつられて取り上げてしまった私が悪い、ということなのだろう。
こういう粗悪な書物が出版されて、日本国民の頭をますます混乱させているのだ...と思うと非常に腹立たしい、嘆かわしい。
私がショックに感じたのは、テレビ番組を作製する際の指導的な立場にある民放の番組ディレクターの中に、これほど知能の低い人が実際にいて、活動している、ということで、「テレビばかり見ていると馬鹿になる」という戒めが非常に真実味を帯びたことのように思われてきたからだ。
テレビ番組は選んでみないと馬鹿になる。
多くの人がまともに考える力を失ってしまうことは、考えようによっては環境問題などよりもよほど恐ろしいことだと思う。
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