この人の本は初めて。
これジャンルは何だろ。何でもいいっちゃいいんだが。
コンビニ強盗に失敗して捕まって逃げ出して気付いたら閉ざされた島。そこには未来を見通し、喋る案山子がいる。そしてその案山子が殺された。何故事件を阻止出来なかったのか。或いは未来を見ることが出来なかったのか。
ところで、文中に「預言」という単語が出てくる。そこは「予言」ではないのかな。全然違うんですけど。
まぁ古典ではあるが、読んだことがなかった。最近新訳で出ているので手に取ってみた。
当時アンフェアであるとか斬新であるとか色々物議を醸したそうではあるが、ま、今なら全く問題なし(つーか、それ程斬新な手法ではない)。
片田舎のお金持ちが殺された。みんながそれぞれ何かを隠している。して事件の真相はいかに?てな具合。ポアロの話。
ところで、タイトルの「アクロイド」ってのはその殺されたお金持ちの名前。なんて安直なタイトルなんだろう。日本なら「鈴木殺し」とか「田中殺し」になる。名前自体には何の意味もない。なのになぜタイトルに使ったのかが謎。日本人には判らないなんか深い意味でもあるんだろうか?
う〜む。いつもの話っちゃいつもの話なんだよな。
バイクと旅とヤクザと殺人。そして壊れる。
隆慶一郎の本は全て読んだと思っていた。ある方とお話していて。読んでない事を知った。だから、買ってきて読んだ。そんな事情でいきなり買えることを幸せと思わざるを得ない。そんな話はともかく。
こないだテレビでやっていたらしい「利家とまつ」の親戚の話。利家もまつも出てきます。諸々嫌でドロップアウトした主人公。好き勝手に生きるにしては恵まれすぎ。金の心配ないんだもの。とことん羨ましい。
儂が自我を通すために必要とした金ときたら・・・(話がそれた)。
女房も子供も捨てて好きに生きた(金の心配もなく)男の話。色んな意味で羨ましい。
2年半振りの現代小説だそうで。確かにそうだ。手元の資料でも「R.P.G」以来となってる。
知人(かなり大雑把な表現)が自転車に轢かれて死んだ。その娘が犯人を告発(ではないが)するために父の半生を綴って出版したいと言う。んで手伝ってくれ、と。
ま、そんな感じで話は始まるわけだが、そんなオチになるとは・・・。
高校時代のソフトボールのチームメイトが死んだ。
葬儀に集まった元チームメイト7人。彼女の死の前後を7人の視点で描く連作短編集。そしてラスト。
7人の内の一人は陶子さんという。最初気付かなかったんですが、「月曜日の水雨模様」に出てきた陶子さんでした。というか、谷さんがちょっと出てきたので思いだしたのでした。まぁ、最後の方ではあの人も思いっきり出てくるし。<オススメ>
大学生4人組のシリーズの短編集。全体的には「スコッチ・ゲーム」の後、「依存」の前あたりか。でも、社会人編なんかもあるが、少なくとも「依存」から続く話はない。早く読みたいのだ。
なんか読むのに物凄く時間がかかってしまった・・・。
久し振りの翻訳物ミステリ。「孤島パズル」でマリアとの出会いシーンで使われていた。初めて見かけたので取り敢えず買って読んでみた。
古式床しい鳴鐘術の話は苦痛だったが、それは置いておいて。イングランド東部の水はけの悪い村。そして村には分不相応に立派な教会と鐘。そして死者埋葬のとき、土中で新しい死体が発見される。そして12年前の盗難事件。
ラストシーンは圧巻。映像化してはどうか?
火村のシリーズ。長めの短編集。4話収録だが、全てミステリ。
くどいようだが、江神のシリーズ読みたい。
文体はそれ程ではない。主人公もある意味お気楽ではある。全然暗くはない。が、しかし、重いのである。ずずーんと。
若さゆえの過ちを認めず黄昏てしまった男。そして人生を棒に振らされた女。
前に読んだ「六月はイニシャルトークDE連続誘拐」の続き。4月,5月,6月は3ヶ月毎に出てたのに1年も出ないから、もうやめちまったのかと思ってました。なのに2冊同時に。一学期終了記念ですって。
さて、二学期はどうなるんでしょう?つーか、一年いつ完結するのかな?
前に読んだ「MAZE」に出てきた正体不明の怪しい男が主人公。
今度は不倫相手を追って北海道に移り住んでしまった妹を連れ戻す役。主要登場人物は4人と死体一つ。みんなが何かを隠し、嘘をつき、連帯し、裏切っている。んで、クレオパトラとは?
設定がちょっとだけ未来の話。別にSFとかって訳ではない。出生前遺伝子診断なんかが現実化している時代。全編遺伝子だのDNAだの、って感じ。
20年程前に事故死した男の遺伝子と2年前に殺された身元不明の男の遺伝子が一致した。やがて起こった密室殺人で被害者に残された加害者の皮膚から抽出した遺伝子は少し前に殺されて顏と手足を焼かれた死体のものと一致した。
他人の遺伝子が一致するってのは、前に読んだ本(タイトル内緒)でトリックに使われていたからなぁ・・・。
伝説の同人誌を復刊させようと文芸部を設立し、集まった大学生達の青春群像(というほどではない)。前途洋々、平和な前半が過ぎ合宿に向かう部員。そして事件。
適当に丸め込まれた感じでなんか釈然としない。
「クレオパトラの葬送」の続編。何故か出版社変更。ま、書いてて楽しいんだろうけど、書き続けないシリーズいっぱい抱えたままなのも如何なものかと思うが、どうでしょう?→作者さま。
って、前の紹介文そのままコピー&ペーストしてみた訳だが、最近は「共著」と称して他人に書かせている様だな。「自転地球儀3」とか。総決算するつもりか?なら他のもとっとと他人に書かせて終らせてやって下さいな。→原作者さま。
随分前に読んだ「悪霊都市ククル」の続編。言わずと知れたクラッシャージョウのシリーズ。何年振りなんだろうな。7〜8年かな。シリーズ最初となると確か中学生くらいだったから、20年以上前か。懐かし嬉しい。次(↑)に書くのと違うのはそれぞれちゃんと一巻完結していること。だから単純にうれしい。これまでに出したシリーズも全て書き直して再出版したらしいから、そちらも気になる。今回キャラの強いライバル(かな?)とか登場したからまた書きだすつもりなんだろか。
おっと、紹介。テロリストに狙われながらも幻の獣をハンティングに行く嫌みな金持ちをガードするのが仕事。
この人の本は初めて。4話の連作短編集。四季それぞれの季節、それごとのうまそー旬なサカナがテーマ、つーか、タイトル。
しがない私立探偵が美女から下らない(つーか、日常の謎的なっつーか)依頼を受けて調査するうち毎回奇怪な殺人事件に遭遇する。んで、おさかな。
この人の本、もっと文庫化してください。勿論文庫書き下ろしでも可。
火村のシリーズ。長めの短編集。4話収録だが、全て宿やホテルにまつわるお話。もちろんミステリ。最後は火村センセ大立ち回り。
くどいようだが、江神のシリーズ読みたい。
SF。タイトルの「<改>」ってのは「書き直した」ってこと。
正体不明の敵に不意打ちで攻撃された地球。主人公の搭乗する「雪風」は偵察機。戦闘データを収集し味方を見殺しにしてでも生還するのが任務。
搭乗員が全滅してでも帰還できるようどんどん自動化する。自己保身の為に。そして、敵の正体とは?って。
前に読んだ「灰色の砦」の少し後の話。桜井京介のシリーズ。京介と蒼が出会った話。あまり建築探偵って感じではない。豪邸の庭の温室で住人達3人の腐乱死体。そして生き残った一人の少年は固く心を閉ざしていた。
爽やかな猟奇犯罪なんてないだろうけど、ま、嫌な話。でも少年の行く末は想像できたからかもしれないが、嫌ではない結末。シリーズはまだまだ続く。久々に<オススメ>
一人の男の惨殺死体が発見された。動機の線から犯人を追おうとする警察。しかし、男はひっそりと隠棲しており恨まれる事どころか、他人との係わり自体が何もない。
勿論、犯人探しでもあるのだが、動機探し、被害者の実体探しである。
2冊続けて東野圭吾。2冊続けてハードカバー。2冊続けて借り物。
なんで借り物か?ハードカバーだから。ついでに、あまり好みのジャンルではなさそうだから。ま、そんなことはどーでもいい。
20年憎み続ける男。そいつに騙され続けるアタマの悪い主人公。殺したいらしい。
兄が強盗殺人で逮捕された。
弟の苦悩。そして決断。別にミステリではない。フツーのハナシ。
恩田陸。思いっきり恩田陸。
失踪した異母兄を探しにその恋人だと名のる女性と大和路を旅する主人公。聞き込みなどするでもなく、ただ淡々と彼が最後に辿ったであろう路を進む女性二人。
彼女の真意、そして自分に割り振られた役割。人間関係が二転三転しながらも淡々と物語は進む。そして失踪した兄の真意。
それにしても、出版社サイトのこの本の紹介文はなんとかならんものかな。徹底的にネタバレしてるんだけど、その辺どうなのよ。
何故か萩原朔太郎が探偵役のシリーズ短編集。何で萩原朔太郎なのかはまっ・・・たく不明。
前に読んだ「風烈」の続き。シリーズなんだけど、これまではそれなりに独立したハナシだったんだが、今回は思いっきり続き。
諸般の事情によりイタリアに渡る。赤いバルケッタが登場。パンダもテーマも登場。アルファロメオとフィアットも登場。アルファロメオは気にならない。なんとなく全車種アルファロメオって感じだから。でも、フィアットって何だろ。小さいのもあれば大きいのもRVもある。そもそもパンダもバルケッタもフィアットだ。イタリアじゃ珍しくもない大衆車メーカなんだから、もうちっとなんとかならんものかと。
それはそうと、なんだかハッピーエンド。シリーズ最終回か?
乱歩賞受賞作。
連続爆破犯を追う刑事。犯人のアジトにいた心を持たない謎の男。そしてその男の精神を探る医師。果たして男は爆破犯の共犯なのか。
男の過去。そして精神世界。この男気になる。続編出ないかな。出ないだろうな。
放浪探偵・・・。別に放浪してないな。ま、いいか。フリーター(かな?)が探偵役のシリーズ短編集。
随分と長〜いこと積んでた本。これで年越しした未読本は終わり。
医療サスペンス、といったトコロ。婚約者を失った失意の主人公。ある寺で謎の僧侶と出会う。そしてブラジルへ。そこは最新設備を誇る医療施設。そこで、同じく婚約者を失った女性達と出会う。その病院の真意は?って。いつもの帚木蓬生。
3つのエピソードが並行して語られる。
お下劣な保安課の警官のエピソード。卑劣な公安の警官のエピソード。そして、記憶をなくした青年のエピソード。
それぞれのハナシが一体どう収束していくのか・・・って。
それにしてもぶ厚い。長いのはいいんだけど、持ちにくい。下の本の逆。上下巻にしてもフツーの文庫より厚いくらい。何で分けないのかな。下巻だけ売れ残るの危惧してるとか?
去年の11月から積んでいた。4ヶ月に1冊ずつ出ていてこの度めでたく完結したのでイッキに読んだ。それまで1行も読んでいない。長い話なら読んでいただろうが、薄いから読みだせばイッキだろうから。まとめればフツーのノベルズになるだろう。何で分けるのかな。結局高くなるからだろうな。
まるっきり恩田陸。「木曜組曲」とか「ネバーランド」あたりな感じかな。6人の高校生男女が集まった夏休み。過去の事件。記憶。<オススメ>
前に読んだ「Twelve Y.O.」に繋がる話。でもこれはこれで独立した話。
この作者が乱歩賞に応募して落ちた(というか、激論の末受賞しなかったらしい)作品をデビュー後書き直して出したもの。
前2作から比べるとスケールが小さい(つまらない、と言う意味ではない。直訳です)。任務を捨て一人の女性を守ることにしたあんちゃんと元警察官のおっさん、そしていろんなスジの方々。
おなじみズッコケ刑事コンビの温泉殺人事件シリーズ。
今回コンビは有馬温泉へ。ま、書かんでもタイトルで判るだろうけど。久々に二人でお出かけ。出先で事件に遭遇。警部の幼なじみの女性が殺される。有名温泉の女将。東京でも一人殺される。身元不明の外国人。
今回はなんだかオトボケぶりはなりを潜めている感じ。
随分と長いこと積んでたな。
スペイン領内で核爆弾が一基紛失した。探す米軍と誰か。そしてギタリスト。
スペインもギタリストもいつものことだ。
父親が泥棒の汚名を着せられたうえに殺された。それから15年、時効直前に息子が事件の謎を解くために故郷に舞い戻ってくる。
キャッチコピーは「田園派本格ミステリ」となっている。ま、舞台は明らかに描かれていないが、山梨のほうかな。
前に読んだ「フォー・ディア・ライフ」の続き。
無認可保育園の園長で私立探偵の元警察官が主人公。保育園でも探偵業でも大忙し。今回は殺人事件なんか起こったりして更に大変。
やっぱり続きが読みたい。とりあえず、<オススメ>
ヒミコは卑弥呼ではなくて米の品種のこと。
記憶を失った少女を保護した主人公。なんでか警察には行きたくないとか。そして少女は草木の気持ちが読める。「ヒミコは日本を滅ぼす」
さすぺんすちっくにハナシが展開する。
関係ないハナシだが、創元社から出てる「ミステリーズ」という小説誌があるのだが、これに「邪馬台国はどこですか?」の続編が連載されているのだ。楽しみなんだが、季刊誌なんだよな。ま、いいか。メフィストは年3冊だし。
前に読んだ「探偵ガリレオ」の続き。というか、シリーズ。
物理学の助教授と刑事のコンビがオカルト的事件を科学的に解明する、というシリーズ短編集。目次見ると5章だての長編みたいだが、単なる短編集。
前の紹介文そのまんまコピー&ペーストしてみました。
怪獣、宇宙人、幽霊そして改造人間。非現実的なのはいつものことだが、今回殆どミステリではない。下らないけど面白い。それでいいではないか。
それはそうと喜国雅彦(イラスト書く人。単行本もあるらしい)好き。
軽め(?)のハードボイルドですね。この人の本はそれ程読んではいないのだけど、大体がそんな感じ。
刑務所から4年振りに出てきた男が主人公。弟が殺された謎を追うんだが、何故それに拘っているのかがよくわからない。それはさておき弟が残した中国の古美術品(もちろん非合法モノ)をめぐって色んな人物の思惑が入り乱れてもうてんやわんや。
しかし、この主人公お金持ちですな。羨ましい。
年齢不詳、正体不明の猫丸先輩のシリーズ。これは長編。しかも著者初めての長編とか。
タイトルはなんとなく爽やかなんだけど、人は死にます。3人殺されます。オビに書かれているから遠慮なく書いてみた。でもオビよりまし。オビには殺され方まで書いてあるし。
今回のこの先輩、相変わらずとぼけてはいるんだけど、いつもほど傍若無人ではないですな。一応長編推理小説の探偵さんやってます。
楡周平だからとよく確かめもせず買ってしまった訳だが、昔の中国(みたいなかんじ)モノということでちょっと身構えてしまった。
オビに「『三国志』『宮本武蔵』に肉迫する感動巨編」と書いてある。誰のそれらと比較しているのかはともかく、そんなに大それたもんでもないだろう。
その昔の五国の勢力が拮抗しているとある大陸でのお話。ま、五国といっても実質二国だし、登場人物もそれ程多くないので「あれ?こいつどこの誰だっけ?」なんて事にはならなくて済みます。物語中流れる時間も5年程度だしね。わりとさらりと読める。
ある人形を取り巻く人々、そして人形師。翻弄し翻弄される人間と人形。
なんか読んでいて加納朋子とは思えなかったのだが。恩田陸だと言われても疑わなかったかもしれない。加納朋子らしさ(もちろん個人的印象である)が希薄なのである。ま、いいんだけど。
かなり長いこと積んでましたな。
誘拐モノ。夫を誘拐されたアル中の妻、夫を取り返す為に奔走する。ってのが本流かな。本流の誘拐エピソードのこれでもかこれでもかの展開が意表を突かれて面白いのだが、その脇にいくつもの支流が流れていてちょっとなんだかまとまり無くなってる感じ。隣のばーさんはどうなったんだろう。
そうそう、相手が先に電話切ったときに聞こえる音はリングバックトーンではありません。→作者殿。
森江のシリーズ。弁護士時代。
アリバイモノって、大抵「絶対コイツが犯人だ!」って確信があって(理由はともかく)、でも強固なアリバイがある、だから崩そう、ってな展開になるじゃないですか。即ち物語の大団円で犯人が明かされて驚く、という結末にはならないわけですね。でもこれは、ま、違うとだけ言っておく。そもそも肝心の警察は犯人絞ってないし、だから当然アリバイなんて何にも拘ってないし・・・。
前に読んだ「空夜」の続き。主人公も替わってるからまるっきりの続編ではない。でも主要登場人物が同じ。今回も緩やかな恋愛小説。あるいは政治小説。でも、なんだか前にも思ったけど、能って見てみたい。
前に読んだ「タイムスリップ森鴎外」の続き。というか、シリーズ。前回タイムスリップしてきた鴎外を受け入れた側の現代の女子高生が、今度は明治維新直前にタイムスリップする、というもの。そこで現代に戻るため、次第ににずれて行こうとする歴史を修正しようと奮闘する。
前に読んだ「スキップ」「ターン」のシリーズ。別に続き物ではない。「時と人」というシリーズ。「スキップ」は女子高校生の心がいきなり未来の自分に飛んでしまう。「ターン」は同じ日を延々と繰り返す時間の狭間(?)に落ち込んでしまう。んで、今回である。第一部は戦中の女子中学生時代を語る長い、なが〜いモノローグ。第二部は一転して現在。入院したお父さんが娘達に過去を語る。いつ時間が?リセットされる?とか思って読み進める。そして第三部。久々に<オススメ>
目が覚めたら見知らぬ部屋。しかも半年経ってるし。更にどうしたことかカラダ違うし。そしてやっぱりこうなったからには自分探しの旅。最初は。
ホーガンにしては珍しく(かどうかは知らないが、今まで読んできた限り)アクションSF。でもね、そのつもりで読んでいたらこりゃ驚いた、ってな感じ。油断していたんですね。その可能性すら思いつかなかった。しかし、このテのハナシとしては珍しく(当社比)奇麗に終ったんではなかろうか。いやいや、恐れ入りました。
探していた本。売れていて品薄だったのではない(おそらく)。
前に読んだ「探偵の夏あるいは悪魔の子守歌」のシリーズ。なので、いつあの探偵さんがでてくるのか、とか思っていたら遂に出てこなかった。違う人探偵だったし。早い話が、全く独立した話。
地元の有力者一族の長老が自殺した。遺言を残した。遺族が遺産を狙って泥沼。一周忌に旧知の旅役者が現れた。そして事件は起きる。
江戸期には処刑場があり、晒し首などされていたらしい、暗闇坂。坂の上にそびえる異形のクスノキ。そして荒廃した銭湯、元外国人学校校長の屋敷。
そして事件は起こる。もちろん連続大量殺人事件。
あるデパートの屋上にあるうどんの屋台のおばちゃん。この屋上では裏顔役といったところ。
一人称は同じ屋上にあるお稲荷さんの使い狐だったり、古びた観覧車だったり、ベンチだったり、ピンボール台だったり。そして次々と事件が起こる、起こる。実社会だと考えられないくらい。
事件は色々起こるが全体的に嫌ぁな結末。オビには「ほろにがくて切ないミステリー」とか書いているが、ちょっと控えめな表現かも。表紙には「長編推理小説」と但し書きがあるが、決して長編ではない。連作短編集である。それぞれの編が後の編に影響を及ぼす。そして全編で仄めかされるおばちゃんの謎。
尋常ならざる高温で焼かれた死体。縄文時代の技術では到底作りえない美しいブルーの土偶。始まりはミステリ+考古学。
十年前に失踪した父親を探す若き比較文化史学(考古学の一種らしいがよくわからない)の先生の前に次々と現れる「何か」を受け継いだ人達。
ほんの数日間の話なのにどこまで突っ走るんだぁ!な展開。
それにしてもなんでホラー文庫なのかは理解不能。裏表紙の紹介文にも「サイファイ・ホラー」とか書いてるけど。ま、内容の一部分のほんの表面だけを切り出してビジュアル的に表現すれば「ホラー」的になるかもしれない。カドカワは小説なんざビジュアル作品の原作にしか考えていないようだから(激しく偏見)そんな分類になるのかもね。
短編集。前に読んだ「物体O」よかSF味は薄い。とはいっても思いっきりSFだが。ブラック、というより、ややお笑い寄りかも。
ミロの話。前に読んだ「天使に見捨てられた夜」からだと5年ぶりの御無沙汰でしたか。ちょっと「村善」も顏出したな。「水の眠り灰の夢」からでも4年ぶり。
短編集。なんだか行間が広いような気もするが、気にしないでおく。
時間的に前に読んだ長編のどこら辺に位置するのかは不明。前作読み直せばわかるかも知れないが。ミロのダンナも出てくる。ミロの高校生時代も回想している。
前に読んだ「プレゼント」の主人公の片割れが主人公のシリーズ短編集。
前に読んだ時からこれまで色々あったようで(書かれていないのか、読んでいないだけなのかは不明だが)、なんだかすっかり雰囲気が違っています。なんだか今回全体的にいや〜な雰囲気ですな。んな事したって誰も救われないでしょうに。
当然ながら「宇宙海兵隊ギガース2」の続き。
暗躍する軍情報部、後方で扇動する軍上層部。反戦派の議員とジャーナリスト、そして敵の情報部。困惑する前線。
一体なんのための戦争か?謎は深まるばかり。そして話はまだまだ続く。
シリーズ短編集。作家の先輩と刑事の後輩。後輩が行き詰まると先輩のところに行って謎を解いてもらう。
12巻が2000年の8月だったからほぼ3年振り。でも本編だけ数えると12巻のほんの数ページの前は1996年5月の10巻だから7年振りの再開か。竜堂兄弟が倫敦ぶっ壊して京都について風呂入って寝て起きたころ産まれた子供が今や小学2年生なのである。まぁ、ど〜でもいいけど、作者か私のどちらかが死ぬまでには完結させて戴きたいものです。(他にも書きかけでほったらかしている本がいっぱいあるけど)
公式ホームページを見たら「自転地球儀」のシリーズは「以下続刊」と書いているが、「タイタニア」は既刊リストには掲載されていない。了解しました。「タイタニア」は「無かったこと」になっているということなんですね。待っていても無駄ということだ。
世間から隔絶された「学校」で生活する11歳前後の少年少女6人。奇妙な「授業」と「実習」、寮内で見せる大人たちの密かな行動、小さな違和感の数々。新入生がやって来たとき、「学校」に潜む「邪悪なモノ」が結末に向かい走り始める。
な〜んて紹介すると学園サスペンスぽくなってしまうな。違うとは別に言わないけどさ。「学校」の正体について自分でも色々想像しながら読み進めるわけだけど、まぁなんということでしょう。おっどろいた、と。
タイトルはなんと読むんだろうか。まさか「つぼちゅう」ではあるまい、とか思って調べてみる。で「こちゅう」のようだ。しかし何のことはない。作中半分手前位でふりがな付きで解説が出てきた。なんでも「壺中の天」とは中国の故事の類いらしい。意味は書かないけど。
で、内容である。とある田舎町で連続殺人事件発生。一見共通点のなさそうな被害者達の意外な共通点とは?ってな話。
昔読んだ「金閣寺に密室」の続き。前作の最後で旅に出た一休と新右衛門と茜の三人。茜の両親の消息を追って旅する道々で不思議な事件に次々と出会う。全8話の短編集。
タイトルは誤変換ではない。念のため。
目次をみると、六章だての中編と短編が2編のように見えるが、6編のシリーズ短編と2編の別のシリーズ短編である。第×章ではなく、第×話とすべきではないかな。まぁ別にどうでもいいことだけれども。
中編もどきの方は、小学校非常勤教諭として学校を渡り歩いている先生。赴任先で色々事件は起こる。勿論舞台は小学校。残りの2編は小学生が主人公。
元々が学研の学習雑誌に掲載されていたもののよう。即ち、お子様向けである。だからといってチョロイわけではない。
20年前、産院から一人の乳児が誘拐された。
偶然男女が写り込んだ芸能人のスキャンダル写真を切っ掛けに20年前の怨念が再び動き出す。
錯綜する人間関係、前後する時間、そして人物不明の情景描写はいつもの如く。
戦後日本の推理小説における三大奇書といわれているものの1冊である。新しめのミステリ作中でのミステリ談義なんかでよく目にする。有栖川有栖の「月光ゲーム」 でアリスと江神の出会いのシーンにも使われていた。そんな理由で気にはなっていたのである。本屋で見かけたので取り敢えず買ってみた次第。
似たような理由で昔やはりその三大奇書と言われている内の1冊、夢野久作「ドグラ・マグラ」を読んでみたが、これはダメだった。だから、今回も何だか恐る恐るな感じで読み始めたのだが、割とフツーで安心した。
初版は昭和39年発行、今回手に取ったのは講談社文庫版で50刷。初刷は昭和49年。さすがに少し読みにくい。言い回しがなじみにくかったり、読めない漢字とか(私としたことが)知らない単語とかもあったりして。
内容は割とフツー。とある屋敷の風呂場の密室で住人が死ぬ。素人探偵衆が推理を組み立てては壊し、新たな証拠が発見され、また組み立てては壊す。そして次の事件が起こり・・・。そんなカンジ。一応アンチ・ミステリというカテゴリーだそうだが、どう「アンチ」なのかはよくわからない。別にわからなくてもよい。
毎月1冊づつ5ヶ月にわたり刊行。全5巻。厚さ14センチ(実測)。別に今日一気に読んだわけではない。毎月出るたびに読んではいた。最終巻読み終ったのが今日だ、ということ。
謎の集団が始めた全人類抹殺計画。その名も犯罪オリンピック。全人類を1年かけて滅亡させるという。そして、計画発動時点からホントに一日の死亡者数が13万人から400万人へと何故か増加する。謎の集団の正体を突き止め犯罪オリンピックを阻止しようとする探偵集団、内或いは殺され、或いは姿を消す。そして驚愕の真実。
現在世界最長の推理小説と言われている二階堂黎人の「人狼城の恐怖」よりは長いんだが、世界最長とは言われていない。やっぱりこれは推理小説ではないんだろうなぁ。間違いなくミステリではあるんだがな。つーか、どーでもいいか。分類方法は人それぞれだろうしな。
それにしても、獣人か、オレは。
国名シリーズの第7弾。作家アリスと火村センセのシリーズ短編集。と、言っても結構長め。4編の内最後の一編が本全体の約半分。しかもこれ、先月メフィストで読んだばっかりのやつ。ま、どーでもいい話だ。でも、なんか久し振りにアリスの出てくる本読んだ割にはそうでないような気がするのは、こないだメフィストで読んだからか?結局どーでもいい話になってしまった。
心臓移植を受けた青年が、手術後自分の嗜好が変わっていることに気付く。あまり好きではなかった肉が好きになり、コーヒーはブラックから砂糖倍増に。また、聴いた事もなかったクラシック音楽の記憶(?)が蘇り、更にお粗末な画力だったのが粗削りで個性的ではあるものの結構な腕前となっている。
その原因を移植された心臓にあると考えドナーに接触しようとする。そしてその真相は?
なんだが、東野圭吾の「変身」とか。こちらは脳移植だが。
歴史街道というものは知らなかった。伊勢〜飛鳥〜奈良〜京都〜大阪〜宝塚〜神戸を結び、途中の場所場所でそれぞれの歴史を感じましょう、といったルート。
内容はその歴史街道にばらまかれたバラバラ死体と、失踪人調査を受けた弁護士の話。
江戸末期、空を飛びたかった男の半生を軸に、地廻り塩問屋、買い積み弁財船の船頭が織りなす時代ロマン。
オビのコピーに「全日本人必読!」とある。なんと大げさな。あまりやらない事ではあるが、北上次郎の解説から一文丸ごと引用しておこう。「変化を求めず、このままでいいと考えている人間には、とても危険な小説といっていい。」そして、私からは、<オススメ>
おなじみズッコケ刑事コンビの温泉殺人事件シリーズ。
今回もコンビは別に温泉に行っているわけではない。東京で起こった事件の調査で二人して赴いている。東京のマンションで裏ビデオ販売業者が腐乱死体で発見される。推定死後1年。若い妻は失踪。
しかし、最近(読んだ順においてだが)は休暇に警部が刑事を温泉に強引に誘うことしない。旅先で毎回事件に巻き込まれるのは非現実的すぎるとか批判でもされたんでしょうか?
おなじみズッコケ刑事コンビの温泉殺人事件シリーズ。
今回もコンビは別に温泉に行っているわけではない。警部が恩師より巻き込まれた殺人事件の相談をうけて動くのである。刑事の方は殆ど出番なし。
二階堂蘭子のシリーズ。短編集。
短編集だからコメントしにくいけど、いつものカンジの探偵小説。
しかし、二階堂蘭子は人狼城の事件の直後に自ら失踪してから一向に帰ってこないようですが、どこに行っているのでしょう。気になります。
おなじみズッコケ刑事コンビの温泉殺人事件シリーズ。
今回はコンビは別に温泉に行っているわけではない。刑事が一目ぼれした人妻。元婚約者の消息を久し振りに知った。死んでいた。それも殺されて。
短編集。昔編まれた短編集の復刻なのか今回編まれたものなのかは不明。言うまでもなく全てSF。毛色は色々あるが。
年齢不詳、正体不明の猫丸先輩のシリーズ短編集。これまでに読んだこのシリーズは「日曜の夜は出たくない」だけ。見かけたのでつい買ってしまったが、殆どの編は読んでいた(泣)。ま、しゃーない。
日常の些細な謎を猫丸先輩が解いていく、というもの。
前に読んだ「鬼流殺生祭」の続き、というか、シリーズ。
今度は連続美女バラバラ殺人事件である。バラバラ死体はお稲荷さんに捨てて行かれる。が、その一部、頭だったり腕だったり脚だったりが何故か隠されたまま。
一審無期懲役で控訴中の連続婦女暴行犯が冤罪をマスコミに主張する。やがて様々な新たな証拠が発見される。そして二審が結審したとき、15年前の悪意が再び動き出す。
前半はルポ風に淡々とハナシが進むが、二審結審後一気に雰囲気は変わる。錯綜する視点、曖昧な一人称。そして結末。
濃密な大人のラブ・ストーリー、ですって。
ドメスティックバイオレンスを受けガーデニングに逃げ込む主婦。そしてある男と出会って以下省略。
どうにも嫌あなハナシだな。救いが無いというか。
ある女子大生が卒業論文の題材に偶然見つけたある夭折した詩人を選ぶ。そしてある郷土史家、末期癌患者と出会う。詩人の遺児が同じ市内にすむ事を知る。そして事件が起こる。そしてそして・・・。
悪意の糸に操られて因果が踊る。
警戒しながら読んでいたのである。前に読んだ「ハサミ男」では思いっきりアレだったから。でも、裏切られた。今回は思いっきり古式床しい推理小説というか、探偵小説なカンジ。横溝正史とかの。
フリーライターが雑誌の依頼で胡散臭い話(泉の水を浴びると癌が治ったとか)の取材に行く。その先の村で殺人事件に巻き込まれる。それほど排他的な村には書かれていないが、リゾート開発計画や、怪しい集団移住者なんかがいたりして。
シリーズ短編集。ダイイングメッセージばっかり8連発。「九つの殺人メルヘン」はアリバイトリックばっかりだったが、これは安楽椅子探偵ではなく無意味に現場を飛び回る。
オビに「今、定説は覆される!!」ってあるけど、定説って知らないし。下らない授業(歴史の授業ってホントつまんなかった)で習った以外には鯨統一郎の「邪馬台国はどこですか?」で異説を読んだだけだ。
時代小説ではない。現代の病院のベッドの上で暇つぶし(?)に見舞客達と考察を繰り返す、というもの。
当然ながら前に読んだ「ドリームバスター」の続き。
前回はドリームバスターたる本業の話が2点と彼らの世界でのいざこざが1点だった。本業の方の相手はまさしく極悪人。今回は本業2点と並行していざこざ1点。本業の方の相手はいい極悪人(?)。
前回最後の話で出てきた友人が失踪した。新人ドリームバスターが行方不明になている。どうやらあちらの世界もキナ臭い話になってきたようだ。そして話はまだまだ続く。
2年ほど積んでたか?やっと読んだ。
児童文学ファンタジー大賞受賞作なんだそうであるが、これが児童文学なんですか?最近のお子様はこんなの読めるんですか?いや、お子様だからこそ単なるファンタジーとして読めるのかな。汚れた大人ならそれなりに、ってことか。
確かにファンタジー。近所の朽ちた洋館の大鏡から異世界に渡った少女が成長してゆく、っていう王道。現世界に残された人々もそれなりに。
教師が殺された。そしていろんな立場の人が犯人を探そうとし探偵活動を始める。
1章は被害者が担任していたクラスの生徒。2章は被害者の同僚教師。3章は被害者の元恋人。4章は被害者の不倫相手。一人の女性を己の立場から捉えて事件を解決しようとする探偵役達。
各章の探偵役達はそれぞれの相対的立場において犯人を特定する。そして事件の真相は・・・。
異星人(多分)と出会った。政治家が接触してきた。政治家が我欲のために異星人を操った。異星人は言われるがまま願いを聞き届けてやった。それが大騒動に。ブラックコメディーなSF。
なんかコメントしにくいんだよね〜。
話Aの前半、話Bの前半、話C、話Bの後半、話Aの後半の順で構成されている。各話自体には何の関係もない。ついでに話Cの中で探偵(下っ端)の回想という形で事件Dが書かれている。都合互いに関係のない事件が4つ。
核となる事件Cが「安達ヶ原の鬼密室」と題されている。太平洋戦争時の疎開先で起きた大量殺人事件を現代の探偵が解く、というもの。
目次もないし、読み始めたときは戸惑ったよ。
探偵役は民族学の助教授。フィールドワーク先(勿論民族学の方)で何かしら事件が起きる。当然解決するわけだが、実際の事件を解決する他に民族学的謎の方も解明するのである。民族学については何言っているのかわからない、というのが正直なところ。じっくり読めばふ〜ん、なるほど〜。などと思ってしまうのは定説すら知らないから。だからと言ってつまらないなんて言うつもりはまるでない。
おっと、シリーズ短編集の第一弾です。
大昔、多分小学生か中学生の頃。一時期小松左京のジュブナイルが好きでよく読んでいた事があるのだ。これはジュブナイルではない。読んだことはない。多分。
内容はタイトルの通り。殺人予告と不可解な死。そして事件を追って行くうちに、次の地球の覇者を狙うナニモノカの攻撃であったと知る。そして結局継ぐのは誰?という話。
ジュブナイルも読んでみたいんだけどな〜。手に入らない。
前書きとして著者自らが語っている。「物語によって慰めを得たり、安らかな心を得たいという方には、このお話は不向きです」
ミステリなんだから、読み終って心洗われたり自分の人生を省みたりあんまりしないだろうと思うのだが、どうなんでしょ。まぁ、この作者はあんまり悲惨な事にはならない話が多いからわざわざ注釈入れたんでしょうかね。
自宅に帰ってきた主人公が自宅に群がる警察を見て不審に思い、自宅に電話してみると見知らぬ男が電話に出て妻を人質に籠城しているという。それを聞き、妻を助けるために奔走する、という話。
この上の紹介文には一切嘘(物語に対する)は書いていない。でも、背表紙の紹介文には明らかに嘘が書いてある。オビのコピーも際どい。いや、嘘というより、作者の共犯者になっているだけか。
んなことはどーでもいいか。三連発だが<オススメ>
前に読んだ「亡国のイージス」の2年ほど前。「亡国のイージス」に繋がる話ではあるが、これはこれで独立した話。
アメリカと日本、それぞれのエゴと打算。自衛隊、両国の諜報員、管轄争い、化学兵器、秘密文書。
こんな戦時下に読むものではない。よけいブルーになっちまった。でも<オススメ>
シリーズ短編集。主人公は中学生時代の新聞部の仲間4人。ミステリっぽくないのもあるが、探偵役はその当時の新聞部顧問、今はミステリ作家。んで、猫探偵正太郎の育ての親でもある。犬は出てくるが別に喋らない。猫はでてこない。
大人になった4人(ともともと大人だった1人)の切ないミステリ。
しかしま、このひと色々書くのね。<オススメ>
ミステリアス学園のミステリ研究会でのミステリ談義。全7話。それなりに事件は起こる。しかし、最終話は余計。途中からそんな気がしてきたんだが、結局下らない結末。全くの個人的嗜好ではあるが。
前に読んだ「棺の花嫁〜聖なる血の城」の少し前の話。別に話が繋がっているわけではないが、探偵役が同じ人。
女子校時代の親友が不審な死を遂げた直後、その本人から手紙が届く。相談があるから会いたい、という。彼女の死の謎を突き止めるため、彼女の勤務先であり、住所であり、死亡現場である彼女らの母校に赴く。そして・・・。って。
おなじみずっこけ刑事コンビの温泉シリーズ。
今回は京都の秘境めいた温泉宿でお見合いの刑事さん。んでそこで殺人事件。今回の探偵役はそのお見合い相手。
昭和五年、横濱から倫敦に向かう客船箱根丸。道中色々起こる起こる、連作短編集。
しかし、ま、2ヶ月近くも閉じこめられて(って言っても寄港地では上陸出来るわけだが)精神状態とか人間関係とかどうなるんだろうな、とか想像してみたりして。でも想像の埒外。ハナシは大体壱等客室で展開するわけだが、参等客室なんかだったりしたらもっと凄い事になってるんではないかな、とかね。でもって、今年初になるわけだが<オススメ>
ぶ厚いんである。厚さ2冊で約8センチ。でも、ソフトカバーだからそれほど持ちにくくはない。
小学5年の少年が、自分の運命を変える為に幻界(ビジョン)と呼ばれる異世界のどこかにあるという運命の塔に住む女神を探す冒険の旅に出る、というもの。ファンタジーの王道といった感じ。幻界の世界観もいかにもファンタジーな感じ。
サブタイトルは「迷宮浪漫」、オビのキャッチは「謎の美形心理探偵「ハーレクイン」登場!」である。
まぁ、心理探偵かどうかはどーでもいい。どちらかといえば「幻想探偵」な感じかしらね。清涼院流水ではない。長編ではなく、連作でもない単なるシリーズ短編集。相談に来たクライアントの悩みを解放する、という点では探偵ではなくセラピスト。でもミステリ。解説(?)は篠田真由美だが、これはなかなかいい。よくやった。タイトルは「あるいは、西澤さんごめんなさい」。でもやりすぎると単なるアンソロジー。
3部作の2作目。
多額の身代金を要求しない小口誘拐。無事被害者が戻されることで泣き寝入りする被害者達。警察の知らないところで犯行は重ねられていった。役割を分断(分担ではない)し犯人グループのメンバー相互に連絡が取れない状況を作り一人安全圏に身を置く主犯。事件を追う例の3人。
解決シーンなんてまんま「ハングマン」だな、とか思ったりして。あはは。
3冊目はもう出ているようなのでとっとと文庫化してください。
長らく捜していた本。何故だか本屋では貫井徳郎がブームなようで、どこの本屋に行っても貫井徳郎コーナーなんて設置してある。少し前のハナシだが。何か賞取るかさもなくば劇的に死んだのかとか思ったがそうでもない様子。なんでだろ。ま、いいか。
自ら失踪したと思しき若者たち。事件性が見られないので警察は動かない。失踪した若者たちにある種の関連を見いだした警察内部のある人が、秘密捜査を命じる。命を受けるのは私立探偵、土木作業員、そして托鉢僧の3人。
この作者「必殺シリーズ」の大ファン(マニアかも)なのは有名(なのか?)なハナシなんだが、これは「必殺」より「ハングマン」だな、とか思ったりして。
小説家が主人公の短編小説集。それぞれは独立した物語。大抵はホラー、一部コメディー。う〜ん、ブラックだわ。
オビに「思春期という名の難事件。青春ミステリの傑作短編集」とある。あぁ書くのが恥ずかしい。少年向けに書いていた短編(というか、中編ぐらいのボリュームが4編)を1冊にまとめたもののよう。ま、別にお子様向けとは思えなかったが、内容はオビのままな感じ。探偵役(というよりお守り役かも)は仕事している様子もなくゲームおたくな不審な20歳後半位の男。怪しい。
前に読んだ「私が捜した少年」の続きのシリーズ短編集。犬がいなくなったり、イグアナがいなくなったり、私立探偵も大変なのである。
長らく積んでた本をやっと読んだ。読む前に宮部みゆきの「蒲生邸事件」を読み返してみた。あまり意味はないのだが、二・二六事件、タイムトリップつながりということで。もうすぐその日だし・・・。
時間を遡る技術が確立された近未来から、来るべき人類破滅を阻止するために昭和11年2月にやってきた歴史の修正者。錯綜する時間、微かな齟齬の蓄積、緩やかに乖離してゆく史実と事実。「史実」の作成者の意図、そして結末。
今我々は恣意的に修正された時間を過ごしているのかもしれない。
書名の先頭にかぎかっこがあると上の一行がどうにも不格好でしかたがない。どーでもいい話だが。
サブタイトルは「間暮(まぐれ)警部の事件簿」となっている。九編のシリーズ短編集であるが、全て見立て殺人だということになっている。となると思いだすのは「九つの殺人メルヘン」だが(これは全てアリバイ崩し)、こちらは別にバーの一場面のみで話が進む訳ではない。主人公は探偵事務所のスタッフ。依頼を受けて聴き取りなどやっていると間暮警部と谷田貝刑事のコンビが割り込んできて探偵さんに証拠集めなぞを何故か命じるのである。ヘンなハナシだ。
しかも、見立てられるのは1970年代の歌謡曲なのである。「UFO」とか「勝手にしやがれ」とかも。う〜む。
何で一月近くも本を読んでないんだろう。いや、読んでない訳ではない。むしろ四六時中読んでると言っていい。ただ、新作(自分にとって)を読んでいないだけだ。最初読んだときはそれほど面白くなかったけど読み返したら面白かったとか、その逆とか。あるいはもっと面白かったりとか。新作に手を伸ばしもしたが、何故か没入出来なかったのだ。何故なんだろう?自己分析してみるが全く解らなかった。そんな精神状態が長く続いて結局未読本が17冊。いやはや。
で、久し振りに読んだ本。小説ではない。有栖川有栖が国内外の密室を用いたミステリを40作選び、磯田和一がイラストを添えて紹介している。事件当時の密室の状況がビジュアル化されていて楽しい。読んだことのある本は半分もなかったが。しかし、密室状況は紹介されているが、トリックは紹介されていない。それがいいかどうかはともかく、もどかしい。あぁ読んでみたい。そんな気持ちは恐らく出版社の思う壷。
前に読んだ「ねむりねずみ」「散りしかたみに」に登場した私立探偵の最初の事件簿。らしい。今回は特に歌舞伎界とは無縁の出来事である。
失踪した同居女性のものと思しき指を送り付けられた女性が依頼人。その女性を探して欲しい、という。なんか、重いんですよ。正月早々読むようなものではなかったかもしれない。
と、いうことで、今年もよろしくお願い致します。