中国出張日記(第2週)


  • 12月6日(月)
     中国での初出勤である。聞けば何と私に対する高田さんの期待はかなり大きかったらしく私の話を聞いて落胆の様子がありありと伺える。しかし、私とて自分がこの中国で使えるやつとは思えないのでまあこんな物だろう。私の話を謙遜と受け取ってはいないかが心配である。
     作業はというとこれがまた何もない。暇のままに一日が終わる。
  • 12月7日(火)
     今日はTS局のFM増設の為のPatchを作った。午前中これで終わった。午後は昨日の如く暇である。しかし、夜にはTSのFM増設を行った為、ちっとは仕事したかな?という感じである。
  • 12月8日(水)
     局にでて早々に33局にいる高田さんから呼ばれて中野さん井谷さんの二人が33局に行ってしまったのでほぼ一日一人で過ごした。仕事らしい仕事は無いので工事図面などを眺めていたが、かなりの苦痛であった。なにせ図面を見ても何をすべきかが全く浮かんでこないのだから。そのまま一日が終わってしまった。今日から始める予定だったTSの工事についてTSの人に聞かれたが何も分からない。だって何も知らないのだもの。だいたいそれを聞きにわざわざホテルまでくるか。明日、高田さんと相談して回答するといって帰ってもらった。
  • 12月9日(木)
     昨日の回答の為に午前中は高田さんと共にTSにいた。相変わらず仕事らしい事は何もしていない。只、当初予定していた私の担当局が増設の22局から新設の35局に変更された。この局は電力の関係で未だ通電はしていないらしい。電源投入からやれると安心していたらさにあらず、電源投入前に確認すべき事が大量にあるらしい。取り敢えず局舎を見てこいと言われて行ってみればジャンパーの工事等が行われておらず、聞けばそこから始めるのだそうだ。困った。
  • 12月10日(金)
     今日は給料日である。まあ関係ないか。今日は水曜日にも増して暇である。朝からずっと一人だ。 何もしていない。本当に何もしていない。私は一体中国まで来て何をやっているのだろう。暇つぶしなら日本に居たほうがよっぽどつぶし甲斐があるという物だ。まあ月曜日には35局の工事が始められるというから、まだいいか。
     晩飯を食べる為にエレベーターに乗ったら、一階と二階の間で止って扉が開いた。もちろんコンクリートしか見えない。インターフォンで呼んでも英語も日本語も通じない。扉を閉めようとしても完全には閉まらず動けない。6階のボタンを押したら扉が閉まりながら上に動いた。ようやく出れたがその箱で下に降りる気にはなれず、違う箱で降りる。
     外で盛んに花火が上げられている。何だろうか?
  • 12月11日(土)
     昨日と同じ。何もしてはいない。夕方ホテルが停電になった。エレベーターに乗ろうとした矢先の出来事である。危うくまたしても閉じ込められるところだった。
     そろそろ洗濯物も溜まってきたので洗濯をした。疲れた。文明の利器とはなんと素晴しいものであろうか。  明日は休んでいていいそうだ。そりゃそうだろう。仕事ないのだから。月曜日からはやはり35局にいくようだ。バッテリーが不具合らしいのだが私に何をせよというのだろうか。まあいいか。
     夜利根川さんから電話があった。しきりに同情される。最近ひとりっきりなのですごくうれしい。 他愛のない話だけだったがちょっと精神的に安定した。
  • 12月12日(日)
     退屈だ。昨日洗った洗濯物がまだ乾いていない。退屈だ。温州に来て丸一週間たった。忙しければ何も考えないだろうが、こう暇だといろんな事を考えてしまう。まだ日本を出て十日も経っていないのに日本の事ばかりを考えている。思い出していると言ったほうがいいかもしれない。ホームシックみたいなものだろう。
     帰る頃にはこの中国日記も10枚位になっているだろう。ああこの先の長いこと長いこと。

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