承前 宋史日本伝の異同

投稿者[ やまし ] 発言日時 [5月7日(火)07時47分16秒]

>> >>まず、7字中1字の次清音は変ではありません。
>> >>いい加減な計算をしてみましょう。

私が「いい加減な計算」といっているのは、
自分が試した計算は本当は意味がないと思うからです。
もし、こういう議論をきっちりやりたいならば、
それぞれの漢字がどういう漢字に誤りやすいのか、
そしてそれはどのくらいの割合なのか調べないと意味がありません。
「へん」はちがっても「つくり」が一緒だったら音に影響がないとか、
誤りやすい字が顕著にあるためです。
しかし、調べればすぐに分かると思いますが、間違うかどうかは
(1)資料の確実性
(2)転写する人物
にほとんど依拠しているだろうということです。
もし、この2つが揃えば、ほとんど誤写はないだろうし、
1つでも駄目なら誤写が多くなっても不思議はありません。

多くの転記を重ねたと考えられる場合には、写本ごとに信頼度を測るべきであり、
全体的に多くの誤記が見つかるようなら、その写本の信頼度は低いといっても
良いと考えます。

マルセさんが示された数字についても議論をしたいのですが、
まずいくつかの点について確認させてください。

(1)宋史における誤字率の内訳を教えて下さい。
自分が調べたところ、異同は以下のようなものでした。

[地名]
正解 百納本 開明書店版
北陸 北陸 北六
隠岐 隠伎 隠伎
讃岐 讃耆 讃耆
壱岐 壱伎 壱伎
播磨 播麼 播麼

近江 通江 通江
丹後 丹彼 丹彼
但馬 徂馬 徂馬
若狭 若狭 狭
山陽 小陽 小陽
美作 美竹 美竹
紀伊 伊紀 伊紀
阿波 河波 河波

誤字(152字中6字)
「近−通」「後−彼」「但−徂」「山−小」「作−竹」「阿−河」
脱落(152字中1字)
「若狭−狭」
逆転(152字中1ケ所)
「紀伊−伊紀」

(2)三国志の誤字率と宋史の誤字率の比率を1〜3倍とする理由は以下で
良いでしょうか?

>> また、宋史は約650年前ですが、三国志は1700年以上も前の本ですから、
書写された回数を考慮すると、三国志の誤字・誤刻の比率は、少なく見ても宋史程度
の10%くらい、多く見ると宋史の3倍の30%程度あると考えても間違いとは
言えないでしょう。

参考
[天皇名]
正解 新唐 宋史

(唐)
敏達 海達 敏達 唐
推古 雄古 推古 唐
持統 手忽持 持手忽 唐
淳和 浮和 淳和 唐

(宋)
安閑 安閑 安開
光仁 白壁 白璧
淳仁 大炊 天炊

(両方)
孝安 天安 孝
元明 阿用 阿閉
元正 * 皈依

(斉明 天豐財 天豐財)
(称徳 高野姫 高野姫)
(平城 諾樂 諾樂)
(孝謙 孝明 孝明)

57天皇(116字程度)

「閑−開」「敏−海」「推−雄」「統−手忽」
「用−閉」「大−天」「淳−浮」

誤字(?) 新唐書4−8字、宋史3−6字



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