元の発言 [ Re: 魏誌韓伝の国名 ] お名前 [ ピクポポデミ ] 日付 [ 8月7日(水)14時21分16秒 ]
>> 遊惟さんは、言語は何かの外的な理由がないと変化しないと考えられるのですね。
外的要因がなくてもゆっくりとは変化しますが、大きな変化はなかなか起こらないと考えています。特に音韻面に於いては。
>> これはとても興味深いです。
>> 理由はなんでしょうか。
>> 山東省の言葉と朝鮮語の語彙に共通性があるとか言う話は聞きましたが。
まず、地理的に近いと言うことです。山東半島の先端から朝鮮西岸までは150キロほどの距離ですが、黄海は浅く波静かで朝鮮海峡を渡るほど困難ではなく、古代の技術でも簡単に行き来できたと思います。
私も仁川から天津まで船で黄海を渡ったことがありますが、ほんと波穏やかでした。日清戦争の故事を歌った軍歌「勇敢なる水兵」の歌詞にも「煙も見えず雲もなく風も起こらず波立たず 鏡の如き黄海は・・・」という歌詞があるくらいです。(^ヘ^)
言語的には、山東方言はk音が目立つ方言であり、万葉仮名に使われる「伎」という漢字を、ki(gi)のように発音するのはこの周辺の様です。
(日本で「餃子」を「ギョーザ」というのも山東方言からきたらしいです。)
鴨緑江の北は万里の長城の外の当時の中国にとっては化外の地であり、特に高句麗が建国されてからは簡単には通れなかったはずで、一番近い山東出身の者が楽浪郡や帯方郡に派遣されたのではないかと考えるのが合理的ではないでしょうか?
>> 唐代以後韻書はその時代の言葉を反映しなくなったと聞きました。
>> それ以前の漢字音の研究には韻書や詩の押韻が調べられているようですが、
>> これらも意味の無いことでしょうか。
>> 唐代以前の詩とその作者の住んでいた場所から、古い方言を研究する話がありましたが・・・
私が「方言」と言っているのは話し言葉のことです。
押韻などで個々の漢字の方言音はある程度わかるでしょうが、語彙・文法・音韻面でどんな言葉を実際に話していたかはわからない、ということです。
実際、現代の台湾語や広東語の話言葉には漢字では書けない単語や音節があり、広東語では無理矢理文字を作っていますが、そういうことは昔にもあったと思います。
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