前に読んだ、「星を継ぐもの」「ガニメデの優しい巨人」「巨人たちの星」の続き。地球人、ガニメアン、テューリアン人、ジェヴレン人、謎の勢力が入り乱れておっとりじたばた。
ジェヴレン人を統治していたガニメアンが手に負えず地球人に救援を求めたところ、謎の勢力が出てきて結局テューリアン人まで巻き込む事件に発展する、ってな話。
一応整理しておくと、ガニメアンはテューリアン人の祖先、ジェヴレン人は遠い昔に太陽系を離れた地球人と同じ種族の末裔。詳しくは前3作参照のこと。
今日3冊目だな。この3冊実は共通点があります。先ず、同じ日に買ってきた。そしてノベルズである。あと、全部シリーズものである。わざわざ買ってることからも当然であるが、お気に入りのシリーズなんである。どーでもいいか。
これは「紫骸城事件」の続き。魔法文明世界。密室殺人。なんかまだまだ続きそう、つーか、なんかこれがなんかの始まりの予感。
前に読んだ「五月はピンクと水色の恋のアリバイ崩し」の続き。どうやら本気で一年分書くつもりらしい。今のところ4ヶ月に1本の割合だから、12本書くには4年かかる。頑張ってください。
舞台は「カレイドスコープ島」に出てきた竹取島。懐かしい人物も登場する。雰囲気は「ドッペルゲンガー宮」かな。
それにしても、このシリーズ完結するまでに「開かずの扉研究会シリーズ」は刊行されないのだろうか?
前に読んだ「猫探偵正太郎の冒険(1)」の続きなんである。前のは「猫探偵正太郎の冒険(1)〜猫は密室でジャンプする」と書くべきかも知れない。「猫は密室でジャンプする」は小さい文字だ。今度のは「猫は聖夜に推理する〜猫探偵正太郎の冒険(2)」となる。「猫探偵正太郎の冒険(2)」が小さい文字だ。なんでこんな事になるのか知らないし判らない。読むだけならど〜でもいい話だが、本棚に並べたり、一覧表にしたりするとなんとなくブサイクなんである。こんな話自体がど〜でもいい話だな。
今度もシリーズ短編集。猫視点の話と人間視点の話が入り交じっているのも前と同様。でも、今回は凄い。なんと22世紀の宇宙ステーションでの密室殺人事件にいつもの面々が登場しているのである。うわはは。
オビに「前代未聞の誘拐小説!事件は犯人側からのみ描かれる。果たして警察は動いているのか?」と書いてある。
まぁ、実際前代未聞かどうかはともかく、そのまんまの内容だな。犯人の一人称で書かれているし。まさにゲーム。誘拐されたお嬢さんに乾杯。おもしろかったですよ。
ところで、携帯電話の通話エリアの特定と通話時間には関係がないように思う。
う〜む。うぅぅ〜む。ぐわ〜。といったカンジ。
前に「人形幻戯」で「そろそろ長編書いてみては如何でしょうか? 」と書いたからではないだろうが、ノンシリーズの長編。書き下ろし。あのとき書いたのは「チョーモンイン」のシリーズの事だったのだが、読めるならなんでもいい。
警察に挑戦するかのうように毎回指紋を残していく連続殺人犯。被害者達の関連を探る警察と、犯人の姿が交互に描写される。やがて警察が辿りついた事実。そして驚愕の真相。
西澤保彦だからこそ、かしら。
読了は後になったが、発行は「ロミオとロミオは永遠に」より早い。何故そうなったか?理由はない。そんな気分だっただけ。
これは今までの恩田陸の本としてはかなり珍しいのではないのだろうか。何がってーと、先ず積極的に殺戮と破壊が行われている。これは初めてかも知れない。ばいおれんすちっくなんである。
正体の良く判らない(読者にとって)組織に追われている異能者の主人公、遥(12歳くらい)。遥はその歳にして既に多くの人を殺めている(らしい)。そして、遥を保護する謎の敵対組織。
謎の組織と異能の主人公が世間の片隅でひっそりと逃げ、追いかけ、盛大に殺し合っている。3章の中盤辺りまではそんな感じで結構雰囲気良かったんだけどね。4章でなんだか話がでっかくなって突然の終幕。そしてとってつけたような5章。う〜む。
遥は追っ手を振り切り、独力で自分の運命を切り開き、やがて「何か」に到達する、といった感じの方がすっきり読めたかもね。つまらなくはないんだけど、なんだか・・・、ま、好みとは違う展開になっただけのハナシか。
前に読んだ「しゃべくり探偵」の続きのシリーズ短編集。
やっぱり昔のコメント見てみた。(あぁ便利なデータベース。くどい?もう書きません)
サブタイトルは「ボケ・ホームズとツッコミ・ワトソンの新冒険」。今回は7話の短編集。ただ、今回は会話だけではなく普通(?)の小説になっているのが3編ほど。
当然前に読んだ「少年名探偵 虹北恭助の冒険」の続きのシリーズ短編集。
昔のコメント見てみたら非常にあっさりしたものでしたな(あぁ便利なデータベース。くどい?自分の苦労を自分で労っているだけです)。あの時は小学生だった恭助と饗子は一気に中学生。大きくなりましたな。ま、2年半も経ってるしな。
ところで、なんですか、この本の出し方は。薄めのノベルスが2冊。いきさつはあとがきに書かれていたが、個人的には厚めのノベルス1冊の方が有り難い。多分安くなるだろうし。まぁ、書店も出版社も著者も儲かってもらわないと私も困るからいいか。
メフィストで読んだのが4編と書き下ろし1編(2冊で)。今メフィストには高校編が掲載されている。まだまだ続くようだけど、次の本は何てタイトルになるのか?
前に読んだ「螺旋階段のアリス」の続きのシリーズ短編集。探偵業も軌道に乗ってきたようで他人事ながらめでたいかぎり。安梨沙も成長したのかな。
それにしても、ちょっと前に作った蔵書データベースは割と便利。今回のように「螺旋階段のアリス」のコメント読み返してみたいと思ったとき、それがなかった頃は片っ端から開いて検索しないといけなかったが、今なら一発で辿り着ける。いや〜便利だ便利だ(自画自賛。しかも独りよがり)。
6月発売予定だったのが延び延びに延びて10月末遂に出版社のサイトから情報抹消されたので「あぁ〜あ」とか思っていたら突然本屋に並んでいた。それに、どうでもいいかもしれないが、中途半端なサイズなんである。四六版に少し足りない幅とノベルズ版に少しあまる高さ。VHSテープに近い。本棚に並べるには徹底的に中途半端。なんでこんな版型にしたんだろう?本屋で平積みになっていなければ気付かなかったかも知れない。
未来の話。日本人以外は新地球に移住している。日本人は地球に残って汚染物質や危険物の除去作業に従事している。なんでそうなったかは詳しくは語られていない。
そして、卒業すればエリートへの道が約束されている完全に閉鎖された世界「大東京学園」が舞台。過酷(らしい)な入学レースの様子は殆どすっとばし入学時点から話は始まる。そして主人公達の見た学園の姿。そして決断。
あまり書くとナンなのだが、恩田陸によると小説のイメージは「大脱走(映画ね)」だそうである。表紙のイラストの隅っこで地下にトンネル掘ってるし。読みはじめるにあたり、ビデオ借りてきて見ておいたのはいうまでもない。それに、全編にパロディーがちりばめられている。学園に隣接する、長年有害物質が体積され未だに複雑な化学反応で有毒ガスを排出している場所、その名は「ディズニーランド」。その中に棲む奇形のネズミは「ミッキー」。怒られないのかしらね。
どうしようかちょっと迷った。でもつけよう、<オススメ>
前に読んだ「軽井沢マジック」の続き、というか、シリーズ。長編。今回もちょっとおふざけ気味だが中身はアリバイ崩しモノ、かな。勿論それだけではないのだが。
ガラスのピラミッドの脇に立つ7階建ての塔の最上階のベッドしかない密室で溺死体が発見される、と。
現在の事件のハナシの前に挿入されるタイタニック号のハナシと古代エジプトのハナシ。必要なんかね、これ。ま、あってもいいけどさ。
小松左京の本はなかなか手に入れにくい。最近なんだか無性に読みたいのだが、特にジュブナイルになるとまるで見かけない。
こいつはジュブナイルではないが、見かけたので手に入れた。古本だが、ハルキ文庫で最近(といっても98年)復刊されたもの。オリジナルは昭和39年に週刊漫画サンデーで連載された。らしい。
エスパイとはエスパーのスパイ。特定の国家機関に属することなく人類の繁栄と平和のために戦う正義の味方。となると敵役は人類の敵。普通人類の敵といっても大抵はやっぱり人類なわけだが、そこはそれ、SFであるからして・・・。
でもモスクワ上空の静止衛星って・・・ま、いいか。SFだしな。
ハナシは変わるが、古いSFというのはまた味わい深いものがある。電話がダイヤルだったりするし、デジタル表示が電光管だったりもする。このあいだ借りてきて見た「ミクロの決死圏」に出てきた将軍さんは懐からおもむろに計算尺を取りだしてなんか計算してたりしたし。そんなハナシをなしおさんにしたら「計算尺ってなんですか?」ですと。廃れた道具と未だ実用化せぬ道具の同居。おもしろい。
最近妙にお気に入りの温泉シリーズ。だからといってこんな読み方はどうかとは自分でも思ったりして。
昨日の2冊から比べれば新しめ。間に何冊かあるようだが、残念ながら発見出来ず。
警視庁捜査一課の警部が部下の刑事に向かって「なぁ、温泉いこうよ」って誘うのからしてコミカル。(これまで読んだ大半はプライベートで勿論自腹で温泉に行って事件に巻き込まれるのがパターン)
想像してみよう。自分の上司に猫なで声で誘われて二人っきりで温泉旅館に行く。これはコメディーではなくホラー。
因に天城大滝温泉には3回程行ったことがある。勿論上司とではない。
最近妙にお気に入りの温泉シリーズ。古本屋に探しに行った。1作目と2作目だそうだ。
ずっこけ刑事(と自分で書いている)コンビはまだ出てこない。4作目で準主役、5作目以降が主役ということらしい。4作目は「白骨温泉殺人事件」、5作目は「ランプの秘湯殺人事件」。
ところで、「修禅寺」と「修善寺」、「由布院」と「湯布院」の違いとか気にしたこともなかったですが、はぁ、そうだっったんですか。蘊蓄もさることながら巻末に数ページ添付されている取材ノートもなかなか。
ずーっと前に読んだ「三度目ならばABC」の続き。というか、シリーズ。それ以来探していたがこの度めでたく発見の運びとなった次第。
今度は長編。死体消失にアリバイ工作。
ところで、タイトルにある「カルディア」って一体何?作中では「カメラ」の名前となっているんですが。って調べたらそんなカメラ実際にあった。商標だろうに、いいのかしら。
下のもそうだけど、昨日泥酔して古本屋に寄って買ってきた本。あまり記憶にはないが。
トラベルミステリでも御当地ミステリでもない感じ。割と軽く読める(だからこそイッキに読んでしまったんだが)。ややコミカル。そういえば、随分と昔に「白骨温泉殺人事件」っての読んでたが、これと同じシリーズでしたな。同じ刑事コンビが出てくる。
25本のショートショートミステリ集。全作、問題編と解決編の間に「少しだけ考えてみてください」なんて書いてあったりして。
口直し(?)に積みっぱなしにしていた本を引っ張り出して読んでみた。
一人8役。事件の証人、犯人、犠牲者、探偵役、助手役、記録者、容疑者、共犯者。ちょっとこじつけっぽいのもあるが、まぁ、そんなもん。ネタバラしていいのか?構わないでしょう。オビにでっかく書いてるし、本文でも1ページ目に書いてるから。
劇団員9人が瀬戸内海の無人島にある別荘に合宿稽古に行く。そして結局焼死体1つ、記憶喪失者1人、失踪者1人。
ま、なんとなく想像していた結末。
くっだらねぇ終らせ方。
前に読んだ「腐蝕の街」の続き。前作の最後で敵役が主人公の精神に入り込んだようだが、今回いよいよ正体を表す。内なる敵。
そして前作の敵役のもう一人がサーバー上に構築された虚構の無法世界を通じて主人公達に賞金を掛けて攻撃させる。外なる敵。主人公の逃避に手助けした人達も次々と賞金首にされる。今回はなんだか逃げ回ってるだけの感じがしないでもない。
ところで、潜伏していた3人はどうなったんだろう?
昨日の夕方から今日の昼までぶっとおしで読んでいた。海洋冒険小説と銘打っているが、クライム小説、あるいはパニック小説、でなければ政治小説。もしくは戦争シミュレーション小説か。つーか、盛りだくさん。
ま、あまり書くとナンなのでキーワードだけ列挙すると、海上自衛隊最新鋭イージス艦、アメリカの最新生物化学兵器、北朝鮮秘密工作員、などなど。
エピローグはともかく、事件自体の結末はな〜、悲しいっつーか、憐れだな。でもきっと現実もこんなモノか?
ま、そんなことはともかくこれは秀逸な娯楽小説であると同時に危機警鐘小説である。がらにも無い事書いてるような気もするが、これは<オススメ>
ずいぶんと前に読んだ「流塵」の続き。なんと1996年から6年ぶり。おもいっきりハードボイルド。愛車はマセラーティスパイダー。間で何があったかしらないが、いつの間にか2台目となっている。相変わらず重いです。いやな結末だし。しかたないか、ハードボイルドだし。あまりハッピーエンドにはならんわな。
ずいぶんと前に読んだ「白い迷宮」の続き。なんと1994年から8年ぶり。最初は徳間ノベルズからだったのに3冊とも講談社ノベルスから出し直して、今回は講談社ノベルスでシリーズ完結。何でこんなことするのか知らないが、ま、どーでもよい。長いブランクはこの作者の得意技。「タイタニア」なんてもう書く気さらさらないんだろうね。「創竜伝」「アルスラーン戦記」あたりも危ないかもね。「自転地球儀」も3冊目出ないまま文庫化されてたし。書かないでも書けないでもいいけど、一応終らせて欲しいね。もう中途半端でもなんでもいいから、登場人物ひとまとめにして爆弾で吹っ飛ばして全巻の終わりとか。
おっと、こんな嫌み書いてる場合ではない。本の紹介である。
ゴシックホラーと銘打ってるが、ホラーはともかく、ゴシックって?一応辞書引いてみたが、12〜15世紀ごろフランスで発達した芸術だそうで結局意味不明。まさかフォントのことでもあるまい。こころを揺さぶるフィナーレとかあまりに美しいフィナーレとかも文字がオビに、背表紙に踊る。そうだったのか・・・。これまでの登場人物とか再登場させて無理やり終らせた感じがするのだが。だいたい、このシリーズは1冊完結でシリーズ化していたのだから、無理やり終らせることないのにね、とか思った次第。上に書いたように1冊で終らない長い話で中途半端なの一杯あるんだから、無理やりでも終らせるならそっちさきにやれよ、と。(結局嫌みで終わり)
前に読んだ「翡翠の城」の続き。建築探偵桜井京介の事件簿シリーズ。
今回はシリーズ主要メンバーである桜井との出会いとそのとき巻き込まれた事件を回想として栗山が蒼に聞かせる。
私設学生寮のような下宿で出会った2人、そして連続殺人事件、いや〜な結末。
その事件後桜井と蒼が出会うらしいのだが、本になってるのかしら?少なくともあとがきで公表されている題名の本は出ていないようだが?
ハードボイルド探偵小説、かな。
主人公は自室を事務所にしている私立探偵。所長兼スタッフが一人きりの一匹狼。しばらくは結婚するつもりはないが一応彼女はいる。これまでの人生の苦悩が顔面の肌に細かい年輪として刻まれ、年の割に老けて見える。健康のため酒も煙草もやらず、朝は一杯のミルクを飲むことにしている。愛車はブルーバード。
この厭世的で皮肉屋な主人公の一人称で物語が綴られる、シリーズ短編集。主人公はカッコつけているがどことなくコミカル。続きが出ているようなので是非読みたい。早く文庫化していただきたい。ので、<オススメ>
前に読んだ「3000年の密室」に続き今回も縄文人登場(別に生きてる訳ではないが。あ、縄文人探偵とかどうかな?)。今回の縄文人は殺されているわけではないが、DNA鑑定の結果大きな謎が。
で、殺された人はその遺跡の発掘責任者。死体はなんと室戸沖の1000メートルの深海で発見され、発見者は深海調査船。それはそれで凄い。
ミステリなんだけど、多分アリバイ崩しモノなんだけど(時刻表なんかいっぱい挿入されていたが)、殺人事件それそのものよりも縄文人の謎が解かれていく過程の方が興味深い。
列車内で読んだ。
維新直後の明詞(ということになっている)の時代の東京。主人公は元公家。元士族の霧生家で起きた殺人事件の解決を依頼される。探偵役は元藩主の三男。別にチャンバラはないのだけれど。
この作者のもう一つのシリーズ。前に読んだ「名探偵 水乃サトルの大冒険」の少し前、かな。こちらは長編、恐らくシリーズ1冊目。
変人の主人公と彼に恋する会社の部下が出張の帰りに殺人事件の巻き込まれる、と。二階堂蘭子のシリーズのような探偵小説風(横溝正史とか、江戸川乱歩とかの香りがぷんぷんするような)ではなく、ちょっと軽めのミステリ。
ま、そうでなければ別シリーズにする必要もない。
短編集。つーか、短編2編と中編1編。いや中編というより短めの長編。
中編というと某社の某文庫を連想する。目の敵にしているようだが、しているのである。それより遥かに長い。それに短編が2編ついて600円。これがお買い得というのではない。某文庫が高いのである。
おっと、そんなことはどうでもいい。内容は、3編とも二階堂蘭子のシリーズである。としか・・・。
このヒトの本は初めてである。デビュー作。メフィスト賞受賞作だし。
連続猟奇殺人犯の「ハサミ男」が自分の模倣犯を探す、というもの。ま、あんまり内容を書くとアレなので詳しく書けない(と書いた時点でアレ)。
第一発見者の名前が捜査線上に上がった時点で少し最初の方を読み返してみて「アレかな?」と思ったら案の定「アレ」だったが、ソレだけではなかったので、ま、よいよい。
う〜む。この作者だと「秘密」系かな。時を遡り親に会う、ってのだと西澤保彦の「異邦人」とか。味付けは全く違うが。「異邦人」はミステリだが、これは違うもんなぁ。
それにしてもこのおとーさん苛々させてくれますな。程度の差はあるが実際にこんなヒトいるもんね。自分で勝手に大騒ぎした揚げ句結局ロクでもない結果にする奴。まわりは諦めて静観しながら事後処理考えてる。さて、私は誰を連想しているでしょう?
前に読んだ「四月は霧の00密室」の続き。前は袋綴じだったが今回はフツー。
しかしね、タイトルも恥ずかしいんだけど、それより表紙がアニメ絵なんだよな。ちょっと買うのが気恥ずかしい。実際、アニメ絵だと売り上げが落ちるらしいが、知っててこういうことするか?いいけどさ。
しかし、登場人物紹介が「今月の死体」とか「今月の事件を複雑にした張本人」ってのはね。しかもさりげなくなんたらかんたら・・・。
毎月事件が起こって1年分あるとかないとか。あと10冊?
チョーモンインのシリーズ。「転・送・密・室」以来でお久しぶり。メフィストに載ってた短編5つと書き下ろし短編1つ。内容は例によって例のごとし。
しかし、コストパフォーマンス悪いな。そろそろ長編書いてみては如何でしょうか?
短編集。「法月綸太郎の冒険」の後、「法月綸太郎の功績」の前の短編集。今回は非常にコストパフォーマンスは高い。しかも文庫だ。
院号を地蔵坊という山伏が各地を放浪している時に遭遇した事件について呑屋で語る、といった形の短編集。地蔵坊が問題編を語り、話を聞いた常連が推理し、そして地蔵坊が解決編を話すのがパターン。
しかし、何故に山伏?
出版社の編集者が主人公。元同僚が殺され、主人公も狙われる、と。他の編集者とか作家とかぐちゃぐちゃしてきてどろどろしてきたりして。
つまらないわけではないのだが、割と苦手なカンジではある。結末が悲劇的でないのでまだ救いがあるが。いずれにせよ、個人的このみの問題である。
短編集。昨日のはミステリ味、今日のはホラー味。
短編集。連作でもシリーズでもなく思いっきり短編集。昔読んだ本に登場した速水三兄弟が出てきたりしたが。
昔「小説すばる」で連載されていたものが単行本化されたものにボーナストラックを付けて文庫化されたもの。連作短編集、というより、章ごとに楽しめる長編、といった構成。何編かは読んでいたが、全体となるとこうなるのか、と驚く。
当然各編ごとに色々起こるわけだが、連作の場合は最終的には各編が融合してどーのこーのなる場合が多い。これもそうなのだが、この本はその構成自体がまた読者に対するトリックみたいな。ネタばらしみたいなこと書いていいのか。いいことにしとこう。
劇団の作家と看板女優、そしてその同居人あたりが主人公か。この同居人が探偵役だったはずが・・・。いや、それよりこの同居人、大したお料理のウデのようです。おいしそうなんです。しかし、具体的にはよくわからない。作者の筆力の問題ではなく私個人の料理に関する無知さが問題。比喩がわからないならまだしも、食材もよくわからなかったりして。
こういう結末は実は好きなんですね。で、<オススメ>
いかにも恩田陸。ミステリ、SF、ホラー。水野理瀬、関根夏、イサオ・オサリヴァン。今回はシリーズではない短編集。
理瀬、またしても私の前に姿を現すのですね。関根さん、御家族の方々にはお世話になりました。イサオさんのお子さん(性別、姓名不明)、今度改めてゆっくりとお会いしたいと思います。貴子さん、融さんにも。
それでは、また。
短編集。この人の小説の語り手は全て推理小説家の法月綸太郎、と下の方で書いたが、そうでもないようだ。
最初の短編集だそうだ。7編中後ろの4編がシリーズ短編なカンジ。取り敢えず「法月綸太郎の功績」を読んだので読んでみたくなった。
アルセーヌ・ルパン、鬼貫警部、HM卿が登場する短編集。同時に登場しない。それぞれ一編づつ。作者曰く「贋作」。それぞれの本来の作者の作風に似せて書いたよう。二階堂蘭子は出てこない。
その他に推定オリジナルの短編2編、おまけとして(?)芦辺拓との対談、カー各作品紹介なども収蔵している。
祥伝社の400円文庫なのである。普段出版社とか判型とかわざわざ書かないのだけど400円文庫の時は大抵そう書いているような気がする。何故かというと、気に入らないことがあるからだろう。内容には特に関係ない。ただ、文章量に比べて値段が高いような気がするのだ。
内容は・・・よくわからない。シナリオ形式で書かれている。けど、作中作のショートショートが2編含まれている。これもまた・・・。なにはともあれ全編言葉遊びなのである。
国名シリーズの第5弾なのである。少し前に読んだ「マレー鉄道の謎」より後で読む事になったのは、文庫化を待っていたからである。何故待っていたかというと、短編集だからである。あまり大した意味はないのだけれど、そういうことなのである。
なんだか全体的にいつもと雰囲気が違うような気がするが、気のせいかも知れない。
短編集。この人の小説の語り手は全て推理小説家の法月綸太郎。父親が警視庁の警視。
んなこたどーでもいいが、短編5編中3本既読。メフィストで。他2編はアンソロジーに収録されていたものの再収録らしい。なんかコストパフォーマンス悪いな〜とか思った次第。ま、こっちの都合だからいいんだけどさ。もちろん、中身がつまらないといっていつわけではない。
当然ながら「宇宙海兵隊ギガース」の続き。
ヤマタイ国を名のる木星人(あぁ、古いSFのようだ。けど、木星圏に住む人類だ)がいよいよ侵攻してくる。火星軌道上での迎撃戦。新型機も投入され、戦いは本格化する。もちろんそれだけではない。地球上での政治的屋の動向も描かれる。ガンダムにおけるニュータイプのような要素も組み込まれ、でもハナシは中途半端で終る。まだまだ続く。
それはそうと、「ガンダム世代直撃」なるキャッチは魅力的。
遠い過去に思いを馳せるのが好きだ。実は「世界ふしぎ発見」とか結構好きだったりする。ちょっと違うが「インディージョーンズ」とかも。古い神社仏閣も結構好きだったりする。あまりにも観光地化しているのはどーでもいいが。
京都龍遠寺の庭で庭師が死んだ。庭師の息子も4年前に同じ庭にある井戸で溺死していた。そして龍遠寺に由来する山中の祠にも不思議な見立てをされた死体が発見される。そして400年前、龍遠寺開祖の師もやはり同じ庭で死んでいた。
京都の地に、寺の庭園に写し取られた天空の星座。秘宝伝説。この龍遠寺に秘められた秘密とは?
警察は科学捜査で事件の真相に迫っていく。庭師の最期の言葉を受けた主人公が静かに寺の謎に迫っていく。
かなりロマンチック。そして、<オススメ>
久し振りの更新である。別に理由は思い当たらない。なんでだろ。
前に読んだ「子羊たちの聖夜」の少し後、「依存」の少し前。版元が違うから文庫化(或いはノベルズ化)されるタイミングが違うので読む順番がばらばら。なんとかならないものかと。(答:ハードカバーで読めばよい)
内容はシリーズ主要メンバーの一人が故郷で2年前に巻き込まれた高校女子寮での連続殺人事件の謎を解くって話なんだけど、シリーズ全体の流れを見渡すと、なんだろ。一つのターニングポイントかな。次の「依存」でもう一つのターニングポイントがあって、その続きはまだ描かれていない。ずっとあとなら短編として描かれていたりするが、その間が気になるな。
でも、なんで最近本読まないんだろ?
久し振りの更新である。別に本読んでなかったわけではない。未読本積んだままのクセに昔読んだ本読み直したり、エッセイ読んだり、ノンフィクション読んだり。メフィストも出たしな。
んで、本の内容である。
国名シリーズの第6弾なのである。もう何年も前から「出る出る」と言われていてタイトルだけが独り歩きしていた、伝説の本(?)である。あとがき読んでさらに驚いたが。
マレーシアの高原リゾート地、キャメロンハイランドに旧友を訪ねた火村助教授と作家有栖川が巻き込まれた密室殺人事件。何故しなの鉄道でなくマレー鉄道なのか、何故軽井沢でなくキャメロンハイランドなのか。そこらへんが今一つピンと来ないのが申し訳ない。
この本(というか、シリーズの殆ど)は有栖川の一人称で記述されているのだが、物語はマレーシア、よって日本人同士の会話以外はマレー語か英語。で、有栖川は英語が堪能ではない(私より遥かにマシではある)ので、作中の記述は、『×××(聴き取り不能)!』とか『×××(〜といった感じ)。』となる。怪しいよな。
有栖川有栖の本を紹介する時は必ず書いてるような気がするが、学生アリスのシリーズが読みたい。読みたい。
タイトルは「しがつはきりのらぶらぶみっしつ」と読む。書いてて恥ずかしい。謳い文句は「学園ラブコメミステリ」だが全く以てそのとおり。シリーズの第一作、かな。
この作者、同じ講談社ノベルズで「開かずの扉研究会」シリーズ出しているんだけど、傾向は同じかな。主人公達が大学生から高校生に変わったくらい。しかし、個人的にはその動機はあまり好きではない。もうちょっと他になかったのかしら。
それはそうと、この本、カラー口絵以外は全て封印されている。袋綴じみたいに。開封するのが勿体ない感じはするが、それでは読めないので開封。これにどんな意味があるのかは不明。でも、どうせ袋綴じにするなら雑誌をするべきだな、立ち読み対策に。内容確認のために目次だけ読めるようにしてさ。いや、買う気もないのに狭い店内で群れてるヤツラが鬱陶しいだけなんですけどね。
無認可保育園の園長で私立探偵の元警察官が主人公。保育園でも探偵業でも大忙し。色々起こって大変だな、って感じ。色々起こるのでどれがメインの事件(?)なんだかよく解らなくなってしまう。背表紙に「事件の真相はあまりにも切ない」とか書かれているが、どれが切なかったんだか。ま、シリーズ物のようだし、登場人物紹介編かな。続きをとっとと文庫化して戴きたい。
オビに「あなたは"真相"にたどりつけるか!?東野圭吾からの新たなる挑戦状」と書かれているのでてっきり「どちらかが彼女を殺した」とか「私が彼を殺した」みたいなカンジかと思ったがちと違うな。加賀サンも出てこないし。
主人公の乗る車は紺のシーマである。他にシルバーグレイのベンツと紺のBMW、そして赤いワゴン車が登場する。違和感ありませんか?私はある。シーマは車種名、ベンツとBMWは社名(ブランド名かも)、ワゴン車にいたっては単なる分類でしかない。社会通念上国産車は社名を省略して車種名、輸入車は会社名で呼び習わしているようなので(一部例外はあるが、概ねそうでしょ?)ベンツとBMWはいいとして、その赤いワゴン車ってのはなんなんでしょう。少なくともベンツでもBMWでもないはずだな。同様にボルボでもなさそうだ。いや、ベンツもBMWも実はワゴン車だった、とか、赤いワゴン車が実はベンツかBMWだったとかいうオチかと穿ったりして。しかし、そのワゴン車はステーションワゴンでなく1BOXだったと後で知れる。ベンツやBMWの1BOXは私は知らない。じゃ、国産車か。死体運ばすからメーカに気を遣ったのかしら、とか思ったりして。
いや、本筋とは全然関係ないところで揚げ足を取っている場合ではない。内容である。
湖畔の別荘地にお受験の合宿に来ている4組の親子。そこで主人公の愛人が死体で発見され、犯人は主人公の妻であるという。頑なに事件を隠蔽しようとする妻と他の親たちに釈然としないものを感じつつ協力する主人公。そして辿り着いた真相。一体そこで何が起きたのか、というハナシ。
タイトルは「れんしゅうさつ」と読む。手元の辞書(紙の)に「聯愁」なる単語は登録されていない。「聯」の字を調べた。「連」の異字体らしい。全然違うんだけど、ほんとかね。ま、いいや。
安楽椅子探偵モノ。連続殺人の4番目の被害者が辛うじて生き延びた。犯人の行方は以来杳として知れず、事件は迷宮入りに向かっている。生き延びた被害者は連続殺人犯の意図、犯行の動機、即ち、自分が何故殺されようとしたのか知りたくて「恋謎会」という推理マニア集団に推理を依頼する、というもの。論理だけで推理が展開する。が、しかし・・・。
本のオビとか表紙の折り返しの紹介文に嘘(小説世界の事実に対して)は書いていない。でも、この上の紹介文には嘘がある。内容の紹介はせにゃならんし、かといって作者とか登場人物の共犯になるわけにもいかない。出版社も大変なんだな、とか思ったりして。こんな事書いていいのか?ま、いいか。誰もわざわざ確認したりしないだろうし。
私は好きです、こーゆーの。
奥付の隣のページが内容とは関係なく面白かったりして。それってもしかして無断使用?
時代物。長編。お初ちゃんは出てきません。
料理屋開店のため引っ越してきた一家のお嬢ちゃん。そこにお嬢ちゃんだけに見える何人もの「お化けさん」がいて、お店が開店早々てんやわんや。
両親と「お化けさん」たちのために一人頑張るお嬢ちゃん、そして30年前の事件。
最近インフレ気味だが<オススメ>
アリバイ崩しモノですかね。1949年、国鉄汐留駅で発見された死体入りトランク。トランクの発送元は九州、しかも発送人は瀬戸内海で死体で見つかる。東京〜博多間で構築されるアリバイトリック。
初版は1956年。半世紀近く前の本なんだな。初版の推薦文は江戸川乱歩。なんだか凄いね〜。
天才を作るという教育センターで育ち、確かに天才少年となったがやがて能力の限界から凡人となったタクシー運転手が突然その教育センターから高額の報酬で入社を依頼される。不自然を感じた主人公がセンターの真意を探るうち・・・、ってなカンジ。
当然事件が起きたり、旧悪を探り当てたりするが、いや〜なハナシではある。
3000年前の縄文人のミイラが内側から塞がれた洞窟内で発見された。そのミイラは明らかに殺害され、そして右手は死後切断されていたが洞窟内では発見されなかった。3000年前の密室殺人事件である。
ミイラの発見自体は名声と利権が絡む。新説、新発見をよしとしない重鎮の考古学者と新進学者との軋轢、地元の利権争い。そして事件が起こる。
現代の事件と縄文期の密室殺人事件とはさすがに関連はない。ミイラの所持品などから推察する縄文人殺人事件。かなりロマンチック。
おうがいの「おう」の字が出ませんが、御勘弁戴きたい。私のせいじゃないし。
内容はタイトルのまんま、森鴎外が現代にタイムスリップしてきた、っつーハナシ。女子高生達と元の時代に戻る手段を探すうちに文学史(鴎外には自分の時代ですな)に隠された巨大な陰謀に気付く、って展開。折り返しに「作品内で森鴎外が何をするか、だれにも言わないでください」と著者からのメッセージがあるので書かない。軽く読むのに<オススメ>
あ、三連発だ・・・
貪り読むとはこういうことを言うのだろう。18時間食事もせずただ読み続けたのである。
やれ鯨喰うな犬喰うなと彼の国の人々が言う。しかし、それは己は決して飢えないという前提に立った上での弱者に対する憐憫でしかない。自分が飢えた場合でもその主張を通し、餓死する道を選ぶだろうか。恐らく選びはすまい。そして恐らくこう主張するに違いない。所詮ケダモノ、喰って何が悪い、と。所詮独善的自己満足なのである。
いや、本の紹介しなければ。
寺を拠り所として排他的に結束する400戸程の山間の村に突如移築された洋館。住人が移り住んだ時期と相前後して原因不明の人死にと失踪が相次ぐ。原因を究明しようとする村の医者の奮闘も虚しく死は邪悪な意志を持ち、村を覆い尽くしてゆく。
尋常ならざる恐怖を虚無的に受け入れていた住人たちも事の真相が明らかになった時反撃に打って出る。そして狂気のはての絶望的結末。
大作である。枚数も多いし、内容もヘビーである。読了には時間がかかるであろう。買ったら結構な金額になるであろう。でも、<オススメ>
本日2冊目。2年ほど探し求めていて(注文すれば簡単なんだが何だか味気なくて)やっと見つけたら3時間で読了だもんねぇ、勿体ない。
連作でもシリーズでもない短編集。短めなのとか長めなのとか、内容もミステリだったり、ちょっと違ったり。でも、全て加納朋子っぽい。
さて、これでこの人の既出の本は全て読んでしまったことになる(多分)。次は今年の秋らしい。それはそうと、<オススメ>
タイトルが思いっきり時期外れだが、年末から積んでいたから仕方がない。
1970年のクリスマスに起こったある不思議な事件に関わった若者4人。それから10年ごとに合う度に些細な、しかし不思議な事件に遭遇する。そして30年たった2000年のクリスマスに全ての謎が解き明かされる、というハナシ。
しかし、どうなんだろ。ケムに巻かれた感はしなくもないが、果たしてそれがハッピーエンドなのか判然としない。そして物語が終った4人はどうなったかと考えれば更に混乱する。ま、いいけど。
吹雪の山荘。雪崩で電話も途絶える。そしてお決まりの殺人事件。そして作者から読者への挑戦状。
最初は布団に潜り込んで読んでいたが途中で起きだし煙草と珈琲傍らに置き読み続ける。さすがに正座はしない。そしてそのままイッキ読み。個人的にはどまんなかのストライク。
ハナシは変わる。下に書いた引用云々だが、思いだした。井上靖の「十一月」という詩でした。今更なので書かないけど。
民間伝承、そして鬼。鯨節。連続して鬼に見立てられた女性の死体が発見される。そして鬼と名のる犯人。一般的な捜査を行う警察と民間伝承で言うところの「鬼」の正体から犯人に迫る元刑事。間に立つのは最初の被害者の友人の女性刑事。
ここらでちょいと引用してみたい文章があったのだが、誰のどの本だったか忘れた。過去の日誌ざざっと見てみたがやっぱり思い出せず。ま、そのうち思いだすでしょう。
旅行代理店の課長代理が素人探偵のシリーズ短編集。この人、昔読んだ「奇跡島の不思議」でも出てきたが、サラリーマンだったとはね。
1本目は「ビールの家の冒険」、3本目は「『本陣殺人事件』の殺人」。う〜む。
互いに関連しない完全に独立した短編が4編。ま、これまで読んだこの作者らしいのもあれば違うのもあったが、いずれも大ドンデン返し的お話。
最初の一編は強烈な違和感があった。誘拐モノで常々思っていることなのだが、果たして逆探知にそんなに時間がかかるのであろうか。鳴りさえすれば(いや、厳密には交換機に着信した時点で)発信者の電話番号は判明している筈である。まあ、それはよい。世間の誤った(古い?)認識で記述しているのだろうということで十分許せる範囲だ。
年代は特に書かれていないが携帯電話にはアナログとデジタルが存在している、そんな時代だ。雑誌初出の1994年は丁度それくらいだったと記憶している。
そしていよいよ違和感のハナシに入る。その事件当時の遥か前から国内は全て電子交換機に置換されていたと認識している。仮に私の認識が誤っていたとしても、舞台は都内なのである。断言してもいい。絶対に電子交換機だ。にもかかわらず、わざわざクロスバー交換機としたうえで逆探知方法を書いているのである。別にクロスバー交換機でも電子交換機でもストーリにもトリックにも関係ない(逆探知に時間がかかる事以外)のだから、余計な事書かなきゃいいのにと思った次第。
そして一番のミステリは、「電話技術の描写は平成四(1992)年当時のものに基づいてます」と御丁寧に但し書きがしてあること。謎である。
別にハナシが面白くないと言っているわけではないので念のため。
物理学の助教授と刑事のコンビがオカルト的事件を科学的に解明する、というシリーズ短編集。目次見ると5章だての長編みたいだが、単なる短編集。
このヒトの本は随分前に「リオ」を1冊読んだだけだけど、全然違う内容。タイトル通り、宇宙でギガースというヒュームス(ま、ガンダムで言うところのMS)の最新プロトタイプ機を木星圏独立戦争で操る美少女海兵隊員のハナシ。主人公は守備側、即ち地球連合。因に火星と月は自治体。ロボットアニメの王道を行くカンジ。
レーザービームの光条は見えない。爆発音はしない。惑星もしくは衛星周回軌道から外れれば戻れない。なるほど、そのとおりだ。
ハナシは中途半端で終る。まだ続く。
あぁ、遂に完結してしまった。これまで交わることのなかった「Cの福音」「猛禽の宴」「ターゲット」と「クーデター」「クラッシュ」のそれぞれの主人公が遂に対決。前者は物凄い犯罪者で極悪人、後者は物凄いジャーナリストで正義の味方。その物凄い犯罪者の極悪人好きだったのに、終ってしまった。ま、しょうがないね。
内容は、「Cの福音」の総清算ってなカンジかな。しかしね、その終わり方ってどうなのかな。「必殺仕事人/主水死す」とかもそんなカンジで終ったがね。いや、意味解らなければそれはそれでいいのだけど。
シリーズ短編集。刑事さんの引退のきっかけとなった事件のエピソードの隙間に引退後に関わってしまった事件が短編として挿入される。なんか最後の最後で仕掛けが爆発するかと思ったがそうではなかったカンジ。それとも見過ごしたか?
その事件はどれもこれもドジでマヌケでナサケナイ犯人。
SFなのは大歓迎なんだけど、地球征服を目論んでた宇宙人がサングラスしたシロクマみたいで募金の赤い羽根胸に挿してて赤提灯で酔払ってクダ巻いてるってのは果たしてどうかしら。しかも空飛ぶ円盤(UFOでも宇宙船でもなく)のカーテンは花柄でPHS通じるし。おもろいけどさ。
本題は(?)連続美女殺人事件。主人公は「なつこ、孤島に囚われ」でも主人公だったヘンな女性作家。同姓同名の作家は存在するが、偶然らしい。作家についてはどこまでがフィクションなんやら。どうやらシリーズらしい。
このヒトの本は文章自体が罠なんで読むほうが身構えてしまう。
三部構成で、連綿と続く(おおげさ)犯罪を誰かの視点で描く。そしていや〜な結末。
ちょっと屈折した美人姉妹のハナシ。なんか、コメントしにくいんだけど、別にエロでもバイオレンスでもない。そんなカンジ。
壮年になった学生時代の仲間4人がとある島(明記されていないが明らかに屋久島)に旅行する。島でのハイキング中に過去の、或いは現在の些細な、或いは重大な様々な謎を互いに提示し解決する、といもの。
あの「三月は深き紅の淵を」の作中で語られた幻の稀覯本「三月は深き紅の淵を」の第一部の内容がこれである。少し違うトコロもあるが。
「三月は深き紅の淵を」の第四部の最後で作者が書き出したそのまま物語は始まる。「麦の海に沈む果実」に登場した女子高生が過去の人ではあるが大学生となって登場する。
第二部「冬の湖」、第三部「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」、第四部「鳩笛」。その全てを読み終えれば恩田陸は私を解き放してくれるのか。或いは更なる深淵へ引きずり込まれるのか。
例えば「邪馬台国はどこですか?」とか、「九つの殺人メルヘン」のごとく、メイン舞台はとある呑み屋。そして探偵役はマスター、助手は常連さんの短編集。うまそーな肴が出てくる。
先に挙げた2作は(別の作家だけど)は登場人物について多くは語っておらず、殆どセリフのみで物語は進行してゆくが、こちらは違う。大それた事件が発生するわけではないが、そこには紛れもなく生々しい人々の人生が存在する。
新年早々ではあるが、<オススメ>
あのHAL9000(だったっけ?)は自我を持ったゆえに人間を信用しなくなり、あの事象発生に到った。
このハナシも概ねそんなカンジのハナシ。しかし、こちらのコンピュータは物理的手段を擁している点で優れている。物理的破壊に対して外部装置(ま、ロボットですな)により修理ができる。ロボットを設計できる、当然生産できる。つまり、人間に対する物理的攻撃も可能である。そして、その先にあるものは全面戦争である。
知能と自我を持ったコンピュータの人間に対する反応をシミュレートするためにコロニーで行われた実験。その内容と結果が本編。
このハナシでコンピュータが人間に対して語りかけてくることはない。一人称になることもない。ただ黙々と動作しているだけである。設定上当然なのであるが、ブキミだ。
さあ、未読本大量に抱えたまま新年を迎えました。今年もよろしく。