ベタなタイトル。内容もベタな連続猟奇殺人事件、江戸川乱歩風。「殺人喜劇王」を名のる犯罪者に挑むはわれらが素人探偵森江春策とその仲間達。舞台は現代だけど、古きよき探偵小説の雰囲気はたっぷり。江戸川乱歩再読したくなります。
凄い。
畳みかけるような主人公のモノローグ、下品なセリフと暴力。
なんでも「ミステリーと純文学の完全なる融合」とか紹介されているが、実は純文学の定義がよく判らなかったりする。ならば、この本からミステリーを取り除けば純文学が残る。う〜ん。歪んだ精神と暴力とセックス、か。そうか、それが純文学か(多分違う)。
ミステリ方面だけ紹介しておこうか。
主人公はアメリカで救命外科医として働く四郎。母親が連続主婦殴打生き埋め事件の被害者となり急遽帰国した。そして復讐の鬼と化す。
なんてぇタイトルだい。と、思った。
「邪馬台国はどこですか?」の早乙女静香と「九つの殺人メルヘン」の桜川東子の二人が主人公。他の作品からも何人かゲスト出演しているが。宮田六朗氏は電話で声だけ(?)の出演。
ある古文書をめぐって教授が殺された。第一発見者兼筆頭容疑者の静香、静香に心酔する東子が探偵役で事の真相を暴こうとする。
デビュー作だそうで。
時は明治初頭の江戸改め東京。歌舞伎小屋の関係者が次々と殺されていく。事件の発端は一枚の幽霊画。その幽霊画に隠された秘密とは?といった感じ。
歌舞伎関係など登場人物は殆ど実在の大人物らしい。寡聞にして存じ上げませんが。
内縁の妻同盟(とは書いていないが)の一人が、愛人を過失により殺してしまう。同盟の会員達は知恵を絞って容疑が他に向かうよう奮闘する。
取り敢えず目撃者を装って不審人物をでっち上げる訳だが、そのモンタージュそっくりの人間がまた警察には頼らずに独自で容疑を晴らそうとして真相を探り始めたるもんだから、もうなんだかんだ入り乱れててんやわんや。
変なつくりの本である。
先ず、普通に読みはじめる。真ん中へんで袋とじがあるので中断。本をひっくり返して普通に(?)読みはじめる。真ん中へんに袋とじがある。
要するに、2冊の本の裏表紙同士を袋とじを挟んで貼りあわせた感じなんである。後半部分を読んでいる時は表紙は天地逆さまになっているのである。
んで、内容。読み始めて「あれ?普通の推理小説?」とか思う。そのうち、「ほう、やっときたか」とか思う。で、そのまま終ってしまう。ひっくり返して・・・、ほほう、そういうことだったのね、でもなんかずれてるな、とか思う。んで袋とじを開いて・・・、はっはぁ、って思う。
表と裏と、そしてあっちの話がやがて一つに収束する、と。
おなじみ「チョーモンイン」のシリーズ。「人形幻戯」以来でお久しぶり。メフィストに載ってた短編6つと書き下ろし短編1つ。内容は例によって例のごとし。
しかし、コストパフォーマンス悪いな。そろそろ長編書いてみては如何でしょうか?>作者様
短編集。ジュブナイルもあり。でもミステリ。読者への挑戦みたいのが挿入されていたり。
う〜む。
いつもの志水節はどこにいったのだろう?ま、いっか。内容的には概ねタイトルのとおり。
序盤は非常に痛快。本文をちょっと引用してみよう。曰く「反吐が出そうな正義漢を気取って得意の絶頂にいるあの国」。あの国でテロを起こす。経済的な打撃を与えるもの。
残念ながら、テロ発生以降彼の国の様子は描かれていない。次の標的はこの国。侵略者一味で問題解決能力がない。人口は密集してるし、テロの標的としては最高。あ、一応小説の話ですからね、小説の。
読んでる途中で福井晴敏と混同しそうになったり。しかし、その最期はどうなんかな。別にハッピーエンドでなくてもいいが、それは余りにも救いがないんではいだろうか。ま、戦争だがらこんなモンなのか?
久し振りの阿漕荘の面々。前に読んだ「恋恋蓮歩の演習」以来。
今回は山奥の超音波研究所に閉じこめられる、という話。首なし死体に死体消失などなど、もりだくさん。
失業した夫に、家庭に入り主夫になってくれと妻が依頼する。
最初はややコミカルな感じを受けるが、妻が誘拐される段になり嫌な感じの話になってくる。
しかし、その犯行動機って、どうなのさ。しかも赦してしまってるし。む〜。
悪魔崇拝にかぶれた大学生たち。黒ミサの最中に生け贄が殺されて大慌て。自分たちの潔白を証明するために奔走する。
芦ノ湖に帝政ロシアの軍艦が。そしてそれは一夜にして消えうせた。なんで?
いつもの血なまぐさい殺人事件ではなく、ロマンチックな歴史ミステリ。
ロマノフ王朝の末裔は?アナスタシア王女の行方は?そもそも何故ロシアの軍船が水路もない芦ノ湖に現れて、そして消えたのか。
嫌〜ぁな話。読んでて楡周平だってこと忘れる。帚木蓬生かと思ったり。
中絶胎児を集める。若い女性を誘拐する。少年少女も誘拐する。そして臓器移植。まるで帚木蓬生の「臓器農場」みたい。でも最後は安心の楡周平。ラストはちょっと尻すぼみか。
虹北恭助の本編シリーズ最終巻。小学生だった恭介くんが高校生の年齢(いや、学校いってないので高校生ではない)。大きくなりましたね。シリーズ完結ですか?残念です。番外編、楽しみにしております。はい。
4年振りの森博嗣。私に何があったのでしょうか?
それはそうと・・・。なんだろ。飛行機に乗る少年(かな?)。世界観が分からないんですよ。それがいいのか悪いのかはともかく。結局淡々を始まり淡々と終っていく。
多くの都市伝説に語られる「秘密屋」。その謎を追う主人公。やがて知る「秘密屋」の真相。そして、驚愕の結末。で、・・・。
資産家一族が山奥のホテルに年に一度公私の関係者を招待してパーティーを開催する。
参加者の視点で次々と語られる事実。そしてそれは少しずつずれていく。着地点はどこか?
前に読んだ「凍える牙」の主人公がふたたび登場。恐らく「鎖」の前。今度は短編集。
資産家一族の持つリゾート施設で起きる密室放火殺人。
殺されたのは当主。その時集まっていたのは親戚、縁戚の人々。誰かが誰かを見ている。犯人は?殺害方法は?
一冊の予言書を中心に踊る人々。そして昭和史に名を残す犯罪の数々。
一見なんの関連もない他愛ない事件、それを繋ぐのは一冊の予言書だった。そして点と線が結ばれたとき、驚愕の真相が明らかになる。
前に読んだ「死体の冷めないうちに」から少し後の話。今度は長編。
核物質を満載した列車が消失する、などの謎もあるが、どちらかといえば閉塞された都市での冒険活劇の趣。
強奪した核物質を盾に環状線の列車をジャック、環状線内のエリアを隔離する。環状線内外で分断された捜査官たちは無事合流、事件解決できるのか?そして犯人グループの目的は?ってなサスペンス活劇。
卒塔婆が飛んだ。他愛のない依頼を受けた私立探偵。やがて事件は連続バラバラ殺人へと発展する。
事件は陰惨で人間関係もどろどろしている割にはキャラクタ達がとぼけているものでコミカルな印象を受ける。でも間違いなくミステリ。
ノンシリーズの短編集。ふとした拍子に壊れていく女性達。恐ろしい。
短編集。なにやらシリーズ的話も混ざってはいるが、基本的に短編集。
さて、あと一冊で入手できた天藤真は読み終る。全集あと4冊ほどあるはずなのだが・・・。
高校のイベント。80キロを一晩かけてただひたすら歩く、歩く。そして得たもの。
弟の乗る船が遭難した。その理由を突き止める主人公。ヤクザや国家機関に追われつつも真実に近づいて行く。そして結末。
短編集。ノンシリーズだけど、なんとなく「身代わり」とか「入れ替わり」とかがテーマで一貫している。
一族郎党に次々と殺されかけるお金持ちのおっさん。毎回辛くも生き残るわけだが、そこまで恨まれる訳とは?
暴走する新興宗教の爆弾テロ。公安と刑事との確執。
死刑囚となった爆弾テロ犯が獄中で回想する、という形で事件が語られる。息詰まるサスペンス。
桜井京介のシリーズ。時間的には「翡翠の城」のあと位か。
会員制のホテルで行われる、伝説の女優の復帰舞台。演出家と女優の確執、演出家の失踪、ホテルオーナー宅への放火。
勘違い男の一方的な愛情に振り回されて全員無駄死に、見たいな・・・。
8年待った「館シリーズ」である。
各巻4cm程の厚み。長すぎ。
読みはじめはなんだか霞のかかったようなイメージで、状況がつかみにくいのだが、慣れてくるとそれはアレではなかろうかと思いはじめる。結局アレだったわけだが。ついでにシャム双生児やら早老症の少年やらなんやら出てきて妙な雰囲気になるのだが、それにどれほどの意味があるのやら。
無駄に長い。事件としてのクライマックスなども見当たらずただだらだらと時間だけが過ぎていく。シリーズキャラクタを無理やり出さずあからさまに外伝として、長さ3分の1位で出したらもっと楽しめただろうに。
で、館シリーズはこれからこの路線で行くのですか?>作者さま。
過去の栄光を捨てひっそりと生きる主人公。ある人物の来訪により、穏やかな日々は失われる。
海上で襲われ、直後ささやかな店は焼かれ、唯一の従業員は殺された。そして謎の組織からの依頼。北方領土への侵入、そして裏切り。
一人で組織に戦いを挑む。組織の正体、そして結末。
自称「世間師」、早い話が口八丁の詐欺師。と、その相棒。どっちが上手?
軽いノリでとっとと進むシリーズ短編集。
勢いで読み漁っている天藤真。もちろん面白いからである。これも短編集。
表題作は、長年の親友、そしてライバル。その結末。
空海が書いたという、いろは歌の謎。
平城上皇の反乱の謎を神野天皇の命により空海が探る。この時代の事は詳しくない(他の時代も別に詳しくないが)のでよく解らないが、歴史ミステリ。
タイトルは「かげろうしまつ」と読む。「蜻蛉」って「とんぼ」、「かげろう」は「蜉蝣」だと思ってたんですが、「蜻蛉」でも「かげろう」と読むようですな。
明治初期、偽札事件にいたる、幕末からの二人の男たちの長い物語。
目が覚めたら、見知らぬ女性とともに山奥の別荘の天井裏に閉じこめられていた。ついでに死体も。で、屋敷が爆発して吹っ飛ぶ。
当然何者かにはめられた訳だが、二人協力して脱出する。勿論その何者かにとって二人と死体は一緒に吹っ飛んでくれないと困るわけで、当然追いかける。二人は追いかけられては困るので当然逃げる。スリルとサスペンス。ほんのり青春小説。
勢いで読み漁っている天藤真。もちろん面白いからである。もう40年も前の作品なのにね。
これも短編集。
巨額の報酬と引き換えに奇妙な依頼を受けた主人公。山奥の別荘で見知らぬ他人2人と完璧な家族を演じる事。やがて発生する奇妙な出来事。依頼者達の真意は?
お互いに見ず知らずの老若男女が盗難された新車にを押し込まれ、崖から落とされて殺された。
母を殺された娘が犯人を探して右往左往する。危なっかしい、素人探偵である。
短編集。シリーズではない。コメントしにくい。
朝出勤途中に購入。退社時には既に読了。
実はこの本非常に楽しみにしていた。特にあとがき。このヒトの普段のあとがきめいたものは理屈っぽくて独善的で自慰的なのでまったく面白くないのだが、今回は期待していた。
かつて「ダーティーペアの大脱走」でダーティーペアを封印した時の理由づけ。その後「独裁者の遺産」での自己欺瞞めいた外伝出版の理由。そして今回、封印を解いたからには当然その経緯なり理由なりが読めると思っていたのだ。
クラッシャージョウのシリーズも復活したから恐らく「金銭的な理由」だと思うのだが、それをどう読者に伝えるかを非常に期待していたのだ。が、理由などはおろか、あとがきすらなかった。残念だが確信した。本が売れなくて金が底を突いて主義主張を言っている場合ではなくなったのだ、と。
それはそうと。仕事は妙に忙しいんだが、待ち時間が多いので、その隙に読了。上下左右行間の余白が多いような気がするし。
内容は、前回凍結したダーティーペアが解凍される、というもの。
著者最後の長編だそうな。
老父が危篤だということで、あくまでも親孝行のため偽装結婚をしようとした息子。先輩の婚約者を偽嫁に仕立てて結婚式に臨む。
ところが、のどたばた喜劇、気が気ではない先輩。ミステリというよりは、コメディタッチのサスペンス。
殆どノンシリーズの短編集。
表題作は3編シリーズ。夫婦で怪盗。なんか夫が妻に弄ばれているようだが、オチがない。もっと書くつもりだったのだろうか?
全編回文のオンパレード。読みはじめに(というか購入時に)懸念していたような下らない結末ではなくその点ではホッとしたが。
回文同好会の合宿オフ会で連続殺人事件。回文関係を除いて単なるミステリとして読んだ場合、デキはどうなのかな。う〜む。
福井晴敏が書いたSF。前からず〜っと探していたんだが、この度増刷されたようで、やっとこさ入手。
内容はっつーと、「ターンエーガンダム」。比喩ではなく、そのまんまノベライズ。本編も映画も見ていないので差違は不明だが。
汚染された地球を捨て月に移住した人達と、文明を捨て地球に残った人達。地球の環境が回復したのを機に地球に帰還しようとする月の住人と地球人の戦い。その先にあるものは?ってなハナシ。ビデオ借りてこようかと・・・。
こないだ読んだ「退職刑事5」の続き。というか、シリーズ。
退職した刑事が現役刑事の息子から話を聞いて事件の真相を推理するというもの。
最後の一冊。やっと見つけて読んでしまった。
シリーズではない短編集。
一応ミステリーだが、何となく切ない感じのお話ばかり。
今回はシリーズ安楽椅子探偵モノの短編集。
安楽椅子というか、車椅子なんだけど、車椅子の少年にハナシを聞かせに通う警察官(目当ては母親の未亡人)、謎を解く少年。
一見無関係に見える他愛のないエピソードが40年前に網走で起きた不可解な殺人事件へと結びついていく。
とはいえ、それぞれのエピソードは他愛はないのだが、よく読めば登場人物はかぶってるから(よく読まなくてもか)、それぞれのエピソードは最終章にむけた登場人物紹介編といったところか。
ま、各章それぞれエピソードとしては完結していてそれはそれで面白いのだが。
気に入ってしまった天藤真。
ケチで意地悪で嫌われ者な金持ちのじーさんが要塞のような蔵の中で死んだ。警察が到着したとき、関係者たち(=容疑者たち)は酒宴の真っ最中。死因に不審な点は無かったこと、状況が4重密室であったことなどから、警察は病死と断定するが、遺産をとりそこなった自称精神的妻がまぜっかえす。
こないだ読んだ本といい、コメディータッチなんだが、大抵こういう作風なんだろうか。ま、なんにせよ全集がでているお陰で手に入りやすくてありがたい。
なんとなくSFな気分だったもので、古典から。
思いっきりなじみある作者ではあるが、こちら方面の本はこれが初めて。
南アメリカで恐竜を見た、という博士が大ホラ吹きの烙印を押されるが、同業者やら記者やら連れて再渡航。そこで起こる冒険の数々・・・。
前に読んだ「依頼人は死んだ」の続きというか、シリーズ。今回は長編
家出した高校生の娘を探す、しかも報酬は多額、という美味しい依頼だった筈が、あれやこれで大変な事に。しかもいきなり刺されて手術だし。
最初はミステリというよりは軽めのハードボイルドのごとくテンポよくハナシは進んでいったのだが、だんだん嫌〜ぁなハナシに。事件自体は嫌なまま結末を迎えるが、主人公の探偵の性格のお陰でハナシ自体は何とかなったか。
この人の本は初めて。折りに触れあちらこちらで紹介されているので気になっていたのだが、何故だか平積みになっていたのを発見したので早速購入してみた次第。
誘拐を企てた3人組。ターケットは日本有数の資産家のおばあちゃん。誘拐したはいいけど、しかし、チンピラ3人組とおばあちゃんでは格が違う。結局3人はおばあちゃんに振り回されることになる。
事件そのものの推移も面白いのだが、そのおばあちゃんの真意が一番の謎だな。これは面白い。<オススメ>
この人色んな本書くね。雰囲気のいいこぢんまりとした料理屋の女将。四季折々の旨そうな料理と日常の謎(というには大きな事件も起こるが)の連作短編集。
各編はミステリ、そして徐々に明かされる女将の過去。ラストで駆け足になってしまっているが、緩やかな恋愛小説か。<オススメ>
この人の本は初めてかな。以前メフィストに連載していたのは読んでいたが。
時は昭和初期。明治時代の新聞から謎めいた事件を拾い出して解決しようというもの。短編集。しかし、まさかそんな大団円になっていようとは思いもしませんでした。
あのゲームのノベライズ。そうか、そういうゲームだったのか。
ノンシリーズの短編集。
タイトルの通り、パズラー大連発。どれもこれもいいな。いや、いいなこれ。
こないだ読んだ「退職刑事4」の続き。というか、シリーズ。
退職した刑事が現役刑事の息子から話を聞いて事件の真相を推理するというもの。
もう一冊ある筈なんだけどな〜。見かけないな。
物凄いタイトルですな。
久々に蘭子さんのシリーズ。悪魔サタンを名のる(これも凄い)奇術師の失踪と密室殺人事件。地下迷宮の死体コレクション。ぐえ〜。
しかし、蘭子さんヨーロッパで姿消してから一向に戻ってきませんな。
こないだ読んだ「退職刑事3」の続き。というか、シリーズ。
退職した刑事が現役刑事の息子から話を聞いて事件の真相を推理するというもの。
ちょっと間あけて読んでみました。ま、これまでどおり。
会話、というか、質疑応答だけで話が進む。章毎に質問者も回答者も替わっていくのだが。
某ショッピングセンター。買い物客で賑わう中、突然発生するパニック。その後警察消防の捜査でも火事や毒ガスの痕跡は発見されない。
質疑応答、世間話の断片を繋ぎあわせ「その時」何が起こったのか、漠然と想像させる。怖い。
前に読んだ<「ななつのこ」、「魔法飛行」の続き。というか、シリーズ。
内容は書けない。即ネタバレする。そう書いた時点で既にネタバレか。とにかく、前2作をも巻き込んで大きな物語。これは間違いなく<オススメ>。特に前2作読んだ人には。
「家族狩り」の文庫版の第五部。当然前に読んだ「巡礼者たち」の続き。
これで完結。これまでの巻より2倍位のボリューム。何か手違いでもあったのでしょうか?。
そんな事はさておき。
ひたすら長い、嫌ぁな話。主にドメスティックバイオレンス。崩壊した家庭、崩壊しようとしている家庭。そして一家放火心中。或いは連続放火殺人事件。事件とも思えない連続心中を追う刑事、崩壊している家庭から少女を救い出そうとする相談員、高校教師、色々入り乱れて大団円。つかれた。嫌ぁな話はイッキに読まないと気が滅入ってくる。ふぅ。
借りた時点でカバーがしてある。ナンの予備知識もなく読む。
ホラーだホラー。旦那が他人にすり替わっている。姿形はそっくりなのに。
こないだ読んだ「退職刑事2」の続き。というか、シリーズ。
退職した刑事が現役刑事の息子から話を聞いて事件の真相を推理するというもの。
しかし、なんだな。続けて読むと飽きてくるな。残りは間を置いて読もっと。
こないだ読んだ「退職刑事」の続き。というか、シリーズ。
泥酔した翌日仕事に行こうとして鞄を持ったらやたらと重い。何かと思ったらシリーズ2〜5の4冊。殆ど記憶にはないのだが、古本屋で見つけたらしい。でかした、俺。
なんかすげー久し振りですな。約4年ぶり。
メルカトル鮎ではなく木更津悠也が探偵のシリーズ(タイトルのまんまだが)。時期的には「翼ある闇」のあとか。
シリーズ短編集。
こないだ読んだ「殺意は幽霊館から」の続き・・・のつもりで読んだが、こちらがシリーズ第一作でした。はぁ。
長編の様な体裁になっているようだが、1話読みきりの短編を時系列に沿って並べてあるだけ。ま、それぞれ前の編に思いっきり密着しているからどうでもいいか(してなくてもどうでもいい話だ)。
内容はというと、ある人物を訪ねる旅(探し回ってる訳ではない。目的地も定まっていて移動する旅)の間に様々な事件に遭遇する。
まだ何冊かある様だけど、いずれもノベルズサイズ。早く文庫化してください。
この人の本では読みやすい方か。短いしな。
分裂する自分(精神がではなく肉体が。しかも倍々ゲームで)の章、幸福のメモ(何分か以内に他人に回すと幸せになれる)の章の2章だて。でも繋がってる。
軽くミステリ。消えた死体、浮遊する女。ま、400円文庫だし。
殺人鬼の手記の章、芸者の章、そしてそれらを執筆している作者の章で構成される。
と、すると、殺人鬼の章と芸者の章が同一レイヤーで、その1階層上に作者の章があると思われる。が、やがて各章は侵食しあい、遂には拡散し、破綻する。
勿論作者はその様に書いてはいるのだろうけど、読後感としては釈然としない。長かっただけに余計に混乱した。で、結局どうなったんだっけ?
森江のシリーズ。弁護士時代。
今回は「和時計の館」で連続殺人事件。別に密室でもクローズドサークルでもない。ミステリというよりは探偵小説。警察が素人探偵に協力的。下らない確執とか排除すると物事はスムーズに進む。
だってさ、第一部の主人公は「早乙女輝」、その父親は「父」。第二部は「早乙女」と「父」。明らかに怪しい。だいたい親子なら大抵二人とも「早乙女」なんだから、普通はそんな表現はしないだろう。「輝」と「太郎」だ。ついでに本の裏に「第三部で驚愕のトリックが明かされる」見たいな事が書いてある。もうネタはアレだアレ。アレしかない。
あとがきとか解説は本編読了前に読んだりはしないが、紹介文もだめなのか。まったく。タイトルと作者名以外は読んではいけないな。新聞の書評欄なんかネタバレのオンパレードだから論外だし。
「家族狩り」の文庫版の第四部。当然前に読んだ「贈られた手」の続き。
さて、いよいよ嫌な展開になってきたな。あと一冊。最後にまとめて書きましょうか。
サッカー関連でハナシが進む。リーグ戦の経過とともに事件も進むわけだが、別にサッカーである必要は全くない。卓球でも重量挙げでもいい。
サッカーに全く興味がないので試合とか結果順位とか出場メンバーの描写はすっ飛ばして読んでたが全く問題なし。なんかサッカーネタでページ稼いでるカンジ。
ま、懸念していたような下らないオチでなかったのが救いか。
作家、或いは編集者が主人公となる短編小説集。各編のタイトルは全て「〜殺人事件」となっているが、大して事件は起こらない。
文庫化されるの待っててよかったよ。ハードカバーで買ってたらムカついたかもね。
幻想ホラー、とオビに書いてある。
様々な理由で熊野の山奥の美術館に呼び寄せられた主人公達。それぞれの視点で話はすすむ。そして美術館での体験。勿論、ホラーを謳っている訳で、心洗われる体験であるわけがない。恐怖、悪意。そして呼び寄せた者達の目的。
なんかあっけなく話は結末を迎える。主人公達のその後、って一体?
ところで、本棚に一段だけハードカバー棚がある。恩田陸、加納朋子、宮部みゆき(女性ばかりだな・・・)だけで他の作家は床に平積み(本屋では平積みの方が格上だが)だった。しかし、恩田陸と加納朋子の本が増えるにしたがって(特に最近恩田陸が物凄い勢いで増殖している)宮部みゆきもどんどん平積み行きとなっていた。そして今、恩田陸と加納朋子のみとなってしまった。更に、この本と、先月読んだ「黄昏の百合の骨」が落ち着き先が決まらず浮いている。恩田陸と加納朋子。どちらを平済み行きにするか。当分結論は出そうにない。どーでもいい話だが。
う〜む。これまで読んだこの人の本とはチト違うカンジ。
ふとした弾みで異界に落っこちてしまう変な体質の博士が主人公のシリーズ短編集。
おなじみ(なのか?)猫丸先輩のシリーズ短編集。サブタイトルは、「猫丸先輩のアルバイト探偵ノート」。今回は全て猫丸先輩のバイト先での事件。今までと違って巻き込まれるのは後輩ではなく、バイト先の人々。そういった意味では「猫丸先輩」ではないのだが、ま、どーでもいいか。
一家惨殺事件の生き残り。その犯人の娘に出会う。そしてその行く先。
なんというか、退廃的。違うな。自虐的。なんか違う。う〜む。
その結末。双方救われたのか?人生これから。
傑作短編集って、作者の没後とか或いは存命でも大量にある短編の内の傑作の誉れ高い作品を揃えるものではなかろうか。この本、短編6本収録していて、1本書き下ろし。これでこの作者が発表した短編全て。ま、いいか、「傑作選」ではないし。
別につまらないと言っているわけではありませんよ、念のため。
これまでの長編に出てきた人達がちらりほらりと登場する。
「家族狩り」の文庫版の第三部。当然前に読んだ「遭難者の夢」の続き。
ここらでイッキに破滅へ・・・と思っていたがそうでもなかったな。さて、この後どう展開していくのか。あと二冊。
ミステリーなのかな。
大学に入って、下宿する。下宿先の怪しい先輩達。んで、オカルト対科学。いや、そんな明確なものではない。主人公は科学派(?)だが、その先輩がどっちつかず。結局、解決(というか、解明か?)した時のカタルシス、というのが不足気味。
幻となっていたC63が製造された。酔狂な玩具メーカの会長の趣味で。
で、お披露目走行の日、事件が起こる起こる。そりゃもう事件品評会。まるで疫病神。
あぁ理瀬、またしても私の前に・・・。
前に読んだ「麦の海に沈む果実」の続き。というか、後日談。舞台と登場人物的には「図書室の海」に収蔵されている「睡蓮」の後日談か。
黎二、雅雪、亘、いい人。ヨハン、稔、理瀬と同じ側の人。次はいつ逢えるのだろう、理瀬。今度は大人になった貴女でしょうか?
今年2冊目だ。<オススメ>
時は現代。大阪府知事に立候補することになった元官僚の娘が誘拐された。そして身代金運搬に指名されたのは何の関係もない一青年。身代金は犯人の手に渡るのか?果たして人質は無事奪還できるのか?ってのが一つ。
時は終戦直後。大阪で発生した連続絞殺事件。国家警察と地方警察の縄張り争い、ちらつく国家権力の暗い意志。行き着くところは?ってのが一つ。
関連しているようなしていないような。
ところで、このハナシで「おぉ〜」と思ったことが一つ。なんと、「逆探知にはそんなに時間はかからない」ことになってる。しかも「マリシャスコールトレース」とまで。う〜む、やるな芦辺拓。どんな小説でもテレビでも「逆探知は時間がかかる」が常識になってるからその筋からの指導でもあるのかと思ってました。
でもま、これが主流にはならないだろうねぇ。電話鳴った途端発番号分かってるなんて緊迫感ないしねぇ。作家も大変だ。
パニック小説、かな?
ただ、富士山が爆発するのがかなり後。パニック以前の官僚的ハナシが長々しい。それはそれでいいんだけど、爆発以降が緊迫感が少ない。なんか中途半端な結末がいっぱい散らばってるし。結果は富士山もへったくれもなく個人的ハッピーエンドなだけだし。パニック小説としてはどうなよ、ってな感じ。
タイトルは「ジャー」と発音する。
タイトルから勝手に内容推測していた。龍神信仰とか土着信仰とか民族なんちゃらとかで魑魅魍魎が跳梁跋扈したりしてるのかなと。
が、しかし。ファンタジーでした。まとめると、「諸般の事情により竜を探す」というもの(まとめすぎ)。
「家族狩り」の文庫版の第二部。当然前に読んだ「幻世の祈り」の続き。
そろそろ壊れ始めてきましたな。
名作「白夜行」から4年半、あの衝撃が、今ここに蘇る。
って、オビに書いてある。前宣伝文句もそんな感じだったか。確かに雰囲気は似ている。でも、決定的に違うのは、主人公の男女が接近しすぎている事。かといって、お互いに影の存在だと単なる二番煎じでしかなくなる。やはり、「白夜行」を越えるのは難しかったのか。
阪神淡路大震災の最中に出会った男女。東京に出て一蓮托生で生きてゆく。女の真意は一体どこにあったのだろう?それより、そもそも(以下省略)。
前に読んだ「破線のマリス」の続編。ま、前の物語が続いているわけではないが。
4章だての長編。前半2章は単に短編としても読める。それはともかく、後半2章に出てくるヤローがいけ好かない。どれくらいいけ好かないかというと、「模倣犯」に出てきたいけ好かないヤロー以上にいけ好かない。ま、そういう話だからしかたないけど。
友人を殺し、修道院を脱走して新宿でチンピラ(でもないか)となって生きる「イグナシオ」。
行き着く所はどこか?
12歳で成長の止まってしまった主人公「呼人」。それぞれの道を進み大人になってゆく友人達。そして自分の出生の秘密。
原点だそうで?
元ヤクザ、元警官、元女優3人組の不良探偵さん。ヤクザの抗争に巻き込まれ、元警官の息子も合流し、行き着くところはどこか?
連続誘拐事件。担当女性刑事も息子を誘拐されたため、警察を敵に回してでも誘拐犯と対決しようとする。緊迫のサスペンス。そしてミステリ。
女性刑事が誘拐犯一味だと徹底的に決めつけていた刑事さん、最後でしれっとそんな態度とるの釈然としませんがね、
共著って、実際どういう作業分担になるんだろう。それもそれぞれが既に世に出ている人が手を組んで。
片方がストーリーを考えてもう片方が実際に執筆するとか?或いは、交代に書いてるのか?ま、いいや。ノベルズでは名前を隠して書いていたらしいが、文庫化にあたり名前を出した様子。何でかは知らない。
多重人格を持つ男。男はその事実を知らず、他の人格が体を乗っ取るために男を精神的に殺そうとする。舞台は雪の白銀荘、やがて連続大量猟奇殺人事件。そして驚愕の真相。
公安警察でもスペインでも精神科でもない。
小学校時代のいじめっ子といじめられっ子がそれぞれ警察官になったが、生活安全課の部下と上司になって再会してしまった。
地域で起こる事件をこのコンビがどたばたと解決する、短編集。
しつこく400円文庫。
ネタバレの様な気がするが、オビやらなんやらに書いてあるし、割と早いうちに判るから、ここでもとっとと書いてしまう。探偵は吸血鬼。
吸血鬼の村に入り込んだ人間を連れ戻そうとする探偵。そして、吸血鬼しか入れない筈の場所で、吸血鬼には触れないはずの十字架で何者かが殺された様子。加害者は誰?被害者も誰?
諸般の事情により眠れなかったので本を読みながら捻転としている内に3冊読み終ってしまった。薄いからね。
これもやっぱり400円文庫。
樹海で死んだ人の手記、それを持って樹海に入る主人公、そして手記の行方は?ってな話。
「まほろ市」というところで起きる事件を扱った凶作、違う。競作の最後。他のは読んでない。敢えて書くと400円文庫。
まぁ、ノーコメントで。
登場人物は2人のみ。退職した元刑事とその息子の現役刑事。他にはたまにその嫁さんが出てくるがお茶持ってきたりするだけ。
現役刑事が悩んでる事件を話を聞いただけで元刑事が推理する。全くの安楽椅子探偵。その論理の飛躍が面白い。
某作家が某所で常々語っていた。見かけたので買ってみた。まだ何作かシリーズあるらしい。
まぁ、名探偵御手洗潔の短編集。別に挨拶している訳ではない。
この探偵、正体不明。昔の話なんか出てくる。今「ミステリーズ」で連載している昔の話も気になっていたりする。やぱり正体不明。
「家族狩り」の文庫版の筈だけど、大幅改稿(というか、書き下ろしに近いらしい)したもの。全5部の内の第一部。らしい。
オリジナルはハードカバーのまま併売だそうで。なら、オリジナルを文庫化して、これも文庫で書き下ろしてくれたほうが嬉しいのだが。出版社もそっちの方が儲かるだろうに。大体、「家族狩り」以前に出版していた筈の「永遠の仔」も文庫化されてないし。もう4年も経つ。どうなってるんだ?
ま、内容に関しては追々。毎月刊行されるようだし。
乱歩賞受賞作。因みにこのとき選に漏れたのが「Twelve Y.O.」だったりする。
ミステリとして欠陥があると評判なので(でも受賞したから、それなりのモンだと評価されたんでしょうな)、取り敢えず見かけたので買ってみた。
何が欠陥だったんだろう。推理小説として読んだら致命的。テレビ業界サスペンスミステリとして読めばよい。
前に読んだ「猫は聖夜に推理する」の続きの短編集。猫視点の話と人間視点の話が入り交じっているのも前と同様。しかも今回は「ゆきの山荘の惨劇」に出てきた猫までもが推理する。次回からレギュラー入りか?
火村とアリスの短編集。
「亭」「庵」「殿」「楼」「荘」「城」。全て建物の名前。住所を示すための識別子的名称ではなく、愛称、とでも言うのでしょうか。建物に対する愛着を感じますな。
今回の短編のタイトルは全て「建物の名前+殺人事件」で統一されている。この人は小説のタイトルに「殺人事件」を付与するのは敢えて避けていたそうで、今回初めて付与したついでに全て統一してしまった、と。
内容はそのまんま。建物の中で殺人事件。でも別に秘密の抜け穴があったり隠し部屋があったりする訳ではない。あ、表題作は別に城の中ってわけではないな。
あるプロカメラマンの半生(?)。50歳、42歳、37歳、31歳、22歳の彼のその時の物語。今まで読んだこの人のどのタイプでもない。なかなかよいね、この感じ。
古典ですな。
昔読んだことあるはずなんだけど、こんなんだったけかな?ジュブナイルで読んだんかな〜?ってな訳で初読扱い。
立ち往生した列車で殺人事件。偶然乗り合わせた探偵さん。
前に読んだ「美濃牛」で出てきた探偵さんが再登場。
う〜む、これは・・・。更に続きそうな終わり方しけど、今後もこの路線で行くのかしら?う〜む。
密室で死体。指紋はない。ついでにアリバイ。んで、そんなんアリ?
う〜む、ううう〜〜〜む。
なんか物凄い4編。ノータリンな儂のドタマにはちょっと・・・。
お久しぶりの神策さんが登場。シリーズ短編集。味付けは色々の5編組。
「薔薇窓」とはステンドグラスの事ですな。この本の中でだけの表現なのか、一般的にそう言われているのかはよくわからんが、そういこと。
時は1900年、万博で沸くパリが舞台。主人公は警視庁に勤める日本贔屓の精神科医。事件は色々起こる。取り敢えず、連続誘拐、ストーカー、殺人事件、など。仕事でもプライベートでもそりゃもう色々と。
前に読んだ「逃亡」や「ヒトラーの防具」とかと違って緊迫した時代ではない。新世紀に向かう活気と懐古が入り交じって基本的に平和な時代ではある。陰惨な事件も起こるが、こんな結末は好き。中途半端のままのエピソードもあるが。
人が殺されたりしないと気が済まないクセに、被害者と加害者以外は幸せになってくれないと何だか嫌なんである。
今まで読んだこの人の本ではベストを争う。
ブルースの歌い手、ギタリスト。ヤクザと麻薬。でも切ない。
この人の本、久し振り。3年と8ヶ月といったところか。更にその前、3年と11ヶ月前に読んだ「凍える牙」の続き。というか、同じ人が主人公。
前回はカッコ良かったんだが今回は悲惨な目に。かわいそう。あんな奴が相棒だったら儂はキレる。ってことで、新年早々<オススメ>
そうだ。今年もよろしく。