年明けに読もうと思っていたのだが、つい読んでしまった。
前に読んだ「光の帝国」の中の一編、「オセロ・ゲーム」の続編。今度は長編で。
前作の後の話ではあるが、以前は曖昧にされていた夫の失踪、敵の正体、などが多少は描かれる。今度は意識不明になった母親を巡り娘が戦う。その中で出会った人々は敵か見方か。
著者デビュー2作目。14年にしてやっと文庫化。文庫化されなかった理由がすごい(あとがきを鵜呑みにするならばだが)。そんな理由で文庫化しないならば、世のSFなんてほとんど絶版だ。ケータイの出てこない本も絶版だ。アホらしい。
ま、こうして読めるのは取り敢えずなにより。
デビュー作「ぼくのミステリな日常」に引き続き若竹七海が主人公。クリスマスイブの約束を目前にして自殺を図った友人。そして遺書とも告発ともとれる手記が届けられる。さて、友人は本当に自殺だったのか?理由は何だったのか?それとも他殺?ってな話。
第一回本屋大賞受賞作。
切なくて哀しい話。ミステリではない。
事故にあって、記憶が80分しか維持できなくなってしまった数学者。そこに派遣された家政婦とその息子。3人の交流と結末。これは<オススメ>
幕末の4人の男たち。いや、新撰組だの志士だのではなく、藩主たち。
それぞれの視点で見た4編。
前に読んだ「スカイ・クロラ」の続き。ではなく、シリーズ。時間的には「スカイ・クロラ」の前の話か。相変わらず世界観がはっきりせず。まだ続くようだ。
シリーズ短編集。
小さな小料理屋の板前、轟桃次郎。店を守るため、大手料亭の名だたる板前たちと料理勝負を行う。
それはそれとして。証拠が無いために逮捕されない犯人。未成年であるため逮捕されない犯人。心神喪失のため処罰されない犯人。彼らが次々と何者かに殺されていく。さて?
大学時代に仲良し5人組。
一人が自殺した。「私を殺さないで」という葉書を残して。
それぞれが自殺の原因を探し求める。そして結論。青春小説ですって。
前に読んだ「朽ちる散る落ちる」のシリーズ。しかもシリーズ最終話。連続殺人事件。死体はペンキでそれぞれ赤、緑、黒、そして白に塗られていた。
さて、次に新シリーズが控えているようだが、そうしようかね。
ずーっと前に読んだ「奇跡島の不思議」のシリーズ。
宇宙人に連れ去れた記憶のある人の過去の事件の真相を探る。その過程で関わる怪しい宗教団体。宇宙人関係の記憶や経験を持ってる人ばっかり集めてる(わけではないようだが)。
過去の事件の真相と現在の事件の真相、そしてそれを繋ぐ糸。
発売日の朝、本屋に行く。レジ前の平台の角に2列積まれている。が、よくみると両方とも下巻(表紙は淡白な色使いで非常に似ている)。不届きものが手に取ったあと適当に戻したのかと思いきやそうでもなさそうで、何冊か見たがやはり下巻ばかり。上巻だけ先行入荷というならありそうな話だが、下巻だけってのは理解し難い。とか悩みつつ本の山を横から見てみると(端だったもので)、下半分には上巻が置かれていた。2列目の下は見えないものの、恐らく2列とも下半分に上巻、上半分に下巻が置かれている様子。なので、苦労しつつ上巻を掘り出し、上下巻2冊持ってレジへ。そして「同じ本2冊でよろしいですね?」と念を押される。どうやら店長さん(名札による)は上下巻だということを知らなかったようだ。なるほど、だからあんな積み方になったのね、と思った次第。そのご積み直されたかどうかは知らない。
さて、本の内容である。
V.ファーという英国と日本の文化の入り交じった国(地域?)。その中の閉ざされたアナザー・ヒルと呼ばれる彼らの聖域。そこで行われる行事「ヒガン」。ヒガンでは死者に会えるという。初めてヒガンに参加した青年の体験。
殺人事件やらなんやら起こる訳だが、ミステリーというよりは幻想小説、あるいはファンタジーか。
それにしても、世界観がすごい。違和感ありまくりである。勿論、そう感じられるように書いているんだろうけど。
んんん〜。
不可解な連続殺人死体遺棄事件。謎の美少年。様々な性癖の持ち主。断片化されたエピソードがやがて一つに収束されていく。んだが、ラストはどうもね。ちょっとね。歯切れ悪いけど。そういうことで。
ん〜。
ひょんなきっかけで俳優のマネジャーになってしまった主人公。周辺で起こる殺人事件と恋の行方。ってな話ですが、なんかね。ちょっとね。
こないだ読んだ「銀河ヒッチハイク・ガイド」の続き。終わったのかな?
前に読んだ「なみだ研究所へようこそ!」の続き。前作でサイコセラピーの店(?)を後進に譲った伝説のセラピストが警視庁特捜班に雇われ、プロファイラーとして迷宮入りの未解決事件を解決していく、シリーズ短編集。
なんかよくわかりません。コメディーSFの名作だそうですが。
ま、現実にあるのか無いのかよくわからない物理学的つじつま合わせとかは全くない。展開がハチャメチャでついていきがたい。SFといえばブラックユーモアなんだが、英国的ユーモアは日本人が日本語で読んでもどうなのか。
設定がハチャメチャで愉快は愉快なんだが。
ヤクザに追われてベトナムに潜伏しているチンピラ。
現地で出会った青年たちと、日本に向かおうとする。ベトナム人は一攫千金の夢を追い、主人公は愛する人の元に帰るために。さて、どうなる?のサスペンス。やるせねぇ。
読むのにやたらと時間がかかった。
これまでにあちらこちらに書き散らした(失礼!)エッセイやら誰ぞの本の解説やらをまとめた、文字通り「小説以外」。
だから、内容は統一性に欠ける。堅めのエッセイの後にくだけた解説があったり。もちろん、それぞれの文章は本来あるべきところではあるべき形なんだろうけど、それらをまとめて持ってこられると非常に疲れる。いや、つかれた。
建築探偵のシリーズ。これまでの長編の隙間を埋める短編集。
あの有名な直木賞辞退作。この騒動で直木賞(というか、選考委員の一部)が徹底的に嫌いになった。
それはそうと。
痴呆症の妻を殺したと自首してきた警官。殺害から自首までの空白の時間になにがあったのか?という話。
それぞれの時系列(警察、検察、裁判所、拘置所)でその担当者が語りて。事件だけでなく、まわりでうごめく大人の事情とやら。主人公(?:事件をおこした警官)の気持ちとはともかく、周辺はなかなか嫌な話ではある。現実もこんなものなのか?で、久しぶりに<オススメ>
10巻が出てから6年経ての続刊。しかも出版社も版型も変わっている。1巻からは実に20年の歳月が流れている。ま、いいか。
内容は・・・、有名だからいいか。しかし、6年も置かれると復習が必要。
森江春策の連作短編集。彼の高校生時代から大学生時代、記者時代と年代の順に彼の探偵としての活躍が描かれる。
猫丸先輩の短編集。1編は書き下ろしなんだけど、それ以外は全部メフィストで読んでた(泣)。というか、判っててかったんだけどね。
古今東西の探偵小説のパスティーシュ集。ルパン、ホームズだけでなく金田一耕助とかファイロ・ヴァンスとか色々。
ずーーーーと前に読んだ「八月は一夜限りの心霊探偵」の続き。2年も出ないから、もうやめちまったのかと思ってました。二学期編開始ですって。次は体育祭と文化祭だそうで。やっと半年分できあがりましたね。一年いつ完結するのかな?
下(↓)に書いた本、帰るまで読み切らないと踏んでいたんだが、朝医者に行ったらやたらと待たされたのでうっかり読了。帰りの本確保のため慌てて本屋に飛び込んで購入した次第。
この人の本、ほんっとに久しぶりに読んだ。小中学校あたり以来でしょうか。それにしても楽しく読めました。他のショートショートも読み返してみたくなりました。
本を書く人、書かせた人、書かれた本、なんかが入れ子になってます。手法はいつものごとく。
昭和一桁あたりに書かれた推理小説。短編集。
昭和初期の風俗など精通しているわけではないのでやや読みにくいのだが。インチとセンチが混在してたりするんだが、そのころはインチ・フィートなんか使ってたのかしら?
それにしても、昭和初期にこんな本が書かれていたなんてびっくりではある。
旦那の借金返済のために某お金持ちの屋敷で家政婦として働く主人公。当然その屋敷で殺人事件が起こる。「家政婦は見た!」って感じ。それにしても全体的な雰囲気というのはこの作者としては珍しいんではなかろうか。中途半端なラストだな〜とか思っていたんだが、きっちり解決されたりして。
首を断ち切られた6体のお地蔵さん。首が一つ見つかるたびに殺人事件が起きる。というか、殺人事件現場で首が見つかる。それぞれの事件が独立した短編として描かれる。そして大団円。
前向性健忘。ある時点までの記憶はある。ただ、その後の記憶は都度なくす。ある時点からしばらく経つとそのある時点から現在までの記憶を無くしてしまう。おそらく主観的には時間が巻き戻されるんですな。あくまで自分の記憶の範囲で、ですが。
さて、彼は別に主人公ではない。主人公は若い男女。彼らが14年前に巻き込まれた未解決の放火殺人事件。それを蒸し返す男女が現れたとき、事件は改めて動き出す。
前に読んだ「失踪症候群」「誘拐症候群」のシリーズ。
なんかとっても嫌ぁ〜な話。罪に問われない殺人者、未成年。殺された人々の恨みを晴らす殺人請負業者、それを追う非合法捜査員。何の救いもない。
前に読んだ「狂笑面」の続き。というか、シリーズ短編集。
今回も現実の事件と絡み合わせて民俗学上の謎も解いていく。
事件の方はともかく、民俗学的謎については現実の物かどうかはわかりませんが、その謎解きは鯨風でもある。
だんだんつまらなくなってくるのは気のせいか?長いシリーズ物だから飽きてるだけか?
シリーズ中の1本。なんだけど、これは前に読んだ「六人の超音波科学者」の続編。最初の方に挿入されている屋敷(というか、研究所)の見取り図に見覚えがあったので、?と思った次第。途中までは編集ミスだと思ってました。
作者曰く「基本的に悲しいお話」だそうで。
不運な身の上で江戸から金比羅山参りに向かい、途中瀬戸内の小藩で放り出された少女。偉い医者の屋敷に拾われ下女として働く。そして江戸からの流刑人を受け入れることになった藩。
人々の思惑が絡み合い起きる事件、翻弄される少女。そして・・・。ってな話。
人死に過ぎではありませんか?
未来の話。宇宙ステーションで生活する人々の睡眠時間が急激に減少している。やがて地球上でも同様な減少が起こっていることが判明する。その原因を探るステーションの科学者たち。そもそも睡眠とは一体なんなのか?
別に話が一転二転するわけでもなし。主に台詞の応酬(ディスカッションか?)でだらだら話は進む。
ハードカバーで読んだのは高くついたな。
久しぶりの天童真。蔵書の山の中から発掘できたので読む。
日本シリーズ間近に出場チームの監督が失踪する。失踪したチームのコーチから極秘に監督を探してくれと頼まれる。そして更なる事件が。
ま、スポーツ関係には全く興味がないのだけど。それはそれ。
イングランドのお話(だっけか?)。西洋史には疎いので(ほかも疎いが)時代的にはどこなんだか。少なくとも戦争は弓矢で行っている。
時代背景はともかく。侵攻してきた勢力が城塞を落とす。最後まで抵抗した人たちを処刑する。修道僧が処刑された人たちを葬ろうとやってくる。死体が一つ多いんですけど?ってことが発端。タイトルから勝手に想像したのとは違うね。どう想像したかは言わずもがな。
なんか切ない話でしたが。
私立探偵の夫が失踪、その後夫の帰りを待ちつつ探偵業を維持している妻の話。短編集。後半ともなると失踪した夫の影がちらつくので何らかの大団円を迎えるかと思いきやそのままばっさり終了。
ま、夫の話も別途用意はしてあるらしいのでそれも期待。
マスグレイヴ館の謎を解いたものには一千万相当のお宝が手に入る、というイベント。マスグレイヴ館は孤島にある。
事前準備(および下見)に訪れた一行、登場人物紹介が終わったところで一部の関係者を島に残し、本土にある宿泊施設に戻る。そして嵐。そして事件。やがて再訪した島での惨劇。
主人公の独り言が気になってたんですが。
前に読んだ「黒い仏」の続き(なのかな?)。取り敢えずはあの路線ではなく戻ってきた様なので一安心。
他に「樒/榁」も併録。要するにノベルス2冊分が文庫1冊になっている。
14年前に起こった事件。それに巻き込まれた人物が事の顛末を小説として発表。しかし、小説の内容と事件の真相に疑問をもったある出版社が主人公に14年前の事件の再調査を依頼する。
小説の内容と、実際の調査の様子が交互に描かれ物語は進行する。
「樒/榁」の方は、「鏡の中は日曜日」の過去の事件の探偵役と主人公のかすかな出会いを描く。
これは「猫探偵正太郎シリーズ」の脇役をつとめる浅間寺のおじさまが主人公で探偵役。短編なら「桜さがし」でも活躍していたか。
山奥の山村にすむ女子高校生からメールが届く。村の祭りで舞を踊るので、ぜひ見に来てほしい、と。地図にも載っていない村でのまるで昭和時代のような生活、そして事件。驚愕のラスト。
ファンタジーなのかな。何ヶ月かに一度の割合で出会う少女。あうたびに少女は時間以上に成長している、というもの。さて、なんでこんな本読んだかというと、恩田陸のせいなんである。この本があったから「ライオンハート」が書かれたという。
実在の相撲人、雷電の半生を描く。なんか、凄いです。
一応主人公は雷電なんだけど、彼を取り巻く人々のエピソードも若干ある。というか、ちいさなエピドードがあちらこちらに挟まっていて、しかも時間軸としても行ったり来たりするのでやや読みにくい。
改行がほとんどなく、ページ一面真っ黒な印象があるのもいつものこと。でも、おもしおろいです。
前に読んだ「女王の百年密室」の続き。
シリーズモノではない、と思っていたら、三部作だそうでう。何百年か未来の殺人事件を「僕」が解く、というもの。
孤島(寒村でも可)ものの趣(クローズドサークルの意に非ズ)。
前に読んだ「光りの帝国〜常野物語」に収められている最初の一編、「大きな引き出し」の主人公春田一家の御先祖の話。御先祖といっても明治初期のあたり。
東北のとある村にやって来た春田一家と、常野一族にまつわる話。常野一族の物語はまだまだ続く。
こないだ読んだ「そして夜は蘇る」と同じく沢崎探偵のシリーズ。
誘拐犯に間違われ、次に誘拐犯から身代金輸送役に指名され、さらに被害者の家族から犯人探しを依頼される。大変です。
早い話が「クラッシャージョウ」のシリーズですよ。10巻。
前に読んだ「ささら さや」の続き。というか、シリーズ。
なにも書かない。でも、<オススメ>
短編集。なんだか読んだことあるな〜とか思っていたら、やっぱり読んでいた。10年ほど前に小説すばるで。ま、いいけどね。
作者の「リョウ」の字は「遼」から「しんにょう」を除いたもの。
私立探偵の元に失踪したフリーライターの捜索依頼が舞い込む。そして大きな陰謀に巻き込まれていく。ハードボイルド。
前に読んだ「狐罠」の続き。
今度は銅鏡で騒動。お陰で主人公陶子さん、古物商の鑑札も免許も取り上げられてしまします。もちろん、逆襲。
ところで、「孔雀狂想曲」から雅蘭堂の越名さん、「凶笑面」からも蓮丈那智さんがゲスト出演。オールキャスト。
タイトルの「ノスリ」の字は「鳥」の上に「狂」。MacOS9だと出せない。MacOSXなら出せる。ま、そういうことで。
前に読んだ「よみがえる百舌」の続き。暴力団員が殺され、拳銃や麻薬が強奪される事件が続く。そして徐々に明らかになる暴力団と警察官の癒着。背後に潜む巨悪とは?ってな話。
古典SFですな。タイトルにしては宇宙はでてこない。
火星人が地球に攻めてくる。科学力に違いがありすぎるため、地球人はにげるだけ。雰囲気は戦争物というよりはパニック小説ですかね。
5人の主人公のエピソードが交互に語られる。物語はそれぞれ微妙に関連しながら淡々と進行する。そして最後。いや、別にそれ程大それた仕掛けでもないし、前代未聞でもない。でもおもしろい。これは<オススメ>
う〜ん。主人公の女子高生の一人称で軽快な語り口でぽんぽん話が進んで行くのはいつものことで小気味いいんだが、中盤以降なんだか魔界といいつつ精神世界入ってしまったのでやや戸惑う。ま、無事帰ってこられたようでなによりでしたが。
どっかの紹介文に「今世紀最後の恋愛小説」とか書いていたような気がするが、気のせいか?気のせいだなきっと。まだ2005年だし。
コミカルでSFチックな軽いハードボイルド。
主人公の頭ん中に住みついた「白髭」と名のる蚊トンボ。そのせいで主人公の筋力が瞬発的に増大することになる。で、ヤクザさんと係わりになって追いかけ追いかけられの大活劇。結末はちょいといただけませんが。いや、趣味に合わないだけですが。
おもしろい。
タイトルのとおり取材旅行記なんだが、この方飛行機が怖いんだそうで。で、その飛行機の嫌いさとか逃避とかおもしろい。あ、行き先はイギリス・アイルランド。
もちろん、同名の恩田陸の本を読んでいたからこそ手にとったわけだが。
幽霊小説として有名らしいのだが、何が何だか。何が怖いのかよくわからない。19世紀(だったけかな?身分とか厳しかったころ)の英国の片田舎。時代背景とか民族性とかあるのかな。怖さもわからなければオチもわからない。疲れただけだった。
併録されているいくつかの短編の方はオチはわかった。でも、怖いの?って感じで。ま、ワタシには合わないってことだな。
弁護士森江の中短編集。長さが丁度イイカンジなんです。
名探偵ルンババと語り手、友紀夫の少年時代から青春時代の密室事件の数々。
エキセントリックなツバキとエノキの姉妹と係わってしまったが為に余計な事件に巻き込まれる。
そしてみんなして成長していく。イイカンジで成長するする。
資産家が余命宣告を受けた。正当な資産継承者はいない。実子捜索を依頼された弁護士。そして動き出す有象無象。その有象無象のエピソードが一つの短編となった連作短編。
とにもかくにも人間関係が入り乱れすぎ。個々のエピソードを追うのに精いっぱいで全体象なんてものに気を配る余裕なんてありゃしない。儂、それ程真面目で注意深い読者ではないです。
さすがにやばいと思ったのか、解説者は巻末の解説で全体の流れをまとめてくれています。なるほど、そうだったのですか。いや、助かりました、解説者どの。
タイトルの通り。事故係の生稲昇太が警察のあり方、捜査について悩みながらも日々生活していく、短編集。別に事件を通して成長したりもしないし、各エピソードも中途半端でまるで出来の悪い絵日記のよう。デビュー作が鮮烈であったからか全くの期待外れ。
だんだんつまらなくなってくるのは気のせいか?長いシリーズ物だから飽きてるだけか?
ところで、「利鈍」ってどういう意味?
明治初頭、外国人居留地で起こった密室殺人事件。現代に起こった密室殺人事件とのあるかなしかの関連に振り回されながらも、冤罪を防ぐべく奔走する弁護士森江。
幻想的なエピソードも交えながら過去と現在を飛び回る。
第二次世界大戦末期。ドイツから持ち込まれたローレライシステムを搭載した潜水艦が密命を帯びて太平洋のまっただ中に向けて出撃する。
もともと映画の原作として書かれたもの。今まさに劇場公開中。映画見て原作(ノベライズではない)を読みたいと思うことは多々あるが、本読んで映画見たいと思うことは滅多にない。でも、これは見てみたいと思った。潜水艦同士の戦闘アクション、気になる。
小説としてはアクション(しかも潜水艦だし)に重点を置いているためかビジュアルを想像しながらでないと辛い部分はある。原作ならば仕方のないといったところか。でも、<オススメ>
中編3編と短編(というよりもはやショートショート)1編。中編のうち2編は既に小説誌で読んでしまっていたわけだが。超短編はいいね。こういう感じは大好きです。
前に読んだ「タイムスリップ明治維新」の続き。というか、シリーズ。前のにしても、その前の「タイムスリップ森鴎外」にしても、設定はお馬鹿なんだけど、それなりにミステリ的サスペンス的要素はあったんだが、今回のこれはただおバカなだけだった。それなりに気に入っているシリーズだったので、至極残念ではある。
遺伝子情報とコンピュータだけを載せて外宇宙に新天地を求めて飛び立った宇宙船。やがて居住可能な天体ケイロンを発見し、人類の生産段階に入ったとの連絡が届く。度重なる戦争にて疲弊した地球人はケイロンに向けて出発する。
ケイロン人を一方的支配を目論む一派と融和を望む一派。迎え撃つのは既に独自の文化を生み出していたケイロン人。その結末と人類の未来は?
あの、「邪馬台国はどこですか?」の続編。オビにも広告にも「姉妹編」と紹介している。でも続編。舞台は同じ地下のバー、スリーバレー。登場人物はおなじみバーテンダーの松永さん、正体不明の宮田さん、気鋭の静香さん。そして三谷教授に替わってハートマン教授。
実は雑誌「ミステリーズ!」の創刊号から連載してたので既に読んでいた。思わせぶりな終わり方だったので1編くらい書き下ろしてくれているかと期待していたが、そうでもなかった。でも、文庫だから許す。サプライズはあったし。そして何より面白いしね。
3編目はあの人も大好き「ピラミッドの不思議」です。宮田さんがピラミッドの謎をばっさり解き明かしてくれます。ってことで、<オススメ>
ん〜〜。
自分の後釜に推薦した友人が死んだ。危険な仕事だと解っていて推薦した渦巻く欲望と謎。
切なく、重い。
古今のミステリの現場に行く。なんかもっと違うものを期待していたが、ちょっと期待外れ。勝手に期待していたんだから何も文句はない。
例えば、軍艦島。行って感慨を述べる。そして書籍の紹介。例えば
「Puzzle」。ま、それだけといえばそれだけ。
古典である。
先日某書店で「ミステリ・SF古典フェア」的な物を開催していたので、一冊購入。その時点でもう何冊か読んでみたい本があったんだが、すでに4冊ほど抱えていたので後日購入予定にした。が、その後行ってみたら既にフェア終っていたようで、学研フェアになっていた(泣)。それはそうと。
ロンドンで見つかった死体入りの樽。発送元はパリ。事件はパリで起こったのか、はたまたロンドンか?英仏海峡を渡る樽に死体が詰められたのはいつ?そして犯人は?ってな話。
えっと。結局何がどうなってこうなったんだっけ?
事件の当事者が持つ断片の記憶。そして記録。それを追跡するもの。誰も一向に真実には届かない。犯人は一体誰なんだ。
ま、雰囲気としては「Q&A」だが、「Q&A」はどことなく現実離れした出来事だったのに対し、こちらは極悪非道な殺人事件で犯人の悪意が漲って濃密な感じ。
「創竜伝」が漫画化されるそうだ。何十年経っても終らない、間が死ぬほど開く本を原作にしたら、すぐ漫画に追いつかれてしまうではないかな。漫画を原作にして小説を書こうって魂胆か?
で、この本の内容は薬師寺涼子のシリーズ、あとは面倒なのでノーコメント。いつもの嫌みも面倒だから省略。
あのアシモフ。三原則はきっちり健在。
宇宙人(支配者?)と地球人、そして宇宙人から労働力として押し付けられるロボット。労働者はロボットに職を追われ、次々と失業していく。地球人のロボットに対する反感は強まっていく。
微妙な政治的資源的バランスの上に成り立っている世界で宇宙人が殺された。犯人は地球人という。地球人の刑事と宇宙人から派遣されたロボットが事件の謎を追う。
なんか、地球人の境遇がよく分からない。鋼鉄のドームの中で暮らしているのか?翻訳のせいで読みにくかったのであまり理解していない。
過去の声が聞こえてしまう。
それに苦しみながらも警察に協力しながら、辛い過去を背負った自分も救われていく。シリーズ短編集。
あの、音道刑事のシリーズ。今度も短編集。
全体的に嫌ぁな話のオンパレード。ミステリというより、警察小説色が濃い。いや、組織とかではなく、一刑事としての話で。休日の刑事とか。
久々にホーガン。
木星に移住した技術者の末裔達が太陽系の異変を警告しに地球にやってきた。プライドからか異変を認めない地球の科学者達、利権を優先させる政治家達。
やがて訪れる壊滅的状況。そのとき、地球の政治屋と科学者たちは?ってな感じの話。最後はなんだかロードムービーみたいになってますが。
さて、これは三部作の第一弾。先が気になる。
今週はほぼ一日一冊でしたが。
もう残り少ない天藤真。
夫5人に殺人予告が届く。5人のうち一人が妻に殺されるという。寄り集まって相談する夫たち。疑心暗鬼。やがて事件が発生し、右往左往。殺人犯の正体は?
骨董屋「雅蘭堂」の御主人が主人公の短編ミステリ。骨董というより、古道具屋だが。押し掛けアルバイトの女子高生がイイカンジですが。さて、この作者には他に骨董屋のシリーズで陶子さんのシリーズがありますが、それよりは遥かに軽く読める。短編というせいもあるだろうけど。
他にもシリーズでるんでしょうかね?ってことで本年初<オススメ>
恋愛ミステリと銘打ってるけどな。そうなのかな。
マザコンの版画家と歌えない声楽家志望の芸大助手が出会った。そして事件。ミステリというよりサスペンス。怨念。
前に読んだ「殺意は砂糖の右側に」の続きかな?
長編の様な体裁になっているようだが、1話読みきりの短編を時系列に沿って並べてあるだけ。ま、それぞれ前の編に思いっきり密着しているからどうでもいいか(してなくてもどうでもいい話だ)。
内容はというと、前回探していた人をまだ事件に遭遇しながら探している。で、やっと出会える。まだ続く。
前に読んだ「海賊島事件」の続き。魔法文明世界、連続不可能殺人事件。世界が変わろうとしている。まだ続くのか?
漫画家さんなのである。どんな本を出しているのかは知らない。ミステリー雑誌なんかで挿し絵書いているので知っている。
で、作者の趣味である古書集めについてのエッセイ。古書蒐集という趣味の世界があることは知ってはいたが、中身がこんなんだとは知りませんでした。単純に面白い。
前に読んだ「ぼんくら」の続き。シリーズとかでなくて思いっきり続き。もう、前編、後編つーくらい続き。短編五つと長編一つ。
井筒の旦那と政五郎親分、弓之助とおでこみなさん御息災でなにより。
以前の鉄瓶長屋から幸兵衛長屋に移り住んだ煮物屋のお徳さんが中心人物か?いや、差配人改め植木職人の佐吉かな。別に活躍しないけど。
ってことで、今年もよろしく。